WEBTOON制作は従来のマンガ制作と異なる点があります。それが「完全分業制である」という点です。
本記事では、完全分業制での各作業工程の解説や、どのような職種があるのかを徹底解説していきます!
「WEBTOONの制作工程を知りたい、制作に携わってみたい」という方はぜひ参考にしてみてください!
WEBTOON(ウェブトゥーン)とは
WEBTOONは韓国発のデジタルコミック、ウェブコミックのことを指します。
縦にスクロールしながら読める点が特徴であり、ほとんどのWEBTOON漫画はフルカラーで表現されています。スマートフォンで読むのに適した形になっている点も特徴であり、コロナ渦における巣ごもり需要の影響で「家から出ずにマンガを読める」「スマホに対応した縦読みがおもしろい」と国際的に人気が出ました。
ここ最近は日本でも大きな注目を集めており、多くの国内企業がWEBTOON業界に参入しています。
「WEBTOON」という名前は、NAVER社の登録商標ですが、本記事内では縦スクロール型漫画を指す言葉として、世界中で広く浸透しているWEBTOONという言葉で説明します。
完全分業制とは?
WEBTOON制作の大きな特徴といえば、完全分業制で制作されるという点です。この完全分業制の新しい制作スタイルのことを「スタジオ型」と呼びます。
図で見るとこのような違いがあります。
従来のマンガ制作では基本的には漫画家が企画から作画までを担当しますが(アシスタントが手伝うこともある)、スタジオ型では脚本、ネーム……と細かく分担されています。
スタジオ型のメリットについてこちらの記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください!
各職種の作業工程と必要なスキル
WEBTOON制作における主な職種と作業工程(業務内容)をご紹介します!
あくまで一例ですので、気になる職種があった場合は各会社の募集要項を確認してみてください!
編集者
編集者は作品の基礎の基礎を作るポジションで、ネームやイラストなどはすべて編集者が作った基礎の上に成り立ちます。
業務の例としては、
・新規作品の企画立案
・制作スケジュールの管理
・各工程のクリエイターの採用とディレクション
・どのくらい読まれているかといった分析
などがあります。
WEBTOONクリエイターの中で最も業務範囲が広く、各クリエイターとコミュニケーションをとりながら制作全体がスムーズに進むようにサポートする必要があります。
原案・キャラデザイン
原案担当は「どんな話が面白いか」を考えます。編集者と一緒に企画立案を行いコンセプトなどを決めていきます。原案は編集者が担当する場合もあります。
キャラデザインは、原案担当や編集者が作成した原案を基にキャラクターのデザインを行います。時代背景に合わせた服装を考えたり、普段着とイベント用の服を考えて三面図(正面、横、後ろから見た図)におこします。
線画担当や着彩担当の人と認識のズレを起こさないようにしたり、スムーズに作業ができるよう「詳しく、わかりやすく」描くことが求められます。
キービジュアルなどの制作も担当するため、「作品の顔」を作れる非常にやりがいと責任のあるポジションと言えます!
脚本
脚本担当は、編集者や原案担当の考えたストーリーを基に、より詳細な「脚本」を作ります。セリフはもちろんそのシーンの雰囲気なども書き記します。ネーム作家や背景担当が困らないようになるべく詳細に描く必要があります。
脚本家はただ文章を書くだけでなく、書いた文章が絵に起こされることを想像しながら脚本を作ることもあるようです。
ネーム
ネーム担当は、脚本担当から提供された脚本をもとに60~80程度のコマ数の縦スクロールネームを書き起こします。
ネームとはイラストや背景を書き込む前段階のもので、人やセリフ、背景などの位置をざっくりと書き表したものです。細かい描き込みは線画担当が行うため、ここではあまり詳細に描き込む必要はありません。
どちらかというとキャラクターの表情やコマの配置、カメラワークなどの演出で「どうすれば躍動感を与えられるか」「画面に変化を付けて飽きさせないか」を考える必要があります。
細かい絵の描き込みが出来なくても問題ありませんが、最低限「誰が何をしているのか」が伝わるイラスト力は必要になりますので注意が必要です。
ネームについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
線画
線画担当は、ネームを基にキャラクターなどを清書していきます。「絵を描くのは好きだけど着彩が苦手」という方でもチャレンジできるポジションです。
特に、きれいでムラや癖のない線画を描くのが得意な人におすすめです!また、線画は複数のクリエイターで担当することもあるので絵柄を揃える技術が必要になります。
線画担当ではキャラ寄せが重要なので、同じくキャラ寄せが必要なIPを扱うゲーム制作などに携わったことがあると大きなアピールポイントになります。
また、線画担当として経験を積むことでゲームのイラストデザイナーに転職することも可能となります。ゆくゆくはゲーム業界に挑戦したいという方にもおすすめのポジションといえるでしょう。
着彩
着彩担当は、線画に色を塗っていきます。ここは従来のマンガ制作にはあまりないWEBTOONならではの作業工程といえます。
着彩をする時にはトンマナ(デザインにおいてコンセプトや雰囲気に一貫性を持たせることや、そのルールのこと)を決める必要があります。トンマナに沿って着彩をすることで読者に「この作品といえばこの色だよね」と覚えてもらうことが重要です。
また、ただ色を付けるのではなく、作品によってパキッとしたアニメ塗りにするか、淡い水彩塗りにするかを検討し、全体の雰囲気を作り上げます。
背景・仕上げ
背景・仕上げ担当は作品の世界観を作るポジションです。背景は書き込みが必要なものとあまり必要ないものがあるので、ネーム担当の指示を頼りに正確に背景を描くスキルが求められます。
また、背景の角度なども重要で「きちんとキャラが着地しているように見えるか」など、動きと合わせてみたときに違和感や矛盾が無いかの確認も重要です。
仕上げでは全体の色味の調整や、バトル漫画では特に欠かせないエフェクトの描画を行います。エフェクトは、それ1つで迫力が増したり読者を引き込むことができる大切な要素なので、編集者や原案担当、ネーム担当との連携も必要になります。
まとめ
本記事では、WEBTOON特有の完全分業制(スタジオ型)と、WEBTOONクリエイターの職種と業務内容を解説してきました。
スタジオ型を採用し、クリエイターひとりあたりの負担は減っているものの、まだまだWEBTOON業界の人材不足は課題といえます。
イラスト系の職種ではPhotoshopやCLIP STUDIO PAINTなどのイラスト系ツールの経験が求められますが、「商用、非商用不問」のものもありますので、まずは求人をチェックしてみましょう!また、業務内容が近しいアニメ業界での経験がある方は活かすことができます!
ぜひWEBTOONクリエイターになってヒット作を生み出しましょう!
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