ゲームエンジニアは、専門知識やプログラミングを用いてゲームの設計・開発を行う職種です。
しかし、ひとまとめに「ゲームエンジニア」といっても、担当する分野によって業務内容や求められるスキルは異なります。
本記事では、ゲーム・エンタメ業界に特化した総合人材サービス『Confidence Creator』に掲載している案件を参考に、ゲームエンジニアの種類や業務内容、求められるスキルなどを解説します。
ゲームエンジニアとは
ゲームエンジニアはゲーム開発における技術職であり、要件定義・開発・実装といった部分を担います。
オンライン通信を使用するゲームが普及したことで、プログラミング以外の知識も求められるだけでなく、担当する領域によって求められるスキルや使用言語が大きく異なるのが特徴です。
ゲームプログラマーとの違い
ゲームエンジニアと混同されやすい職種として、「ゲームプログラマー」があります。
ゲームプログラマーは仕様書を基に開発を行う職種で、プログラミング言語を用いたゲームエンジン内の拡張機能の実装や、エフェクトやサウンドの実装などを行います。
ゲームエンジニアと同義で用いられたり兼任する場合もありますが、ゲームエンジニアは要件定義から設計、開発、運用保守までを担当するのに対し、ゲームプログラマーは開発をメインに担当するという点で区別されます。
▼ゲームプログラマーについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
ゲームエンジニアの仕事内容
ゲームエンジニアは、どの部分の開発を担当するかによって大きく5つに分けられます。
①フロントエンジニア
フロントエンジニアは、ゲームの画面やWebサイトなど、ユーザーの目に入る・直接操作される部分の開発を担います。
例えば、プランナーやデザイナーが決めたゲームやUIの使用に沿って「武器やパーティーの選択画面」「ゲーム内のお知らせ」などを開発・実装します。
▼フロントエンジニアについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
②クライアントエンジニア
クライアントエンジニアは、主にアプリゲームの開発に携わるエンジニアで、設計・開発・運用・保守を担います。
フロントエンジニアと仕事内容は似ていますが、クライアントエンジニアはアプリゲーム開発に特化しているという点で異なります。
また、スマホ向けゲームの開発に携わるエンジニアのことをクライアントエンジニアと言う場合もあります。
▼クライアントエンジニアについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
③インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ゲームで使用するサーバーやデータベースを動かすための環境(システム)を設計・開発・運用・保守する役割を担います。
最近のゲームはインターネット通信を用いて他のプレイヤーと対戦したりすることが多くあります。この「ゲームをインターネットを介して遊べるようにする」ための土台を構築するなど、ネットワーク通信に関わる全般を担当し、ユーザーが安心・安全・快適にプレイできる環境を整えます。
また、このネットワーク部分を専門的に扱うネットワークエンジニアという職種もあります。
▼インフラエンジニアについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
④サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、ゲーム内の的やマップに関するデータやユーザーのプレイ記録や課金情報などを保管しているサーバーの設計・構築・管理・保守を担います。
インフラエンジニアもサーバーの設計などを行い、同じ意味で使われる場合もあります。
しかし、インフラエンジニアがネットワークとサーバー両方に関わるのに対し、サーバー周りに特化し専門性が高いのがサーバーエンジニアという点で区別されます。
▼サーバーエンジニアについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
⑤サウンドプログラマー
サウンドプログラマーはサウンドクリエイターとも呼ばれ、ゲーム内の効果音やBGM(サウンド)の制作・実装を行います。
サウンドの作成は専門のサウンドデザイナーが行う場合もありますし、サウンドの制作から実装までサウンドプログラマーが1人で担当する場合もあります。
▼サウンドクリエイターについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
求められるスキル、経験
フロントエンジニア
フロントエンジニアでは、以下の言語を使用して開発を行います。
・HTML ・CSS ・JavaScript ・PHP ・TypeScript |
これらは一例ですが、ゲーム業界のフロントエンジニアはこの5つの言語を使うことが多いため、フロントエンジニアを目指している方はこれらの言語をおさえておくと良いでしょう。
また、フロントエンジニアは、デザイナーが制作したUIデザインに基づいて開発を行うため、UIデザインやWebデザインの知見があると歓迎される場合があります。
クライアントエンジニア
クライアントエンジニアでは、以下の言語やツールを使用します。
▮言語 ・C# ・C++ ▮ツール ・Unity ・Unreal Engine |
これらも一例ですが、フロントエンジニアとは異なりAndroid/iOSやSwitchなどさまざまなプラットフォームで動かすゲームを開発するため、ゲームエンジンを扱えることが求められます。
ゲームエンジンはUnityとUnreal Engineの人気が高いですが、Cocos2d-xや自社のオリジナルエンジンを使用する場合もあります。
また、言語は使用するゲームエンジンによって異なり、UnityであればC#、Unreal EngineであればC++が用いられます。
