用語解説

25.09.09

RPGとは?その歴史と多彩なサブジャンルを紹介!

RPGと聞いて、どのようなゲームを思い浮かべるでしょうか?
異世界で魔王を倒す壮大な冒険から、未来世界を描いたSF、現代を舞台にした物語まで、そのバリエーションは非常に幅広く、今も世界中のゲーマーに愛され続けています。
本記事では「RPGとはどういうゲームなのか?」という基本的な部分から、その歴史や多彩なサブジャンルについて、ざっくりとご紹介していきます!

RPGとは

RPG(ロールプレイングゲーム)とは、英語の「Role-Playing Game」の略で、日本では「アールピージー」と読むのが一般的です。
プレイヤーが物語の登場人物の一人となり、物語の進行や戦闘、成長などを通じて世界を冒険していくゲームジャンルです。主に、キャラクターの操作を通じて、レベルを上げたり、仲間を集めたり、強力なボスと戦ったりしながら、物語を進めていくのが基本的な流れです。

登場するキャラクターは人間だけでなく、エルフや獣人、時にはロボットや魔法生物など多種多様で、世界観もファンタジーやSFなど、作品によってさまざまです。
作品によってプレイ感が大きく異なり、派生ジャンルも多い「RPG」について、まずはその成り立ちから見ていきましょう。

RPGの歴史

源流はテーブルトークRPG(TRPG)

RPGのルーツは、1970年代に誕生した「テーブルトークRPG(TRPG)」にさかのぼります。
複数名のプレイヤーが集まってキャラクターを演じ、ゲームマスター(GM)が世界や物語を進行する卓上の遊びが出発点です。
なかでも、1974年に登場した『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』は、ルールに沿って会話やサイコロを使いながら物語を進める形式で、現代のRPGにも大きな影響を与えた作品です。

コンピュータRPGの黎明期

やがて、70年代後半から1980年代にかけて、PC上でTRPGを模したビデオゲーム作品が次々に登場します。
特に『ウィザードリィ(Wizardry)』や『ウルティマ(Ultima)』は、ダンジョン探索やキャラクターの成長システムなどを確立し、その後のRPG全般に多大な影響を与えました。

家庭用ゲーム機とJRPGの隆盛

続いて、80年代半ばから家庭用ゲーム機の普及とともにRPGが大衆化します。
1986年の『ドラゴンクエスト』が家庭用ゲーム機向けRPGの先駆けとなり、その翌年に登場した『ファイナルファンタジー』とともに、RPGの人気を急拡大させました。
以降、数多くの名作RPGが登場し、物語性やキャラクターを重視した「JRPG」のスタイルが確立しました。

さらに、1990年代以降は技術の進化とともに3Dグラフィックやムービー演出が加わり、ストーリー性がより重視されるようになります。この時期のJRPGは、シナリオのドラマ性や音楽、演出によって、世界中のプレイヤーを魅了しました。

オンラインとオープンワールドの拡大

2000年代に入ると、インターネット環境の普及とともにMMORPGが発展し、数万人規模のプレイヤーが同じ世界を共有することができるようになります。
『ラグナロクオンライン』や『ファイナルファンタジーXI』などオンラインゲームが従来の戦闘や探索に加え、ギルドやコミュニティといった社会的な要素を楽しむ文化を確立しました。

一方、家庭用ゲームやPCゲームの分野では、オープンワールドが新たな主流として台頭します。広大なマップを自由に歩き回り、自分なりの冒険を楽しめるスタイルは、従来のRPGの枠を大きく超えるものでした。
オンラインの社会性とオープンワールドの自由度、この二つの軸が2000年代以降のRPG進化を象徴しているといえるでしょう。

技術革新と新潮流

2010年代以降は大手メーカーだけでなく、インディー開発者によるユニークな作品が注目を集めるようになりました。
これにはSteamなどの配信プラットフォームや、開発ツールの進化が影響しています。
特に『UNDERTALE(アンダーテール)』は、従来のRPGの常識を逆手に取った独創的な仕組みが話題を呼びました。

近年では、AIやVR・ARといった技術が導入され、RPGの表現力は一層増しています。
また、PC・家庭用ゲーム機・スマホ(アプリ)をまたいだクロスプラットフォーム対応や、定期的にコンテンツが追加されるライブサービス型の運営が一般的となり、RPGはさらに多様化と進化を続けています。

RPGの種類

RPGは時代とともに進化し、いくつかのサブジャンルが生まれました。ここでは代表的な種類を見ていきましょう。

ARPG(アクションRPG)

戦闘をコマンド選択ではなくリアルタイムで操作するのが特徴です。

スピード感のある戦闘で、アクションゲームの要素を楽しめるのが魅力です。
コマンド入力で順番に行動する従来のRPGと異なり、敵の攻撃を避けたり、こちらから的確に一撃を当てるといった位置取りなどの入力スキルが問われます。

