業界知識

24.04.26

2D/3Dゲームデザイナーになるには?仕事内容や未経験から目指す方法などを解説!

「ゲーム業界で働きたい」「ゲームキャラを作ってみたい!」このような思いを持っている人におすすめの職業が「ゲームデザイナー」です。

ゲームデザイナーは、ゲームの世界観をつくり出す重要な役割を果たします。
そこで本記事では、「ゲームデザイナーがどんな仕事なのか?」「未経験から目指す方法は?」などの疑問を解消していきます!

ゲームデザイナーの仕事内容

ゲームデザイナーとは、ゲーム内のグラフィックやアートワークを作成する職業です。
具体的には、キャラクターや背景、アイテムなどのデザインをしたり、タイトル画面やメニュー画面のUI/UXのデザインを行います。

さらに、ゲームデザイナーの中でも「2Dデザイン」と「3Dデザイン」が存在しますが、それぞれどのような仕事をするのでしょうか?

2Dデザイナーの場合

「2Dデザイン」は紙に描いたような平面的なデザインのことで、こうしたデザインをする人のことを「2Dデザイナー」と呼びます。

そして、2Dデザイナーにもさまざまな業務が存在し、それぞれが以下のような役割を担って仕事を進めることが多いです。

イラストレーター

ゲームのキャラクターや背景などを描く仕事です。

ゲームプランナーやクライアントからの指示を受け、イラスト制作を行います。職場によっては、キャラクターデザインを専門的に行ったり、背景の制作すべてを担当するといったケースもあります。

UI/UXデザイナー

まず、UIデザインとは、「ユーザーがサービスを利用するなかで、見るもの、触れるもの、操作するものをデザインすること」で、このような人のことをUIデザイナーと呼びます。
例えば、タイトル・メニュー画面や、選択ボタンなどのグラフィックデザインを行い、ゲーム上の視認性を高めます。

一方でUXデザインとは、「サービスを利用するなかで、ユーザーにとっての使いやすさをデザインすること」です。
具体的には、アイテムや選択ボタンなどの表記・配置の設計を行い、ゲーム上の操作性を高めることがUXデザイナーの仕事です。

2Dモーションデザイナー

キャラクターの動きをデザインする仕事です。

イラストに表情や細かな動きをつけ、キャラクターの特徴や性格を、よりリアルに感じさせる役割を果たします。
そして、2Dモーションデザイナーがデザインした動きをプログラマーがプログラムし、動きを実現させます。

2Dエフェクトデザイナー

ゲームを盛り上げるために必要な演出要素を手がける仕事です。

ゲーム内のバトル攻撃・ダメージエフェクトであったり、アイテム獲得後の演出エフェクトなどを作成します。
こうしたエフェクトによって、リアルさや華やかさが加わり、より没入感の高いゲームを作り上げます。

3Dデザイナーの場合

「3Dデザイン」はフィギュアのように立体感のあるデザインのものを指し、このようなデザインをする人のことを「3Dデザイナー」と呼びます。

3Dデザイナーも、それぞれが以下のような役割を担って仕事を進めることが多いです。

モデラー

モデリングをする人のことをモデラーといいます。
モデリングとは、ゲームのキャラクターや背景など平面的なデザイン画を立体的に造形する仕事です。

CGアニメーター

モデラーが作成したCGモデルに、動きのあるアニメーションをつける仕事です。
「モーションデザイナー」と呼ばれることもあります。

3Dエフェクトデザイナー

炎、雷、水など特殊効果を追加し、迫力やクオリティを上げていく仕事です。

2Dエフェクトデザイナーは主に平面的なデザインを行いますが、3Dエフェクトデザイナーは仕上げに近い工程を担当することもあり、光の設定である「ライティング」という業務によって、よりリアルなCGを制作します。

コンポジター

CG制作においての最後の仕上げを担当します。2Dやレンダリング(画像や映像を書き出すこと)をした3Dの素材を合成(コンポジット)させて、最終的なCG映像として完成させる仕事です。

