3Dゲームにおいて見栄えが良いと感じるのは、ライティング・エフェクト作業によるものです。ライティング・エフェクト業務は3Dデザインの最終段階ですが、ユーザーの面白味に直接関わってくるので非常に大切な工程になります。
本記事では、ライティング・エフェクトが一体どのような工程なのか解説します。
陰影の表現や照明を設定するライティング
ライティングの役割
ライティングとは、陰影の表現や照明の設定のことを指し、季節や時間による太陽光の当たり方や、室内の照明がどのような明るさなのかを設定することで、より現実的なシーンを演出していく作業です。
また、扱う光の種類や色によって作品全体やシーンの雰囲気をコントロールしたり、キャラクターの心情を表現することができます。
ライティングの結果は、簡単なものであればすぐに確認できますが、細かい部分の場合は、最終的なレンダリングの結果が出なければ確認できません。
現在の3DCGソフトのほとんどはリアルタイムに結果を表示してくれる機能が搭載されているので、ライトの位置やサイズ、色や影の濃さといった要素をその都度修正することで完成に近づけていきます。
▼おすすめの3DCGモデリングソフトについてはこちらの記事で詳しく解説しています！
ライティングの注意点
よくありがちな例として、ただ明るくすれば良いという考えで明るさを調整してしまう場合があります。しかし、ただ明るさを調整するのではなく、光を利用することでそのシーンをどのように見せたいかを表現したり、より現実的な陰影を重視して作業することが非常に重要になります。
▼ライティングについてはこちらの記事で詳しく解説しています！
プレイヤーの心地良さに繋がるエフェクト
エフェクトの役割
エフェクトとは、爆発や炎などの自然現象や魔法などの仮想現象をCGを用いて表現したものです。エフェクトによる演出でプレイヤーにゲームの状況を伝えたり、キャラクターの心情を想像させることができます。
また、ゲームのストーリーに合わせ爆発の炎や特殊な魔法の効果などを使い、映像の華やかさやリアルさを演出することで、プレーヤーに爽快感や達成感を与え、臨場感を持たせることでゲームの世界に没入させることができます。
▼エフェクトの基礎といえる「パーティクルエフェクト」についてはこちらの記事で詳しく解説しています！
エフェクトの注意点
エフェクトを多く入れすぎてしまうと、描画遅延などの処理落ちを起こす可能性があります。よって、最小限のエフェクトで見栄えの良い作品を作る必要があります。そのためには技術と経験が必要になります。
ライティング・エフェクトに求められるスキル
ライティングとエフェクトを行うにあたって求められるスキルはいくつかありますが、ここでは、共通して求められるスキルを2つご紹介します。
①演出力
光やエフェクトの出し方や種類、タイミングなど、1つの演出でもさまざまなパターンが想定されます。そのシーンに至るまでのストーリー性などを理解し、企画者が意図した雰囲気やディテールをプレイヤーに伝えられるような演出方法を考える必要があります。
②発想力・独創性
他にはないオリジナリティ溢れる演出を表現することによってプレイヤーの心を掴み、よりプレイヤーがゲームに没入できます。発想力・独創性を磨くためにも、柔軟な発想が求められます。
ライティング・エフェクトの関連職種
ライティングやエフェクトは、主に2D／3DCGデザイナーが行いますが、企業によってはライティング専門のライティングアーティストや、エフェクト専門のエフェクトデザイナー（エフェクター）がいる場合もあります。
ライティング・エフェクトを行うためには、UnityやUnreal Engineといったゲームエンジン、Mayaや3ds Maxなどの3DCGソフトを学び、使いこなせるようになる必要があります。
また、エフェクト制作の場合はこれらに加えてAfter EffectsやShuriken、BISHAMONといったエフェクト制作ソフトも使えると良いでしょう。
また、オープニングやストーリー中でムービーが流れることがありますが、そのムービー内のエフェクトを実装することも仕事の1つです。キャラクターのオーラなど、ゲームの状況をプレイヤーに知らせるためにデザインすることもあります。
ゲーム業界は新しいソフトやテクニックがどんどん出てくる業界なので、そういった技術やセンス・演出力を能動的に磨く向上心が必要です。
まとめ
ライティング・エフェクトは作品を完成に近づけるための最後のステップです。 ライティング・エフェクトがあることで、プレイヤーがゲームのクオリティの高さや、まるで現実世界でゲームをプレイしているかのような没入感を感じられる、重要なポジションであると言えます。
「3DCG技術を使ってゲーム業界で活躍したい！」「プレイヤーに感動を与えたい！」という方は、ぜひライティング・エフェクトを仕事にしてみてはいかがでしょうか？
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