その一方で、キャラクターを育成し装備を整えるといったRPGらしい成長要素も欠かせません。
代表的な作品としては、『ゼルダの伝説』や『Elden Ring』、『Diablo』シリーズなどがあります。
また、スマホでも遊べる『原神』は、広大なオープンワールドとキャラクター切り替えのアクション性を組み合わせた作品として、世界的に人気を集めています。

SRPG(シミュレーションRPG)

マス目状のフィールドでキャラクターを動かし、ターン制で戦闘を進めていくジャンルです。プレイヤーは、キャラクターの育成だけでなく、地形の活用や射程の把握、行動順の管理といった戦術的な判断を求められます。育成の楽しさと戦略的な思考が組み合わさる点が大きな魅力です。

代表的なタイトルには、キャラクター同士の関係性や人間ドラマが深く描かれる『ファイアーエムブレム』シリーズ、重厚な物語で知られる『タクティクスオウガ』、『FINAL FANTASY TACTICS』、『スーパーロボット大戦』シリーズなどがあります。

MMORPG(Massively Multiplayer Online RPG)

MMORPGは、多数のプレイヤーが同時に接続し、常に稼働している仮想世界で冒険を繰り広げるタイプのオンラインRPGです。
プレイヤーが一人で物語を進めるRPGとは違い、他のプレイヤーと協力して巨大なボスに挑むレイド戦や、役割分担を意識したダンジョン攻略などが大きな特徴です。
ロール(役割)に応じたプレイスタイルがあり、仲間との連携が攻略のカギを握ります。

また、ギルドやプレイヤー同士の経済活動といった、仮想世界での社会性もMMORPGならではの魅力です。代表的な作品としては、『ファイナルファンタジーXIV』や『World of Warcraft』などが挙げられます。

拡張パックやシーズン制といった形で長期的に運営されることが多く、毎日の「日課」や「週課」にどう取り組むかがプレイ体験を左右します。

▼MMORPGについてはこちらで詳しく紹介しています!

TRPG(テーブルトークRPG)

テーブルトークRPGは、RPGの原点ともいえるジャンルで、ゲームマスター(GM)とプレイヤーが会話を中心に物語を進めていきます。
サイコロによる判定や即興的なロールプレイが組み合わさることで、プレイヤーごとにまったく異なる物語が紡がれる自由度の高さが魅力です。

近年は動画配信やリプレイ書籍などを通じて再び注目を集めており、遊びの場がオンラインへと広がったことで新しいプレイヤー層も増えています。
代表的な作品としては、ファンタジー世界を舞台にした『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』や、ホラー要素を軸にした『クトゥルフ神話TRPG』などが知られています。

▼TRPGについてはこちらで詳しく紹介しています!

JRPG(Japanese RPG)

日本で独自に発展したRPGを指します。
欧米で発展したWRPG(Western Role-Playing Game)が自由なキャラクタービルドや選択の結果に重きを置く傾向があるのに対し、JRPGはキャラクター描写やドラマを重視し、物語の起伏や演出による没入感に重きを置く傾向が強いといわれていますが、近年は互いに影響し合い、ジャンルの境界は曖昧になってきています。

多くの作品では、ターン制バトルやアクティブタイムバトル(ATB)、ジョブによる役割分担、仲間とのパーティ制といったシステムが採用されています。
代表的な作品には、『ドラゴンクエスト』シリーズ、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『ペルソナ』シリーズ、『ポケットモンスター』シリーズなどがあります。

その他

ダンジョンRPG(ウィザライク)、ローグライクRPG(自動生成ダンジョン+パーマデス)、オープンワールドRPGなど、様々なサブジャンルがあり、それぞれに発展し続けています。

RPGに仕事としてかかわるには?

RPG制作には、どの職種であっても、チームワークや他部門との連携、そして最新技術やトレンドを学び続ける姿勢が求められます。
媒体や規模によって、開発の進め方や必要な配慮にも違いが出てきますので、自分が目指すプロジェクトや進みたい道に合わせて、積極的にスキルを磨いていきましょう。

ゲームプランナー

世界観やシナリオを軸に、バトルや成長システムなどの仕様を設計するポジションです。
企画力や発想力に加え、論理的に仕様を組み立てる力や市場・トレンドを分析する視点が求められます。
RPGは長時間遊ばれるジャンルですので、プレイヤーの体験を想像し、感情移入できる場面や多様な遊びを意識することが必要になります。
オンラインRPGでは、頻繁なアップデートやイベント設計への対応も重要です。
柔軟な企画力と分析力を身につけることで、プレイヤーに長く愛される体験を届けられるでしょう。



▼ゲームプランナーについてはこちらで詳しく紹介しています!

ゲームCGデザイナー

キャラクターやマップ、UI、エフェクトといったグラフィックを制作し、ゲームの世界観を具体的に表現します。この仕事では、世界観を深く理解し、物語や仕掛けと密接に連動したデザインを意識することが大切です。
その一方で、容量や描画負荷への配慮も重要になるため、特にプランナーやシナリオ担当、プログラマーとの連携は不可欠です。

コンシューマー系RPGではハード性能に合わせた高品質な最適化が、オンラインRPGではイベントや新規アイテムの追加、アバター表現などの、継続的な量産対応力が重視されます。



▼2D/3Dデザイナーのお仕事についてはこちらで詳しく紹介しています!