これら上記のデザイナーのことを「2Dデザイナー」または「3Dデザイナー」と呼びます。
あなたがどの分野の2D・3Dデザイナーとして活躍したいかを検討することで、今後どんなスキルを習得すべきかが明白になるでしょう。

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ゲームデザイナーになる方法

未経験からゲームデザイナーになることは可能ですが、デザイン職の求人は応募条件にツールソフトの操作スキルを提示していることがほとんどです。

現在ゲーム業界以外の会社(例:グラフィックや映像制作会社など)で、2D/3Dデザイナーとして働いている場合は、そこでの実績をアピールしてゲームデザイナーに転職することができます。

しかし、デザイナー職自体が未経験である場合はツールソフトに関するスキルを持っていません。

では、どのような手順を踏めばゲームデザイナーになれるのでしょうか?

専門学校に通う

まず、1つ目の方法は、専門学校に通うことです。

即戦力となれるような実践的・専門的スキルを学び、1日でも早くゲームデザイナーとして働きたい人には、2D/3Dデザイナーを養成する専門学校に通うことがおすすめです。

専門学校はゲーム業界との強いつながりを持っているところもあるため、就職や転職が有利になる点が専門学校に通うメリットです。

CGデザインが学べる大学に通う

2つ目の方法は、CGデザインが学べる大学に通うことです。

美大や、一般大学でも工学部や情報系の学部など、デザインやCG技術について学べるところがあります。

ゲーム業界(特に技術職)は実力主義であるため、学歴は問われないものの、大学に通うメリットとして高い給料・年収が狙えるという点があげられます。

独学で学ぶ

今は、2D/3Dデザインについて学べるオンライン学習サイトや本などが豊富に存在するため、独学で学ぶことも可能です。独学のメリットは自分のペースで進められる点です。

しかし、プロからのフィードバックをもらうことで、スキルは成長するので、できるだけ専門学校などに通いながら学習を進めることが望ましいです。
学習の初期段階として、まずお試しでツールソフトに触ってみるなど、自分に向いているかを確認することはおすすめです。

また、求人に応募するときに、ポートフォリオと呼ばれる作品集の提出を求められることがあります。

そのため、学習後はその作成を行いましょう。盛り込む内容として、作品紹介はもちろんのこと、過去の経歴や強みなどを記載することで、自分がどういった人物なのかを企業に伝えることができます。

学んだことをアウトプットし、自分のものにするためにも、まずはポートフォリオの作成を目標に学習を進めていきましょう!

ゲームデザイナーに必要な技術

2D/3Dデザインで使われるソフトウェアをご紹介します。本記事でご紹介するもの以外にも、さまざまなツールが存在しますが、今回は初心者にもおすすめなツールを取り上げます。

2Dデザインツールについて

Photoshop、Illustrator

キャラクターデザインや背景CG、エフェクト等の制作で用いられます。
以下の用途によってこれらのツールを使い分けます。

・Photoshop→高機能な画像編集ソフト。画像の加工や高度な切り取りなどが可能。
・Illustrator→ベクターデータ・イラストの作成。データをどれだけ拡大しても美しいイラストや線のまま作成できる点がベクターデータの特徴。

figma

figmaはUI/UXデザインを得意とするプロトタイプデザインツールです。
ブラウザ上で無料で使うことができるため、初心者が一番最初に学習するソフトとしてもおすすめです。

Live2D

モーションをつける2Dアニメーションソフトです。株式会社Live2Dから販売されています。
キャラクターの立ち絵などの2Dイラストをそのまま、3Dの様な動きで表現することが出来るため、原画イメージを崩すことなく動きを加えることが出来ます。

SpriteStudio

こちらも2Dキャラアニメーションが制作できます。Live2Dはキャラクターを動かすことに特化していることに対し、SpriteStudioはエフェクトアニメーションも作成することができます。

