業界知識

22.11.11

Mayaとは?ゲーム開発に使われる高性能な3DCGソフトを紹介

3DCGは映画やアニメだけではなく、ゲーム制作においても重要なファクターとなっており、そのゲーム開発における3DCG制作では「Maya」というソフトが多く使用されています。

今回はそのMayaにはどのような特徴があり、どのようなことに活用されているのかご紹介していきます。

Mayaとは

Maya(マヤ)は、AOUTDESK(オートデスク)社が開発した3DCGアニメーションソフトです。3DCGに必要なモデリング・アニメーション・レンダリングなどの手順すべてをサポートしています。

Mayaを使用したゲーム作品は、『ホグワーツ・レガシー』や『バイオハザード7』、『コトダマン』などがあります。

Mayaはプロの現場で使用されている「ハイエンドクラス」のソフトで、3Dアニメーションキャラクターの作成から製品の動作シミュレーションまで幅広い機能が搭載されている、高機能かつ多機能なソフトです。

また、表現できる幅も広く、実写に近いリアルな表現から、マンガのキャラクターのようなものまでモデリングできます。

Mayaでできること

数ある3DCGソフトの中でもMayaは大きなシェアを占めています。具体的にどのようなことができるのか、特徴と合わせて5つご紹介します。

①ツールが豊富

Mayaの大きな特徴の1つとしてツールセットが豊富な点が挙げられます。Mayaは初期の段階からツールが豊富に搭載されているので、操作に慣れてきて表現の幅が広がることでより効果的なアニメーションやキャラクター作成が可能です。

また、よく使うツールを探すのに手間取ったり、時間がかかってしまうという経験はないでしょうか。Mayaには豊富なツールセットの中から自分の使いたいツールにすぐアクセスできるショートカット機能があるので、この機能を使うことで制作スケジュールの効率化が図れます。

②拡張性がある

ソフトを拡張できることも特徴の一つです。スクリプトから新たな機能を加えることができるので、自分でプログラムを設定することによって、他のソフトとは異なる高性能なソフトにできる可能性を秘めています。

しかし、新たな機能を加えるにはプログラムを設定する必要があるので、プログラミングのスキルが必須です。

③操作が直感的

複雑なコマンドがなく、直感的な操作でモデリングすることができる点が使いやすいと感じるポイントです。これから3DCGソフトを学びたいと考えている人にとっては始めやすいソフトであると言えるでしょう。

④レンダリングソフトが付属している

Mayaにはレンダリングソフトである「Arnold(アーノルド)」が付属しています。
レンダリングは、制作したモデルを2Dの画面上に表示する工程のことで、場合によっては、モデリングソフトとは別にレンダリング用のソフトをインストールする必要があります。

しかし、Mayaの場合Arnoldを付属しているため新たなソフトをインストールする必要が無く、モデル制作からレンダリングまで一気に行えます。

⑤動作環境に制限がない

MayaはWindowsとMacの両方に対応しています。3DCG業界のワークフローがWindowsになっていることなど、Macが少し使いづらい状況にある中、両方に対応していることで、WindowsとMacの間でデータの共有などが可能です。また、自分のパソコンのOSに関係なく始められます。

Mayaのゲーム業界での活用事例

実際にどのようなことにMayaは使用されているのでしょうか。活用事例を3つご紹介します。

Mayaは以下ゲームの開発で使用されています。

・『バイオハザード RE:2』:カプコン
・『バイオハザード7 レジデント イービル』:カプコン
・『ホグワーツ・レガシー』:ワーナーブラザーズ ゲームズ
・『ファイナルファンタジーXVI』:スクウェア・エニックス

どのタイトルも共通して、リアルで壮大な表現が用いられており、作品への没入感や緊張感を楽しめます。

Mayaの価格と学習方法

Mayaの料金プラン

Mayaの料金プランは契約する期間によって異なります。

1か月契約 36,300円(税込)
1年契約  286,000円(税込)
3年契約  858,000円(税込)
※学生は3年間無料(ライセンス延長あり)
(※2024年10月9日時点)

他のソフトと比べたら高いと思うかもしれませんが、3年契約プランのような長期契約にすることで価格を抑えることができます。

もし高いと感じた方や、もう少し手軽に始めたい方は、「Maya Indie」の使用を検討してみてください。

「Maya Indie」は以下の要件に絞ることで価格を抑えています
・クリエイティブ制作による年間総収入が1500万円以下である
・100,000ドルを超えるプロジェクト制作には使えないこと
・ダウンロードできるのはユーザー一人か一つの組織につき一つのみであること
加えて、法人ではなく個人向けに提供されているので、購入される場合は上記の要件を確認してからの購入をおすすめします。搭載されている機能はMayaとそれほど変わりません。

学習方法

Mayaの習得方法には、独学で習得する方法とスクールに通う方法があります。

独学で習得する場合、公式サイト・オンラインコミュニティ・書籍・チュートリアル動画などが揃っており、独学で学習する環境は整っていると言えそうです。

一方、業務で使用するレベルまでスキルアップして仕事の幅を広げたいという方はスクールに通う方法をおすすめします。Mayaにはさまざまな機能が搭載されているので、それらを使いこなすには高度なスキルが必要です。多少費用はかかってしまいますが、ゲーム業界への転職を希望されている方はスクールに通うことを検討しても良いでしょう。

Mayaを使う職種

Mayaは
・モデラー(背景、キャラ)
・モーション、エフェクトデザイナー
・アニメーター
・レベルデザイナー
・コンポジット
などの職種で使用されます。
3Dデザイナーの中でも、特に背景・キャラモデラーではMayaの経験を求められやすい傾向にあります。

▼3Dデザイナーについてはこちらの記事で詳しく解説しています!





また、最近話題にもなっているメタバースにもMayaで作成した3Dオブジェクトを利用することができます。有名なメタバースプラットフォームである「VRCHat」や「cluster」などと連携機能があるので、自分で作成した3Dオブジェクトでヴァーチャル空間を楽しむことができます。

まとめ

Mayaはハイエンドクラスの3Dソフトで、さまざまな表現を可能にする高機能・多機能ソフトです。Mayaを習得すれば3Dデザイナーを目指すうえで大きな武器になります。

特にゲーム業界では3Dデザイナーの需要が高まっているため、これから3DCGソフトを身に付けて3Dデザイナーとして活躍したいと考えている方はMayaの習得を目指してみてはいかがでしょうか。

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