ゲームプログラマー

バトルやマップ移動、所持品管理といった基幹システムの他、キャラクターAIや演出、UI/UX、さらにはネットワークやサーバー処理まで、幅広く担当します。
ネットワークやクラウドの理解は特にオンラインRPGで大きな強みになります。

コンシューマー系RPGではメモリ管理やパフォーマンス調整力が、オンラインRPGではサーバー連携や耐障害性、セキュリティ対策といった専門性が求められます。
ゲームの裏側を支えながらプレイヤー体験を成立させる、まさにRPGの要となる職種です。



▼ゲームプログラマーのお仕事についてはこちらで詳しく紹介しています!

制作ツール

RPGの制作に使えるツールは幅広く存在しますので、作りたい規模や、やりたい表現レベルに応じて、適切なものを選びましょう。
ここでは代表的なツールをいくつかご紹介します。

初心者・インディーゲーム開発向け

RPGツクール(RPG Maker)シリーズ

プログラミングが苦手でも、GUI操作でほとんど完結し、スクリプトを使えば、より自由度の高いカスタマイズも行えるため、初心者から根強い人気があります。

GameMaker

GameMakerは、2Dゲーム制作に特化したゲームエンジンです。
ドラッグ&ドロップで動きを組み立てられる直感的な操作で、プログラミング未経験者でもゲーム作りを始めやすく、小規模チームや個人の開発に適しています。

Godot Engine

オープンソースのゲームエンジンです。2D・3Dの両方に対応しており柔軟性が高く、インディー開発者に人気です。

大規模開発向け

Unity

Unityは、幅広い分野で世界中の開発者に利用されている定番のゲームエンジンで、2D・3Dの両方に対応しています。
マルチプラットフォーム展開が可能で、インディー開発者から大手スタジオまで、幅広く使われています。

Unreal Engine

Unreal Engineは、高品質な最新の3D表現やフォトリアルなグラフィックスに強い、大規模開発案件向きのゲームエンジンです。その一方で、個人開発者が無料で利用できる点も大きな魅力です。
ブループリント機能でロジック設計もローコード対応が可能です。

まとめ

RPGはゲームジャンルの中でも特に歴史が深く、さまざまな進化を遂げてきました。
RPGは物語・成長・選択の三位一体でできています。そこにアクション性や戦略性、オンラインの社会性が加わり、サブジャンルが豊かに枝分かれしました。

王道のJRPGから戦略性の高いSRPG、仲間と冒険できるMMORPG、手軽に楽しめるスマホアプリRPGまで、その楽しみ方は人それぞれです。

これからRPGに触れてみたい方は、まずは名作と呼ばれる作品から始めてみるのがおすすめです。きっと自分だけの冒険の世界が広がっていくでしょう。

ゲームクリエイターのお仕事探しならコンフィデンスクリエイター

Confidence Creator(コンフィデンスクリエイター)はゲーム・エンタメ業界に特化した人材事業を展開する株式会社コンフィデンス・インターワークスが提供する総合人材(派遣・無期雇用派遣※・紹介)サービスです。

ゲーム・エンタメ業界の大手・上場企業を中心に300社以上の取引実績を持ち、常時月間300件以上の新規案件を保有。 コンフィデンスクリエイターにしかない非公開案件も多数ございます。

これまでゲーム・エンタメ業界で築いてきた信頼関係の強さを活かし、制作現場を熟知したコンサルタントがゲーム・エンタメ業界で働くみなさまのご経歴やご希望、これからのキャリアビジョンに応じて最適なマッチングを行います。

ゲーム・エンタメ業界でのキャリアアップを目指す方も、ご自身のキャリアについて漠然と悩みを持っている方も、まずはお気軽にご相談ください!

※無期雇用派遣とは?
株式会社コンフィデンス・インターワークスの「正社員」として雇用契約を結びますが、実際の就業先は、ゲーム・エンタメ企業での常駐勤務となります。「正社員」としての安定した雇用がありながら、大手企業をはじめとするさまざまなプロジェクトに携わりスキルを積むことができますので、成長意欲の高い方におすすめの働き方です。


著者・監修情報

Confidence Creator 編集部

運営元:株式会社コンフィデンス・インターワークス

Confidence Creator(コンフィデンスクリエイター)は ゲーム・エンタメ業界に特化した総合人材サービス(派遣・無期雇用派遣・人材紹介)です。ゲーム制作現場を熟知したコンサルタントがゲーム業界で働くみなさまのご経歴やご希望、これからのキャリアビジョンに応じ、最適なマッチングを行います。

編集部アイコン
かんたん仮登録無料

この記事をシェアする

  • X
  • Facebook
  • LINE
  • note

あなたに
ピッタリのプロジェクトを
一緒に見つけましょう

面談ではあなたのこれまでのご経験やスキル、
今後のキャリアプランについてお伺いします!

かんたん仮登録無料