
メトロイドヴァニアというゲームジャンルをご存知でしょうか?
メトロイドヴァニアは、横スクロール探索型アクションゲームのジャンルの1つで「探索型アクションゲーム」とも呼ばれます。
本記事では、メトロイドヴァニアについて、特徴や他ジャンルとの違い、プラットフォーム別の有名タイトルなどを詳しくご紹介します。
メトロイドヴァニアとは?
メトロイドヴァニアとは、サイドビュー(横視点)で横スクロールを用いた迷路探索型のアドベンチャーゲームのサブジャンルです。
メトロイドヴァニアという言葉は、「メトロイド」と「キャッスルヴァニア」という2つのコンピューターゲームが由来の、海外圏のユーザーによって付けられた造語です。
最近ではメトロイドヴァニアという言葉を日本のゲーム界隈でも目にする機会が増えており、ユーザー間ではおなじみの言葉になりつつあります。
また、大手メーカーが作っているというよりはインディーゲームで盛んに開発されていて、メトロイドヴァニアの多くは難易度が高いとされています。
メトロイドヴァニアの成り立ち
冒頭で紹介した通りメトロイドヴァニアは「メトロイド」と「キャッスルヴァニア」を合わせた造語です。
メトロイドとは
『メトロイド』は1986年に任天堂が発売したファミコンのソフトです。
当時、任天堂は「一方通行ではなくマップを行き来する仕様のアドベンチャーゲーム」を制作することを目的に『メトロイド』を制作しました。さらに、他のアドベンチャーゲームとの差別化を図るため永続的なパワーアップシステムを導入しました。
その後、1994年に発売した『スーパーメトロイド』では、ストーリー要素の追加や、プレイヤーに探索させるための仕掛けを増やしたことで、より「探索の方法」を進化させました。
キャッスルヴァニアとは
『キャッスルヴァニア』は英題で、日本では『悪魔城ドラキュラ』となります。(以下:悪魔城ドラキュラ)
『悪魔城ドラキュラ』は、『メトロイド』と同時期のゴシックホラーをテーマにしたゲームで、バラバラのレベルを順にクリアしていく形式が受け入れられ人気を集めていました。
シリーズを重ねていくなかで『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』では、アクションRPG形式となり、『月下の夜想曲』ではプレイ中のストレスを無くす工夫や、『ゼルダの伝説』を参考に広大なマップを行き来する探索型のシステムが導入されました。
インディーゲームを中心に認知を広げた
2000年代以降、『メトロイド』や『悪魔城ドラキュラ』の形式を取り入れたゲームがインディーゲームを中心に多く開発され、インディーゲーム界隈で流行しました。
メトロイドヴァニアの特徴
メトロイドヴァニアが持つ大きな特徴を2つご紹介します。
①広大かつ複雑なマップを探索する
メトロイドヴァニアは、広大かつ複雑なマップの探索がメインのゲームのことであり、アドベンチャー性が強いことが特徴です。ゴールは同じでもプレイヤーによってルートが異なるところがメトロイドヴァニアの魅力の1つです。
RPGゲームではストーリーに沿ってある程度道順が決まっていたり、出会う敵のレベルが徐々に上がっていく仕様ですが、メトロイドヴァニアは決まったルートや順序は無いため、自分の好きなように進めることができます。
②同じコースを何度も通る
また、メトロイドヴァニアは、「迷路を行ったり来たりして必要なアイテムを見つけたり、敵を倒すことで仕掛けを解く能力を得て、進路を開いていく」というゲーム性のため同じコースを何度も通過する必要があります。
例えば、新しい場所に行くには、ボスキャラクターが持っている鍵などのアイテムを手に入れる必要があるため、ボスキャラクターの元へ移動し戦闘を行います。
そして、討伐後元の場所に戻って手に入れた鍵を使用することで新エリアが解放される、という流れになります。
また、マップは一本道ではないため、マップ上をぐるぐると歩き回ることになります。
また、セーブポイントがあったり、ゲームを進めていくとワープ機能を得られ、ゲーム後半はマップ上の移動が楽になるように設計されています。
他ジャンルとの違い
メトロイドヴァニアはアクションゲームにおけるサブジャンルの1つですが、他ジャンルとどのような違いがあるでしょうか?