3Dデザインツールについて

Blender

3DCGを作成するために必要な基本的機能がそろっているツールです。Blenderのみで、モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリングを一貫して行うことができます。

無料で利用が可能なため、まずは3DCGソフトがどんなものか知りたい場合におすすめです。

ZBrush

Pixologic社が開発したモデリング特化型ツールです。直感的な操作で粘土をこねるように3次元の立体を造形できる点が特徴です。まずはZBrushの無料版である「ZBrushCoreMini」を体験してみると良いでしょう。

After Effects

Adobe社が販売提供しており、動画編集と合成を得意とするツールでBlenderとの連携が可能です。素材にかけられるエフェクトが豊富で、3D映像やアニメーション、モーショングラフィックスの制作に向いています。

ゲームデザイナーに向いている人とは

上述の通り、ゲームデザイナーになるうえで、ソフトウェアツールを使えることは大前提となります。

では、それ以外の側面においてどのような人がゲームデザイナーに向いているのでしょうか?

発想力、表現力がある人

仕事を進めるうえでオリジナルキャラクターや架空の道具などをデザインすることも多くあるので、そのような場合にイメージを膨らませ、0から1をつくりあげる発想力や、それを柔軟に表現できる力が求められます。

コミュニケーション能力がある人

ゲームデザイナーの仕事は、黙々とデザインの仕事を進めるだけではありません。ゲームプランナーや、他のデザイナー、プログラマーと意見交換をしながら、ゲームのクオリティを向上させていきます。
そのため、さまざまな立場の人とコミュニケーションをとれる力を持っていると、スムーズに仕事を進めることができます。

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ゲームデザイナーに資格は必要?

ゲームデザイナーになるための必須資格というものは存在しません。

しかし、資格を取得していると知識のアピールができ、他者との差別化スキルアップにつながるため、以下のような資格を取得するのもおすすめです。

CGクリエイター検定

この検定はCG制作や映像制作のスキルを証明する民間資格です。難易度は「ベーシック」と「エキスパート」に分かれています。

「ベーシック」ではデザインや2DCG/3DCGに関する基礎的な理解と、CGの静止画制作に知識を利用する能力を測り、「エキスパート」では3次元CGと映像制作に関する専門的な理解と、3次元CG映像の制作に知識を応用する能力を測ります。

CGクリエイター検定公式サイト:https://www.cgarts.or.jp/v1/kentei/about/creator/index.html

Illustrator®クリエイター能力認定試験

この資格はAdobeの編集ソフトである「Illustrator」を活用してコンテンツを制作できるスキルを示すものです。
ゲーム制作においてIllustratorは、ロゴやテキスト作成などで使用します。

試験は「スタンダード」と「エキスパート」の2つの難易度が用意されているため、自分のレベルに応じた難易度の試験を受験することが可能です。

Illustrator®クリエイター能力認定試験公式サイト:https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/

Photoshop®クリエイター能力認定試験

この資格はAdobeの編集ソフトである「Photoshop」を活用してコンテンツを制作できるスキルを示すものです。
Photoshopは写真の加工やイラストの修正・合成で使用されるソフトです。

試験はIllustratorと同様に「スタンダード」と「エキスパート」の2つのレベルが用意されています。

Photoshop®クリエイター能力認定試験公式サイト:https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/

ゲームデザイナーの就職先は?

まず、ゲーム業界に就職する際におさえておきたいポイントがあります。
それはゲーム会社には2種類の会社が存在するということです。

ゲーム会社は「パブリッシャー」と「デベロッパー」の2つに大きく分かれます。
パブリッシャーは、ゲームの企画・開発から宣伝・販売まで一貫して行います。この形態をとる企業は規模の大きなところが多く、任天堂やバンダイナムコなどがこれにあたります。

一方でデベロッパーは、ゲームの販売はせず、パブリッシャーからの発注を受け、ゲーム開発のみを行います。「パブリッシャーがゲームを企画」→「デベロッパーがゲームを開発」→「開発されたゲームをパブリッシャーが販売」という流れです。

▼パブリッシャーとデベロッパーの違いについて、更に詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい!


