業界知識

24.07.03

ゲーム業界でも活躍!大量のデータ処理を高速でできるMySQLとは

MySQL(マイエスキューエル)はアメリカのオラクル社が開発・提供・サポートを行っているオープンソースのデータベース管理システムです。大量のデータを高速に処理、安全に管理ができるという点で、ゲーム業界を含む世界中のさまざまな業界で利用されています。

本記事では、MySQLがどのようなものなのかや、ゲーム業界でどのように使用されているかをご紹介します。

MySQLの特徴

始めに、MySQLとはどのようなものなのか、4つの特徴をご紹介します。

①RDBMSで簡単にデータの抽出ができる

RDBMSとは「リレーショナルデータベース管理システム」の略で、SQLと呼ばれる言語を使うことでデータやデータベース(データを集合したもの)を操作できます。

リレーショナルデータベースではひとまとまりのデータを「テーブル」という単位で管理します。学校でいうとデータが生徒、テーブルがクラス、というイメージです。

さらにテーブルに設定した「キー(プライマリーキー)」と呼ばれる項目で、テーブル同士を結び付けることも可能で、これによりデータ同士の複雑な関係性を表せます。

キーは学生番号のようなもので、その番号1つで名前や性別、居住地が特定できるようなイメージです。この名前や性別、居住地のようなデータ(情報)を「レコード」といいます。



つまり、プライマリーキーさえあればその中に入っているレコードが簡単に抽出できるのです。

また、リレーショナルデータベースではデータの重複や欠落を無くせるため、「新しい情報を入れたけど、古い情報がいつまでも残ってしまって上手くデータが処理できない」という不具合も起こらず、いつでも最新のデータ(レコード)を簡単に抽出できます。

②クライアントサーバーシステムで負荷を分散できる

そもそもサーバーとはデータを保管しておく場所のことを言いますが、サーバーに保管されているデータにアクセスするためには「リクエスト」を送る必要があります。この一連の流れをクライアントサーバーシステムと言います。

クライアント(サービスやシステムを利用するコンピューター)はSQLという言語を使用して、「このデータが欲しい」という要求をデータベースサーバー(以下:サーバー)に送信します。

つまり、クライアントとサーバーでそれぞれ役割分担しているということです。
仮に1つのシステムですべてを担っている場合に数万人がこの一連の動作を行ってしまうと、コンピューターにかかる負荷が大きすぎて通信を処理しきれません。

しかし、役割分担して負荷を減らす(分散させる)ことで、数万人規模の処理も可能になります。

MMOゲーム(『メイプルストーリー』など)の場合1度に数百〜数千人がアクセスしプレイするため、このクライアントサーバーシステムが導入されています。
つまり、MySQLはMMOなどの大規模通信を必要とするゲームの開発にも適しています。

▼MMOについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
全世界とつながろう!MMORPGって何?

③故障の原因を素早く特定できる

こちらもクライアントサーバーシステムの話になりますが、例えば、誰か1人によってブラウザ(クライアント)が壊されても、サーバーはダメージを受けません。また、この時、他の人のクライアントであれば問題なく閲覧できます。

つまり、「ページが開けない」という問題(バグ)が発生した場合、他のクライアントからページが開ける場合はクライアント側の問題で、他のクライアントでもページが開けない場合はサーバー側の問題、と原因を簡単に素早く特定できます。

また、負荷(役割)を分散させているので、バグの原因を特定したときにその部分(クライアント側だけ、サーバー側だけ)の修正を行えばいいので、「修正が終わるまでコンピューター全部が使えない(何もできない)」ということは無くなります。

④オープンソースでコストが削減できる

MySQLはオープンソース(※)であるため、無料で利用できます。商用利用の場合は費用がかかりますが、大量のデータ処理を行うサーバーを増設するよりはるかにコストを抑えられます。
※オープンソースとは、ソフトウェアを作るためのプログラム(ソースコード)が一般に公開されていることを指し、有志によって継続的に改良が行われる開発方式でもあります。

ゲームは、リリースしてからの時間経過に比例してユーザー情報を含むさまざまなデータが増えていきます。その膨大なデータを管理するシステムを構築するには大きな予算が必要になってしまいます。

しかし、MySQLは低コストで利用できるため、最近では予算削減のために大企業だけでなくスタートアップやベンチャー企業などでも導入が増えています。

ゲーム業界でMySQLスキルを活かすなら

MySQLはYouTubeやGitHub、Line Corpnなど、業界を問わずさまざまな企業で導入されていますが、ゲーム業界では、ジニアス・ソノリティ株式会社(『ポケとる』『電波人間のRPG シリーズ』など)、株式会社スクエアエニックス(『ドラゴンクエスト シリーズ』『ファイナルファンタジー シリーズ』など)などで、活用されています。
参考:https://www.mysql.com/jp/customers/

ゲーム業界でもさまざまなところでMySQLが活用されており、 主にエンジニアが使用しデータの収集・分析、システムの不具合の修正業務を行います。

また、MySQLは有償でのサポート体制が整っていますが、社内でMySQLのトラブルに対応できる人手が不足していたり、スタートアップやベンチャーでそもそもエンジニアが足りていない場合、そういった企業から仕事を獲得できたりと、MySQLスキルを十分に持っているだけで即戦力となれる可能性があります。

具体的にどのようなポジションに活かせるのか、3つご紹介します。

①サーバー/クライアントエンジニア

サーバーエンジニアは、ゲームのサーバープログラム開発・運用や、アップデート対応、不具合対応、インフラ管理などを行います。対してクライアントエンジニアはゲームの中でキャラクターが正しく動作するようにプログラミングしたり、各種機能の開発などを行います。

同時に多数の情報を速く処理できるサーバーの構築ができたり、ゲーム内にバグが発生した際にいちはやく原因を突き止めて対処するといった部分でMySQLの経験が活かせるでしょう。

②社内SE

社内SEは、社内ネットワークの構築・運用管理や、PCの管理、ライセンス管理、社内ヘルプデスクなどを行います。
ゲーム開発経験が無くても、社内ネットワークの構築といったデータベース周りでMySQLの実務経験があったりヘルプデスクの経験があればチャレンジ可能な求人もあります。

③インフラエンジニア

インフラエンジニアは、システム開発や環境構築における要件定義から設計・構築、サービスの運用・保守・監視、運用ツール類の開発・保守、社内外の技術的サポートを行います。業務内容は上記2つのエンジニアと近いですが、システムの安定した運用やそのサポートをメインで行います。

MySQLはサーバー環境の構築にも用いられるため、インフラエンジニアの場合、特にサーバーやシステムの構築の経験を活かせるでしょう。

まとめ

本記事では
・MySQLは大量のデータを高速に処理できるデータベース管理システム
・データの抽出が簡単
・故障や不具合の原因を素早く特定できる
・ゲーム業界でも導入されていてMySQLが使えるとエンジニアとして活躍できる
という点をご紹介してきました。

MySQLは専門知識が必要な分野ではありますが、ゲーム開発に向いている特徴が多く、導入や扱えるエンジニアの需要も高いです。
ゲームエンジニアにご興味のある方は、ぜひ習得してゲームや会社の縁の下の力持ちになってみてはいかがでしょうか?

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