近年注目を集めているAIですが、ゲーム業界においては「ゲームAI」として意外と古くから活用されてきました。
本記事では、ゲームAIの基礎知識から歴史を解説し、最新のゲームにおけるAIの活用事例をご紹介します。
また、ゲームAIの開発に携わりたい方に向けて、職種もご紹介します。
ゲームAIとは?
一口にゲームAIと言っても、役割によって大きく3つの種類に分けられます。
3種類のゲームAIについて、それぞれの役割と特徴を解説します。
1.キャラクターAI
キャラクターAIとは、ゲーム内に登場するNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の意思決定を制御するAIです。プレイヤーの動きに合わせて、NPCの行動や反応を自律的に決定することができます。
FPSゲームや格闘ゲームの敵キャラなどに使用されており、NPCが状況に応じて隠れたり、隙を突いて攻撃してきたりといった挙動は、このAIによるものです。キャラクターAIによって、プレイヤーがよりゲームを楽しむことができるようになっています。
2.メタAI
メタAIとは、ゲームの進行をプレイヤーのレベルや進捗状況に合わせて管理するAIです。敵キャラの出現などのイベント発生を、プレイヤーのレベルに合わせて調節したり、アイテム配置を制御したりなど、ゲーム全体のバランスをコントロールします。
従来は、人の手で行っていたものをAIが行うことで、ゲームの単調化を防ぎ、飽きにくいゲームになります。
3.ナビゲーションAI
ナビゲーションAIは、地形やプレイヤーの位置情報、経路などをキャラクターAIとメタAIに伝達する空間認識型のAIです。
これによってプレイヤーが目的地に向かう途中に敵が出現したり、進捗状況が表示されるようになったりします。
また、各AIへの情報伝達によってキャラクターAIが安全な場所の認識が可能になるため、プレイヤーからの攻撃を遮蔽物を使ってかわすことができるようになります。
ゲームAIの歴史
AIと聞くと最新の技術という印象を受けてしまいがちですが、ゲームAIの歴史は1970年代のアーケードゲーム時代まで遡ります。
まだ家庭用ゲーム機が普及しておらず、アーケードゲームでのゲームプレイが主流だった時代からゲームAIは開発されました。当時のゲームAIは、まだパターン化された単純な動きをする敵キャラクターに過ぎず、一つの役割としてのAIでした。
次いで、1980年代には家庭用ゲーム機が発売されました。しかしこの年代でも、ゲームAIはパターン化された挙動のみで、あらかじめ用意された挙動を忠実になぞるだけでした。
1990年以降になると、ハードウェアの進化に伴い3Dゲームが登場し、ゲーム空間が飛躍的に複雑化したことで、従来のパターン化された動きでは対応しきれなくなりました。ここで、周囲の環境やプレイヤーの動きから自律的に思考する技術が導入されました。
そして近年では、より複雑化したゲームシステムの多人数プレイや、高クオリティなオープンワールドゲームで、機械学習可能なゲームAIが使用されています。人間が膨大なパターンを教えなくても、AIが自ら「勝つための戦術」を学習することができるため、高度でバランスの取れたプレイ環境を実現できるようになっています。
ゲームにおけるAIの活用事例
ゲームAIは、開発者があらかじめ定めたルールに則ってゲーム上で動作する、ある種「特殊なAI」といえます。この章では、ゲームAI「以外」で、ゲーム開発においてAIがどのように活用されているかの事例を紹介します。
開発の補助にAIを使用する例
ゲームを開発する工程の一部、あるいはゲームエンジン内にAIを取り込んで、活用することで業務の効率化とクオリティの底上げをしています。
例えば、多言語展開が必要な大作タイトルにおける翻訳作業では、AIを活用することで膨大なテキストを迅速に処理し、人力で行っていた作業負荷を軽減しています。また、ゲーム内で使用する膨大な量のアセットの管理や検索にAIを活用することで、自然言語や参考画像で検索が可能になります。
さらに、ゲーム内の造形を制作する際のアイディア出しにAIを活用しているゲーム会社も出てきています。
これらを活用することで、業務の効率化による大幅な開発時間の短縮につながり、クリエイターがより本質的な「面白さの追求」に専念できる環境が整っています。
生成AIをゲームに組み込んだ例
生成AIをゲームのシステムに組み込むことで、プレイヤーごとに異なる新たな体験を提供することができるようになっています。
例えば、ゲームの状況をAIが把握し、ユーザーに向けたセリフを変えたり、ユーザーが入力するテキストに応じて会話を進めながらストーリーを展開したりできるようになっています。
また、セリフだけでなくユーザーの行動に合わせて画像を生成し、ゲームイラストに表示する活用事例もあります。
このように生成AIを活用することで、あらかじめ決められた道筋をなぞるだけだった体験が、プレイヤーの操作によって変化する特別な体験にすることができるようになりました。
ただし、最新技術ゆえに、AIが予期せぬ不適切な発言をしてしまうリスクや、処理負荷によるパフォーマンス低下といったデメリットも課題として残されており、これらをいかに克服するかが今後の焦点となっています。
ゲームAIの開発に携わる職種とは
ゲームAIはゲームに奥深さを与える重要な役割を果たします。
そんなゲームAIの開発に携わる職種をご紹介します。
AIエンジニア
AIエンジニアは、ゲームAIの設計やアルゴリズムの実装、そして分析に基づく最適化を行う仕事です。プランナーやディレクターの要望を聞いて、プレイヤーが入力したテキストに合わせて会話するNPCなどのゲームのコンセプトに合わせた機能を設計・開発します。
ゲーム開発で重要なプログラミング言語への深い理解と、デバッグ作業などを含めて、試行錯誤しながら作業に向かう姿勢が必要とされます。さらに、他の職種の人との連携のために、高いコミュニケーション能力と柔軟な対応力が不可欠です。
また、プログラミングスキルに加えて、常に進化するAI分野のトレンドに関心を向け、自分の知識を意欲的に更新し続ける知的好奇心も求められます。
プランナー
プランナーは、ゲーム開発において非常に幅広い業務に携わり、ゲームの開発・運営の全体における舵取りの役割を担う仕事です。ゲームAIの業務に関しては、敵キャラクターのパラメーター設定や全体のバランス調整、仕様書の作成などを担当します。
技術的な知識以上に、「何がおもしろいのか」を常に自発的に考え、プロデューサーやディレクターと協力しながらプロジェクトを形にする推進力が求められます。企画を立案する発想力と、それを言語化して説明する論理的思考力も不可欠です。
まとめ
ゲームAIはキャラクターに命を吹き込み、ゲームバランスを維持するために不可欠な存在です。
AI技術が発展したことで、単純なパターン制御から、プレイヤーごとに異なる体験を届けることができる高度なシステムへと進化してきました。
近年では、AIを活用することでゲーム開発の効率化が進み、生成AIによる新しい形のゲームも生まれています。
本記事でご紹介したゲームとAIの特性を理解し、最新の技術トレンドに触れ続けることが、ゲーム業界において大きな武器となるでしょう。
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