ゲームデザイナーは上記どちらの形態を目指すことが可能です。

求人には「ゲームデザイナー」「2D/3Dデザイナー」という職種で募集されている他に、「モーションデザイナー」「エフェクトデザイナー」など、細かい職種名で募集されることもあります。

ゲームデザイナーの給料・年収

ゲームデザイナーの平均年収は約428万円です。※2024年4月25日時点

月給換算で36万円、初任給は22万円程度が相場のようです。派遣社員は平均時給が1,999円、アルバイト・パートは1,203円となっています。
参照:求人ボックス

給与幅も339万~834万円と幅が広く、会社の規模が大きかったり、しっかり経験を積んでいくことで高い年収も目指せるでしょう。

ゲームデザイナーの将来性

市場のニーズはどれくらい?

近年のゲーム業界は家庭用ゲームコンテンツだけでなく、スマホアプリなど多様なスタイルのゲームが多くリリースされています。

こうしたゲーム市場規模の拡大に伴い、ゲームデザイナーの需要も高まっており、今後もさらに盛り上がりを見せるゲーム業界においてゲームデザイナーは欠かせない存在です。


市場ニーズが高い分、ゲーム業界全体においてクリエイターの人材不足も懸念されます。そのため、ゲーム業界での経験の有無を問わずに採用されるケースもあります。

現在、他業界で活躍している場合でも、ゲーム業界においても通用するスキルを所持しているとキャリアチェンジしやすいでしょう。

キャリアパスについて

ゲームデザイナーとして経験を積んだ先、何を目指したいのかによってキャリアパスは異なります。
そこで、目標別にゲームデザイナーのキャリアパスをご紹介します。

専門スキルを磨きたい場合

まず一つ目として、自分の専門とするデザイン職の技術を磨く、という道です。

ゲーム制作の現場において、デザイナー職はキャラクターデザイン、背景、UIなど細かな部門に分かれるので専門スキルを磨きやすいという利点があります。

そのため、このキャリアパスでは専門スキルを磨きながら後輩育成にも挑戦できるといったように、技術面と対人面、両方において力をつけることが可能です。

ディレクションにも携わりたい場合

2D/3Dデザイナーとしてスキルを磨いたあとは、制作全体のディレクションを行うアートディレクターになることも可能です。

この職種はデザイン部門を統括し、ゲームのキャラクターや背景はもちろん、UIや具体的な演出についてもデザイナーに指示を出したり、クオリティチェックを行ったりします。

指示通りにデザインを行うだけでなく、自分主体でゲームの世界観を作り上げたい方におすすめです。

独立してフリーデザイナーとして活躍する

フリーランスとして独立することも、ゲームデザイナーのキャリアパスのひとつです。

キャラクターデザイナーなど、特定のデザイン職として活動するのも良いですし、2D/3Dどちらのデザインもできるなど、あらゆる分野で活躍できるスキルを持っていると市場価値は高まるでしょう。

独立のメリットは、会社員と違って労働量がそのまま収入につながる点などがあげられます。会社員時代の収入や福利厚生の面などを考えたときに、会社員と独立、どちらのライフスタイルが自分に適しているのか検討してみてください。


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まとめ

本記事では、ゲームデザイナーの仕事内容や、未経験から目指す方法などについてご紹介しました。
この職種には「2Dデザイナー」と「3Dデザイナー」が存在し、さらにはUI/UXデザイナーやモデラーなど、さまざまな職種に分かれています。そのため、ゲームデザイナーを目指すうえで自分はどの分野で活躍したいかを要検討することが大切です。

そして、目指したい職種が決まったあとは、プレイヤーを没頭させるためのデザインスキルを磨いていきましょう!
「ゲーム業界で活躍したい」「専門スキルを身に着けたい」「自分のアイデアを実現させたい」
このような思いを、ゲームデザイナーという仕事を通して叶えてみませんか?

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