業界知識

24.05.17

【ゲーム業界】サウンド開発の効率化を図れるWwiseとは?

ゲームのサウンド開発において、サウンドデザイナーとサウンドプログラマー※のやり取りが非効率的という問題点があります。
そういった問題点をできるだけ解消しようというツールが「Wwise」です。
※サウンドデザイナーとサウンドプログラマーをまとめてサウンドクリエイターとも呼びます。

本記事では「Wwise」とは一体どのようなツールか、詳しく紹介します!

Wwiseとは

「Wwise(ワイズ)」とはAudiokinetich(オーディオキネティック)社が開発・販売している複数のプラットフォームやゲームエンジンに対応できるサウンド開発用ツール・ミドルウェアです。

ただサウンドを開発するだけでなく、
・オーサリングツール
・ゲームエンジンと連動できる開発
・デバッグ環境
などすべてをまとめ、パッケージ化されています。

元々大手のデベロッパーやパブリッシャーは、長い間思考錯誤を繰り返して制作した自前のゲームサウンド開発ツールを持っていることがほとんどだったため、日本で発売された当初は、Wwiseを使用することはないという否定的な意見もありました。

しかし、Audiokinetic側は、Wwiseが優れた開発ツールであるという事だけでなく、ツールの安全性やカスタマーサポートにも力をいれ、実際に使用するデベロッパーやパブリッシャーに寄り添う開発を行った結果、日本でも広く受け入れられるツールとなりました。

そして現在では、Wwiseを使用したゲーム作品はAAA級(全世界をターゲットにした大作級)で300作品以上あり、サウンドミドルウェアとして世界でも評価を受けるまでになりました。


参考:Wwise公式サイト
https://www.audiokinetic.com/ja/products/wwise/

Wwiseの特徴

ここまで、Wwiseがどのようなツールかをご紹介してきましたが、なぜWwiseがゲームサウンドクリエイターに選ばれるのか、4つの特徴をご紹介します。

①サウンドデザイナーがサウンドの制御を設計できる

従来のサウンド制作は、サウンドデザイナーがサウンドを制作し、サウンドプログラマーがサウンドの音量や音質などをゲームに合わせて制御し、実装する方法が主流でした。

しかし、Wwiseを使用することでサウンドデザイナーが音量や音質の制御を行うことができるので、サウンドプログラマーの負担が減り、サウンド制作の効率化が図れます。

また、修正する場合もプログラムのコードを直す必要がないので、サウンドデザイナーの仕事の幅を大きく広げることができます。

②サウンドデザイナーにとって操作が難しくない

ゲームに関わらずさまざまなサウンド制作には、DAWと呼ばれる音楽をデジタル形式で録音や編集、ミックスできるソフトウェアが使用されます。

そして、WwiseはDAWとUIや搭載されているツールが非常に似ているため、DAWの知識や操作方法を理解しているサウンド開発の経験者にとっては、それほど難しいと感じることはなく、非常にとっつきやすいツールと言えます。

また、DAWの使用が未経験の方でも、公式ホームページには日本語で無料の学習教材(動画やドキュメント)が豊富に揃っているため、ツールの学習もしやすいです。

③クロスプラットフォームに対応できる

最近ではゲーム開発をする際、複数のプラットフォームに対応できるように開発される場合がほとんどで、開発ツールもクロスプラットフォームに対応できることが求められます。
そして、複数のプラットフォームに対応させるためには、プラットフォームごとに開発を行わなければならない場合もあり、その分工数が多くかかってしまいます。

しかし、Wwiseは複数のプラットフォームに対応できるので、それぞれを個別に開発する必要がなく、サウンド制作の効率が各段に上がります。

④メンテナンスコストの削減に貢献できる

自社のサウンド開発環境の場合は管理・維持するのにコストが発生してしまいますが、Wwiseを使用することで作業が効率化されるので、管理・維持にかかるコストを削減できます。

Wwiseの料金プラン

Wwiseの料金プランはゲーム制作に使用することに関して、4つのプランがあります。

プラン 料金 Wwiseを使用したプロジェクトの制作予算
インディー版 無料 25万ドル以下の場合
プロ版 8千ドル~ 25万ドル以上200万ドル以下の場合
プレミアム版 2万5千ドル~ 200万ドル以上場合
プラチナ版 4万8千ドル~ 200万ドル以上場合
※料金表記は米ドル

料金プランが上がるほどサポートが充実していたり、ツールのプラグイン追加などが豊富になります。

インディー版は無料で気軽に使用できますので、詳しく知りたい方は公式サイトを参照してみてください。

参考:Wwise公式サイト
https://www.audiokinetic.com/ja/pricing/

Wwiseを学ぶには

ここまで読んできてWwiseにさまざまな機能・利点があることを知っていただけたと思いますが、「使ってみたいけどやっぱり難しそう…」「どうやって学んだら良いの?」という方もいるのではないでしょうか。
そこで、Wwiseを学ぶ方法を2パターンご紹介します。

①公式サイトで配信されている教材で学ぶ

1つ目は、公式サイトを活用して独学で学ぶ方法です。

独学と聞くとハードルが高く感じる方もいるかもしれませんが、Wwiseの公式サイトにはWwiseを習得するための学習教材が豊富に配信されています。

日本語対応かつ無料で受けられるものとなっており、動画やクイズなどを通して独学で勉強するのに十分な環境が整えられています。

「とりあえずWwiseに触ってみたい!」という方にもおすすめの学習法です。

参考:Wwise公式サイト 教育関連
https://www.audiokinetic.com/ja/education/learn-wwise/

②認定スクールで学ぶ

2つ目が、Wwiseの認定を受けたスクールで学ぶ方法です。
独学に比べ費用はかかってしまいますが、より実践的な使い方を学べるだけでなく、Wwise認定のインストラクターから教わることができるので、分からない部分はその場で解決できます。

また、スクールの場合は3か月や半年など受講期間が設けられている場合もあるので、「短期集中で習得したい」「疑問はすぐに解決したい」という方におすすめの学習法です。

学習を進めたら、自分の技量を確かめるためにもWwise認定試験を受けることもおすすめです。オンラインで受けることができ、難易度も複数設定されているので、自分の実力に合った認定試験を受けることで、より学びを深めることができます。

ゲームサウンドクリエイターにWwiseは必須?

企業によってWwiseを使用していない場合もありますが、サウンドクリエイター職の募集ではWwiseの経験が必須か、あると望ましいとされていることが多いです。

特にサウンドデザイナーはWwiseを使いこなせるようになるとキャリアアップが望めます。ゲームサウンドクリエイターに興味がある人は、Wwiseを使いこなせるようになれば企業にアピールができるでしょう!

まとめ

Wwiseは、サウンド制作だけでなくゲームエンジンへの実装やオーサリング、デバッグまで行うことができ、サウンド周りの開発における効率化をしてくれるツールです。

公式サイトによる学習環境も整っており、サウンド制作経験者はもちろん、未経験の方でも習得しやすいと言えます。
ゲームサウンドクリエイターを目指している方は、ぜひ1度学んでみてはいかがでしょうか。

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