UnityとUnreal Engineでは、得意としているゲームジャンルがやや異なるため、習得を始める際は自身が開発に携わりたいタイトル・ジャンルでどちらが使用されているかを確認するとよいでしょう。
▼Unity・Unreal Engine・Cocos2d-xについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
インフラ・サーバーエンジニア
インフラエンジニアとサーバーエンジニアでは、以下のような言語やシステム・サービスを使用します。
▮言語 ・Python ・PHP ・GO ▮システム・サービス ・AWS(Amazon Web Service) ・MySQL |
これらも一例で、RubyやJavaといった言語やAzureといったサービスも用いられます。
インフラ・サーバーエンジニアは、ゲームの脳ともいえるデータベースの設計や構築も担当するため、プログラミングスキルだけでなくネットワークやデータベースに対する深い知識も求められます。
転職などで、ご自身のスキルを客観的に示したい場合は、基本情報技術者試験やAWS認定資格などの受験もおすすめです。
▼AWSとMySQLについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
サウンドプログラマー
サウンドプログラマーは、以下のようなツールを使用します。
▮サウンド制作ソフト ・Wwise ・Pro Tools ・Cubase ▮ゲームエンジン ・Unity ・Unreal Engine |
これらは一例ですが、サウンドプログラマーは、ゲームの音声を作るためにDAWと呼ばれるサウンド制作ソフトと、ゲームに実装するために必要なゲームエンジンを扱えることが求められます。
Pro ToolsやCubaseは、音楽・映画業界でも広く使われているソフトなので、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
一方のWwiseは、ゲーム開発のサウンド開発が簡単・効率的に行えるよう設計されたツールで、実際に世界中でヒットしているタイトルで300作品以上で使用されています。
ゲーム業界でも人気のあるツールですので、使用したことの無い方は、ぜひ1度触れてみると良いでしょう。
▼Wwiseについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
向いている人の特徴
ここまで、各エンジニアの仕事内容や求められるスキルを解説してきました。
それでは、ゲームエンジニアに向いている人とは、一体どのような人なのでしょうか。
特徴を3つご紹介します。
①根気強く作業を行える
1つ目が、根気強く作業を行えることです。
エンジニアやプログラマーというと、「ひたすらパソコンに向かってプログラミングをする」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
エンジニアでもコミュニケーションは活発に行われるためひたすら画面に向かって1人で作業するわけではありませんが、やはり黙々とした作業は発生します。
また、「ゲームエンジニアはきつい、やめておけ」という言葉も多くありますが、理由としては、コード1つのミスでゲームが動作しなくなったりバグに繋がるため、非常に根気と集中力が必要だからです。
そのため、根気強く作業を行える人や、黙々と作業を行うことが苦にならない人が向いています。
②学習意欲が高い
2つ目が、新しい技術や世の中の情報に対して学習意欲が高い人です。
ゲーム開発において、年々ハード(PCやSwitch、Play Stationなど)の性能が上がっていますし、それに対応するようにグラフィックが精巧になったり、世界中で高速・快適に通信プレイできるサーバーが求められます。
そのため、常に新しい情報や技術に対して学習意欲を持って知見を深めていける人が向いています。
③コミュニケーション能力が高い
3つ目が、コミュニケーション能力が高い人です。
コミュニケーション能力は、ゲームエンジニアに限らずゲームクリエイターには必須です。
ゲーム開発は多くの職種の人が協力して進めるため、エンジニア同士はもちろん、他の職種の人とも常にコミュニケーションをとります。
そのため、職種関係なく積極的にコミュニケーションをとれる人が向いています。
ゲームエンジニアの年収
本記事でご紹介したゲームエンジニアの平均年収は402万円~490万円です。
ゲームエンジニアは給与幅も広いため、スキルを身に着けることでどんどん年収アップを目指せますし、フリーランスとして独立することも可能です。
参照:求人ボックス給与ナビ:ゲームプログラマー
求人ボックス給与ナビ:インフラエンジニア
求人ボックス給与ナビ:フロントエンジニア
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ゲームエンジニアになるには
中途採用でゲームエンジニアになるためには、本記事でご紹介した言語やツールを扱えることが求められます。
書籍を用いて学習することもできますが、中には独学での習得が難しいと言われる言語もあるため、未経験の方はオンライン講座やスクールの受講も有効でしょう。
また、ゲーム業界が未経験でも、IT業界などで近しい業務の経験がある方は歓迎される傾向にあるため、異業界からの転職を検討している方は面接や職務経歴書ではできるだけ具体的に「これまでのスキルや経験がどのようにゲーム開発に活かせるか」をアピールしましょう。
まとめ
本記事では、ゲームエンジニアについて細かい職種や仕事内容、求められるスキルなどを解説しました。
ゲームエンジニアは、ゲームクリエイターの中でも専門知識や技術を求められるポジションですが、その分スキルに合わせて給与やキャリアアップの可能性もあります。
ぜひ、ご自身の興味のある分野やご経験を活かせる分野で、ゲームエンジニアに挑戦してみてください。
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