ゲーム開発エンジンの二大巨頭といえば「Unity」と「UnrealEngine」です。本記事では、「何が違う?」「これから学ぶならどっちがおすすめ?」という方に向けて、UnityとUnrealEngineそれぞれの得意分野や学習のしやすさなど、計7つの項目で比較していきます!
ゲームジャンルやゲームの特徴で比較
得意なプラットフォームが違う!
そもそもUnityとUnrealEngineでは、それぞれ得意とする分野が異なります。
また、「そもそもUnityやUnrealEngineって?」といった方は、是非こちらの記事を先に読んでみてください!
Unityがスマホ向けゲームアプリの開発が得意なのに対して、UnrealEngineはPCゲームやコンシューマーゲームの開発を得意としています。
それぞれ得意とするプラットフォームはありますが、どちらも「Nintendo Switch」「Play Station」「Xbox」などの主要プラットフォームに対応しています。
開発するゲームのゲーム性が違う!
それぞれで開発されたゲームの有名タイトルとしては、
Unity | 『Among Us』『Fall Guys』『原神』『ポケモンGO』 |
---|---|
UnrealEngine | 『Fortnite』『Dead By Daylight』『ドラゴンクエスト?』 |
などが挙げられます。タイトルを見ていただくと違いがお分かりいただけると思いますが、Unityはゲーム内の機能の豊富さが重視されているゲームが多く、UnrealEngineは、グラフィックやパフォーマンスを重視するゲームが多くあります!
作成するグラフィックスで比較
こちらも得意分野の話になりますが、2Dに関してはUnrealEngineではなくUnity一択と言え、基本的にはUnityで制作されることが多くあります。(UnrealEngineでも3Dを2Dっぽく見せることは可能ですが滅多にないようです。)
Unityの2Dゲームの有名タイトルとしては、『Among Us』『Hollow Knight』が挙げられます。反対にUnrealEngineは3Dを得意としており、VRはUnrealEngineの方で多く制作されています。
また、グラフィックに関してはUnrealEnginの方が圧倒的に高精細です。
こちらはUnrealEngine5に関する動画ですが、登場する岩肌が本物かCGか見分けるのが難しいほど精巧に作られています。
エディタの軽さで比較
エディタの軽さはUnityの方が軽いため、スペックの高いパソコンがない場合はUnityを使用するのがよいでしょう。
デフォルトで機能が多いのはUnrealEngineですが、Unityに比べやや操作が分かりにくいといわれています。(最新版のUnrealEngine5では大幅に改善されたようです。)
UnityはUnrealEngineに比べ、最初からある機能は少ないものの拡張機能が豊富にそろっており、ソフトに対する習熟度が上がってきたら自分で使いたい機能をどんどん増やすことができます。
プログラミング言語、学習のしやすさで比較
次にプログラミング言語や、ソフト自体の学習のしやすさについてご説明します!
UnityはC#、UnrealEngineはC++
UnityはプログラミングにC#という言語を使用し、UnrealEngineはC++という言語に加え、ブループリントと呼ばれるビジュアルスクリプトを使用して直感的に実装できる機能が使えます。
このブループリントを使うことでC#やC++に比べて圧倒的に簡単で速くプログラムを実装できます。ブループリントは直感的な理解ができるため、エラーが起こりにくく初心者にも優しいといえます。しかし、C++を使用した方が、実装できる機能の幅が広がります。
UnrealEngineの公式サイトでも、動画で分かりやすくブループリントについて解説されているのでぜひご覧ください!
https://dev.epicgames.com/community/learning/courses/NKM/unreal-engine-30a1c8/4G3r/unreal-engine-3e4e1a
学習のしやすさ
使用されるプログラミング言語のみに限定した場合、C#の方が学習しやすいといえます。これは教材やネット記事がC++に比べて非常に多いからです。どちらも簡単な言語ではないのですが、学習教材の多さという点でC#の方が初心者は学びやすいといえそうです。
しかし、ソフト自体の学習のしやすさはUnityが優勢といえそうです。UnityはUnity Learning Materialという公式の学習サイトがあり、基本的にはすべて日本語で動画などを視聴できます。
Unity Learning Materialについては、こちらの記事もチェック!
UnrealEngineも公式で日本語字幕付きのチュートリアル動画を配信しています。しかし、Unity Learning Materialに比べると情報検索などを英語でしなければならないため、英語が苦手な方には少々厳しいところがあるかもしれません…。
開発規模で比較
ゲームを個人で開発するのか、チームや企業など大規模で開発するのかでもやや得意分野が異なります。
個人開発
個人開発に関してはどちらでも可能です。しかし、
・Unityで使用できる素材や部品をユーザーが自由に公開・購入できるショップであるAssetStoreがある
・手軽に公開・販売できる「スマホ向けゲームアプリ」はUnityの方が作りやすい
という点で、Unityの方がやや利点が多そうです。
大規模開発
大規模開発はUnrealEngineが得意といえます。理由としては
・PC、コンシューマーゲームに向けて最適化されている
・グラフィックが圧倒的にきれい
・FPSなど容量の重いゲームでもパフォーマンス良く作れる
といったものが挙げられます。実際に『Fortnite』や『VALORANT』をはじめとしたAAAタイトルの多くがUnrealEngineで制作されています。
料金で比較
どちらも基本的には無料で使用できます。
「どちらか決められない…」というときも無料なのでどちらも実際に使用して機能を試せるのは魅力的ですね!
将来性で比較
最後にゲーム開発エンジンとしての将来性についてご説明します。
現在、UnityとUnrealEngineはゲーム開発エンジンとしてトップ2のシェアを誇っています。
Unityはゲームアプリ、UnrealEngineはPC・コンシューマーゲームとそれぞれ得意分野が異なりますし、ゲーム業界は年々成長しており新作タイトルも続々と開発が進んでいるため、どちらも需要はあるでしょう。
しかしUnrealEngine5がリリースされたことで、いままでUnityに劣っていた操作のしやすさが大幅に改善されたり、次世代注目ゲームにUnrealEngine5が使用されており、UnrealEngineは勢いを増しているようです。
また、これに付随してなのか大手ゲーム会社でのUnrealEngineの採用が増加している模様です。とはいえ、求人の条件としてはまだまだUnityも多く見受けられます。
まとめ
本記事ではUnityとUnrealEngineについてさまざまな観点から比較してきましたが、どちらかを選ぶ際は「自分がどんなゲームを作りたいのか」に注目して検討してみるとよいでしょう。
「それでも決められない」「ゲームアプリかPC・コンシューマーゲームどちらが作りたいかまだ決められない」という方はどちらも無料で利用できるので、どちらも触ってみて使いやすい・学習しやすいと感じたほうを選んでみるのもよいかもしれません。
是非UnityやUnrealEngineを習得して、世界中で遊ばれるゲームを制作してみてください!
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