皆さんはOPTPiX Sprite Studio(オプトピクス スプライトスタジオ)というアニメーションツールをご存じでしょうか？
今回は、超汎用2DアニメーションツールであるOPTPiX Sprite Studioの魅力について紹介します。
OPTPiX Sprite Studioとは
OPTPiX Sprite Studio(以下、Sprite Studio)は株式会社ウェブテクノロジからリリースされた、「超汎用」の2Dアニメーション作成ツールです。
「夢を描いて、動かそう」をコンセプトに、エフェクトのアニメーションや、2Dキャラクターのアニメーションの制作だけでなく、完成したアニメーションをゲームエンジンに組み込みできるなど、アニメーション制作において幅広く使用できます。
スマートフォン向けのアプリゲームやコンシューマーゲームなどでも使用されており、2Dアニメーション作成ツールとして高い人気を誇っています。
Sprite Studioを用いて制作された作品には以下のようなものがあります。
| ▮スマホ向けゲーム ・『夢庭』：ズー ・『みんなのなめこ栽培キット』：ビーワークス ・『HoneyWorks Premium Live』：flaggs ・『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』：スクウェア・エニックス ▮コンシューマーゲーム ・『真・女神転生V Vengeance』：アトラス ・『アズールレーン クロスウェーブ』：コンパイルハート ・『GRAND CROSS ReNOVATION』：ES4 |
さまざまなプラットフォームに対応しているだけでなく、幅広いゲームジャンルで使用されています。
Sprite Studioの魅力
Sprite Studioの魅力は、豊富なアニメーションツールを備えている点にあります。アニメーションツールの充実は、高度なゲーム制作にもつながるので、制作ツールを選択する上で重要なポイントです。
今回はSprite Studioの魅力を4つご紹介します。
①メッシュ・ボーン機能
メッシュ・ボーン機能を活用することで、やわらかい動きを表現できます。メッシュ・ボーン機能とは一つのパーツから一部のアニメーション作成ができる、ゲームの核となるような機能のことです。メッシュ・ボーンは自動で生成・計算することも可能なので、2Dアニメーションの知識があれば簡単に利用できます。
②エフェクト機能
Sprite Studioでは、エフェクトエディタと呼ばれるエフェクト機能を使用することによって、炎や煙のようなパーティクルエフェクトを簡単に作成できます。もちろん通常のアニメーションと組み合わせることも可能であり、多様なエフェクト表現の実現に役立ちます。
▼エフェクトについてはこちらの記事で詳しく解説しています！
③マスク機能
マスク機能を使用することによって、画面を切り替えた際のワイプ演出など、さまざまな演出を作成できるようになります。また、マスク機能を応用することでより複雑なアニメーション作成も可能になるため、ユーザーのアイデア実現に大いに役立ちます。
④カーブエディタ機能
カーブエディタ機能を使用することによって、よりリアルな動きを作ることが可能になります。いかに滑らかな曲線を表現するか、キャラクターの動きに緩急をつけるかという点は、2Dアニメーションの課題です。
しかし、カーブエディタ機能はその課題解決を可能にし、3Dツールのような感覚での操作も実現できます。
Sprite Studioのメリット
Sprite Studioのメリットは大きく3つあります。
①さまざまなゲームエンジンに対応している
1つ目は、各種ゲームエンジンに対応している点です。
UnityやUnreal Engineはもちろん、Cocos2d-xやGodotといったゲームエンジンに対しても幅広いデータ形式が用意されています。
そのため、Sprite Studioで制作したアニメーションやエフェクトなどを簡単にゲームに使用できます。
②公式のサポートが充実している
2つ目が、公式のサポートが充実している点です。
開発元が日本の企業であるため、サポートはもちろん日本語ですし、「OPTPiX ヘルプセンター」では、文章によるマニュアル・チュートリアルと、動画によるHOWTOのまとめが見られます。
また、「OPTPiX Sprite Studioコミュニティ」では、開発チームへの質問を行えるなど、操作方法に迷ったときはもちろん、Sprite Studioの学習まで無料で行えるのは大きなメリットと言えるでしょう。
③無料で利用できる
3つ目が、条件付きではありますが、無料で利用できる点です。
詳しくは後述しますが、個人でゲームを制作する方は基本的に無料で利用できます。
同じ2Dアニメーション制作ソフトであるLive2DやSpineは月額制になるため、「初めて2Dアニメーション制作をするからお試しで使いたい」という方におすすめです。
Sprite Studioの料金
Sprite Studioには複数のライセンスがあるため、用途に合った使用法を選択できます。主なライセンスはAcademic、Starter、Professional、Businessの4つであり、収益によって利用できるプランが異なります。（※2024年11月6日時点）
①Academic ライセンス
コンピューター学習を行う小中高校や、クリエイター育成を行う大学、ゲーム系の専門学校に通う学生は「Academic ライセンス」を取得することで、無料での利用が可能になります。利用期間は、4月1日〜翌年3月31日の12ヵ月です。
②Starter ライセンス
個人ゲームやインディーゲームの開発者、直近会計年度の売上高が1,000万円未満の企業は「Starter ライセンス」を使用すれば無料で利用でき、商用利用も可能です。
なお、1年ごとのライセンス更新が必要です。
③Professional ライセンス
直近会計年度の売上高が1,000万円以上の事業者が対象です。
小〜中規模のゲーム開発企業が導入する際は、「Professional ライセンス」を使用できます。料金は買い切り制で85,000円（税別）、契約期間は12ヶ月となっています。
④Business ライセンス
Professional ライセンスと同様、直近会計年度の売上高が1,000万円以上の事業者が対象です。
中〜大規模のゲーム開発企業が導入する際は、「Business ライセンス」を使用できます。料金は買い切り制で400,000円～（税別）、契約期間は12ヶ月となっています。
料金に関する詳しい情報はSprite Studioサイトよりご確認ください。
Sprite Studioを扱う職種
ゲーム業界には、2DアニメーターとしてSprite Studioの使用歴を求める求人も存在しています。
2Dアニメーターはゲームを作る上で欠かせない職種であるため、Sprite Studioの使用歴を持つ人材も需要が高い傾向にあります。2Dアニメーターとして就職・転職を考えている人は、Sprite Studioの使用を検討してみると良いでしょう。
まとめ
Sprite Studioは高性能2Dアニメーション作成ツールであり、豊富なツールによって高度なゲーム開発を実現できます。
現在のゲーム業界では、かなり高度なアニメーション表現が求められているため、Sprite Studioは多くのユーザーから注目を集めています。
2Dアニメーション制作に興味のある方は、ぜひSprite Studioを利用してみてください。
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