今回は、同じアクションゲームのなかでもメトロイドヴァニアと大きな相違点のある3つをご紹介していきます。
①ドットイート
ドットイートは、敵の追跡から逃れつつステージ上に点在する目標を集めるという内容のゲームです。ドットイートは敵から逃げ、迷路内の目標であるドットを通過することでクリアしていくことができる一方、メトロイドヴァニアは敵に遭遇した際にバトルして、勝った報酬としてキャラクターのレベルが上がるという違いがあります。
作品例:『斑鳩』
②ベルトスクロールアクション
ベルトスクロールアクションとは、ベルト状に奥行きのある2Dアクションで左右どちらかの方向へ進んでいき、格闘ゲームのように細かい操作性があるゲームジャンルです。メトロイドヴァニアと同じく横スクロールアクションですが、ベルトスクロールアクションは細やかな動作を必要とするという点で大きく違いがあります。
作品例:『熱血硬派くにおくん』
③プラットフォーマー
プラットフォーマーは、三人称視点で足場から足場へとプラットフォームをジャンプで渡っていくゲームジャンルです。プラットフォーマーは三人称視点という特徴があることに対し、メトロイドヴァニアはキャラクター視点のみである点が違いです。
作品例:『スーパーマリオブラザーズ』
▼その他アクションゲームについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
メトロイドヴァニアの有名タイトル
メトロイドヴァニアの有名タイトルを、プラットフォーム別にいくつかご紹介します。
▮Switch、Play Station ・『メトロイド ドレッド』:任天堂 ・『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』 ・『Bloodstained Ritual of the Night』:コナミデジタルエンターテイメント |
▮Steam ・『Hollow Knight』: Team Cherry ・『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』: Binary Haze Interactive ・『Dead Cells』:Motion Twin |
中には、マルチプラットフォームのタイトルもありますし、ゲームによってイラストの雰囲気も異なるのでぜひお気に入りの作品を見つけてみてください。
制作ツール
ゲームの制作ツールはいくつか種類があります。
ここでは、有料ソフトと無料ソフトの2つの分類に分けて、メトロイドヴァニア制作に適したオススメの制作ツールをご紹介します。
有料ソフト
RPGツクール
RPG制作ではよく用いられますが、他のジャンルにも流用して使うことのできるツールです。
ツクールシリーズでは、あらかじめセットされた豊富なゲームツール(命令、画像、音楽)を組み合わせることでゲームをより簡単に制作することができます。
また、基本設定も初めから設定されており、素材を用意する必要がなく、単純操作でマップを作成したり、キャラクターを設定することもできます。
▼RPGツクールについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
ツクールシール:https://tkool.jp/mv/special/index.html
Game Maker
プログラミング知識不要の2D特化ツールです。
Game Makerは、メトロイドヴァニアをはじめとする2Dゲームに必要な機能が充実しており、アクションゲームの制作に適しています。
また、世界中で個人のゲームクリエイターに使用されており、独自のスクリプト言語を使用するGMLによって、プログラミングの知識があればより細かい設定をすることもできます。
Game Maker:https://gamemaker.io/en
無料ソフト
吉里吉里Z
2000年代初期の2Dゲームのアプリケーション開発ツールです。
吉里吉里Zは、修正BSDライセンスで公開されているオープンソースソフトウェアで、プログラミングの予備知識が必要な玄人向けのツールとなっています。
また、吉里吉里2の後継バージョンで、タッチパネル対応のデバイスを使うことで、従来のバージョンと比較して、作業が楽になりました。
吉里吉里Z:https://krkrz.github.io/
アクションエディター4
アクションゲームの制作ツールです。これは、アクションゲームだけでなくシューティングゲームを作ることもできます。しかし、対象人数が1人であるため、対戦機能はありません。
一方で、アクションエディターには他にもバージョンが存在しますが、アクションエディター4は特別仕様が異なり、自由度が高く簡単に凝ったものを作ることができ、本格的に多くの操作を無料でできるところが魅力です。
アクションエディター4:https://www.vector.co.jp/download/file/winnt/game/fh610535.html
関連職種
メトロイドヴァニアも他のゲームと同じく、プランナーやデザイナー、エンジニアが制作に携わります。
メトロイドヴァニアは、探索要素が強いため、どのような敵を・どのくらいの強さで・どこに配置するか、などが重要になります。そのため、特にプランナーを目指している方は、メトロイドヴァニアのゲームやアドベンチャーゲームの知見を深めると良いでしょう。
メトロイドヴァニアの需要
メトロイドヴァニアの他ジャンルとは違い特有のステージの概念がないことで多くの要素が生まれている点が、今日のユーザーニーズにつながっています。
また、キャラクターの装備を自分で選択できるため、一度クリアしたゲームでも装備のレベルで難易度を変えることができ、違うゲームをしているような感覚を得られる点からも、ユーザーの人気を博しています。
メトロイドヴァニアは登場してからまだ歴史が浅く、将来さらに進化して注目を浴びることが期待されるジャンルです。
まとめ
メトロイドヴァニアについてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
メトロイドヴァニアはプレーヤーによって探索する迷路の経路が異なることで、同じゲームを何度も楽しめる点が魅力です。メトロイドヴァニアは多くの特徴や他ジャンルと差別化されるポイントがあるため、同じアクションゲームジャンルのなかでも人気が出てきています。
メトロイドヴァニアの歴史は長いものではありませんが、だからこそ将来幅を利かせることのできるジャンルになりうるのではないでしょうか。
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