3DCGゲームでは臨場感溢れるゲーム体験を提供しています。それらの動きを作り出し、キャラクター達を生き生きとさせるにはモーションデザイン・リギングという作業が欠かせません。
今回はモーションデザイン・リギング業務について紹介していきます。
動きに躍動感を与えるモーションデザイン
モーションデザインとは
そもそもモーションデザインとは、静止画であるイラストや文字に動きをつける表現方法のことを指します。
動かしたい対象に手作業で動きをつける方法や、現実の人間やモノの動きをデジタル化してデータとして取り込む方法があります。
静止画に動きをつけることから、モーショングラフィックスとも呼ばれます。
ゲームにおけるモーションデザインとは
ゲームにおけるモーションデザインでは、ゲームに登場するモノやキャラクターの動きを設定します。キャラクターの感情や躍動感を演出することに直接関わる仕事なので、ゲームの面白さに直接関わってくる仕事と言えるでしょう。
キャラクターの動きがぎこちなければ、ユーザーの操作に違和感が生じ、クオリティ面や操作性の面で低い評価を受けてしまうので、売上にも直接関わってきます。
特にアクションゲームなどの細かい動きが多いものや、キャラクター独自の個性やポーズが決まっている場合はその個性に合わせた動きを表現する必要があるなど、重要な役割を担っています。
動きをより滑らかにするリギング
リギングとは
リギングは、対象のモデルを部分的に動かしたり、回転させるために骨組みや回転軸などを設置する作業のことで、人や動物を動かす時の関節の動きをより滑らかにするための作業です。
モデリングの流れでリギングも行う場合もありますが、企業によってはより動きを熟知しているモーションデザイナーや専任のリギング担当が行う場合もあります。
対象のモデルが人の場合のリギングには「スケルトン構造」の理解と「ジョイント」の作成方法について理解する必要があります。
スケルトン構造とジョイント作成とは
スケルトン構造
スケルトン構造とは「階層構造」のことで、一方が動くともう片方も自動で動くという関係のことを指します。例えば、人間の膝の位置が動けば足首の位置も自動的に動くといったものです。この場合、膝が「親」で足首が「子」の関係になります。
キャラクターの動きの場合、膝と足首といった一対一の関係ではなく、肩甲骨や骨盤など複雑な親子関係の階層構造があることを理解しなければなりません。
ジョイント作成
ジョイントとは骨の支点部分のことで、骨組みを回転する軸の部分ということができます。人間でいえば関節のようなものです。
ジョイントは体のモデル形状に合わせて配置し、作成する必要があります。キャラクターの動きを自然なものにするのがジョイントであるため、適切な場所と数のジョイントを作成・設計する必要があります。
スキニングとの違い
リギングと混同されやすいものとして、スキニングがあります。
スキニングとは、キャラクターに設置した骨組みとキャラクター本体を紐づけることを指し、スキニングを行うことで、骨組みを動かした際にその骨組みが設置されている部分を動かすことができます。
リギングは対象のモデルを動かすための設定全般を指し、スキニングはその設定の一部という点で異なります。
モーションデザイン・リギングに重要なスキル
ここでは、モーションデザイン・リギングを行うにあたって求められるスキルを2つご紹介します。
①観察力
筋肉の動きや服のしわなどを普段から注意深く観察しておく必要があります。
普段から自然なモーションのストックを作っておくと良いでしょう。また、ストーリー展開に合わせた動きを求められるので、想像力も必要です。
②造形力
自然でかつ表現力豊かな動きを制作するには人間の筋肉の動きがどうなっているのか、人体構造の理解も不可欠です。より魅力的に表現するための動きを作る力が必要です。
モーションデザイン・リギングで使用するソフト
モーションデザインとリギングでは、以下のようなソフトがよく使用されます。
▮ゲームエンジン ・Unity ・Unreal Engine ▮3DCGソフト ・Maya ・3ds Max ・Substance Painter/Designer ・After Effects |
上記は一例ですが、どれもゲーム業界では使用頻度が高めなので、これからモーションデザインやリギングを習得したい方は、これらのツールの習得を目指すと良いでしょう。
モーションデザイン・リギングに関わる職種
モーションデザイン
モーションデザインは主に2D/3DCGデザイナーが行い、企業によってはモーションデザイナーという専門の職種を設けている場合もあります。
また、モーションデザイナーの求人の中には手付けモーションのスキルが必須のものもあります。
▼手作業で動きをつける「手付けモーション」はこちらの記事で詳しく解説しています!
リギング
リギングは主に3DCGデザイナーが行い、特にモーションデザイナーの場合、リギングが必須となっている求人も多くあります。そのため、モーションデザイナーを目指している方は、リギングをマスターすると良いでしょう。
他には、アニメーターやテクニカルアーティスト、遊技機開発などでもリギングが求められる場合があります。
まとめ
モーションデザイン・リギングはキャラクターの表現をよりリアルに近づける作業で、動きに違和感がないかどうかがプレイヤーのゲームへの信頼度に大きく関わって来ます。
モーションデザインやリギングに興味のある方は、人体の体の構造を理解し、多くの人間の動きを作ってみることから始めてみましょう。また、さまざまなものに好奇心を持つことで観察力が磨かれるので、日常生活の中でいろいろな知識を吸収していくことも必要です。
ゲームクリエイターのお仕事探しならConfidence Creator
『Confidence Creator』はゲーム・エンタメ業界に特化した人材事業を展開する株式会社コンフィデンス・インターワークスが提供する総合人材(派遣・無期雇用派遣※・紹介)サービスです。
ゲーム・エンタメ業界の大手・上場企業を中心に250社以上の取引実績を持ち、常時月間300件以上の新規案件を保有。 Confidence Creatorにしかない非公開案件も多数ございます。
これまでゲーム・エンタメ業界で築いてきた信頼関係の強さを活かし、制作現場を熟知したコンサルタントがゲーム・エンタメ業界で働くみなさまのご経歴やご希望、これからのキャリアビジョンに応じて最適なマッチングを行います。
ゲーム・エンタメ業界でのキャリアアップを目指す方も、ご自身のキャリアについて漠然と悩みを持っている方も、まずはお気軽にご相談ください!
※無期雇用派遣とは?
株式会社コンフィデンス・インターワークスの「正社員」として雇用契約を結びますが、実際の就業先は、ゲーム・エンタメ企業での常駐勤務となります。「正社員」としての安定した雇用がありながら、大手企業をはじめとするさまざまなプロジェクトに携わりスキルを積むことができますので、成長意欲の高い方におすすめの働き方です。