最近の2Dデザインはアニメやゲームなどに幅広く使われており、非常に注目されています。
中でも今回は、2Dデザインを簡単に作成できる「Live2D」について解説していきます。
2Dデザイン制作で有名な「Live2D」とは
Live2Dとは
Live2D(ライブツーディー)とは、株式会社Live2Dが開発したイラストを動かすためのソフトウェアで、正式名称は「Live2D Cucism」です。ソフト自体は3Dの技術を使っているのですが、2Dイラストを動かすことに特化したソフトです。
身近な例を挙げると、VTuberを動かすツールとして使われています。
また、ゲームキャラクターの立ち絵も最近は動くことが多く、そのようなイラストを動かすことにLive2Dは使われています。
Live2Dを使ったゲーム・アニメ作品の多くは、ライトノベルや2Dアニメなどの原作モノや、著名なイラストレーターによる原画を使ったものになるので、比較的認知度の高い作品に使われているソフトです。
参考:Live2D公式サイト
https://www.live2d.com/
Live2Dの強み
Live2Dには、さまざまな強みがあります。その一つはビジュアルが統一できることです。
最近では、マンガや小説などの原作から映画・アニメ・ゲームなど各種メディアに展開されることが増えましたが、ビジュアルはそのメディアごとに異なることが多いです。
例えば、アニメであればセルルック調、映画であればフォトリアルなどです。そのため、原作に思い入れがある方からは「自分のイメージと異なる」など、複雑な心境になることは珍しくありません。
しかし、Live2Dでは一つのモデルで複数のメディアに展開することができるので、ビジュアルのイメージが統一されます。
また、iOSやandroidなどのモバイルOS向けのアプリや家庭用ゲーム機、ゲーム開発環境のUnityなどにも対応しており、この他にもイベントや生配信動画向けのコミュニケーションツールへの組み込みなどさまざまな用途で使用されています。
3Dとは何が異なるのか
Live2Dによく似た表現に3Dがありますが、3DとLive2Dはどのように異なるのでしょうか。
3Dはリアリティや立体感をよりリアルに再現するため、原画を元にして、二次元空間にモデルを起こす作業がありますが、表現する際に遠近感と角度を細かく調整することが必要なので、多くの人材とツールが必要になります。
対してLive2Dは、イラストレーターが描いた原画をそのまま動かすので、3Dより簡単に作成することができます。さらに、質感のある動きが生まれ、ただ絵が動いているとは言えない程の臨場感が生まれます。
3Dとの違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で3Dデザイナーや3Dについて解説しているので、比較しながら読んでみてください!
ゲーム業界でのLive2Dの活用事例
Live2Dは、アニメやデジタルサイネージ広告など様々な業界で使用されていますが、ゲーム業界では主にキャラクターの表現に使われることがほとんどです。
Live2Dが使用されている有名なゲームとして『メメントモリ』や『魔法使いの約束』などが挙げられます。
『メメントモリ』はPCとスマホで配信されているRPGです。水彩画風のイラストがLive2Dによって、アニメのように動いており、臨場感のあるバトルシーンを楽しむことが出来ます。
『魔法使いの約束』は育成スマホゲームです。このゲームでは、ホーム画面やストーリー画面上のキャラクターを動かす際にLive2Dが使われています。
また、株式会社Live2D主催の「Live2D Creative Award2023」では、クリエイターが感銘を受けたLive2D採用作品を決める「クリエイターズインスピレーション賞」を受賞したことでも有名なゲームです。
Live2Dモデルを制作するには
では実際、どのようにしてLive2Dモデルは作られるのでしょうか。このツールを用いた制作手順について解説していきます。
①原画をペイントソフトなどで最低一枚用意し、髪・口・体などの動かしたいパーツごとにパーツ分けを行います。この際、まつ毛や爪など細かく分けることで後に細かい調整が効きやすくなります。
②パーツ分けをおこなったら、Live2Dモデルを制作します。ここで、編集機能を使ってそれぞれの動かす範囲を決めます。
③髪揺れを付けることができたり、口パクの動きなどを物理演算やパラメータによって自動的に生成してくれる機能が搭載されているので、そのような機能を使いながら、出来上がったモデルに演技をつけてアニメーションを作ります。
④作成したアニメーションを動画ファイルなどに書き出します。アプリやゲーム用のファイルにも書き出すことができるので、幅広い用途に使用することができます。
制作の簡単な流れはこれで以上です。Live2Dによってイラストに命を吹き込み、リアリティーのある作品を生み出すことが可能となります。
引用元:Live2DとはーLive2Dモデルの作り方
https://www.live2d.com/about/
Live2Dで制作するには、元絵のイラストを描いたり修正したりするためのペイントソフトが必要になります。用途の広い「Photoshop」やイラストに特化して使用したい場合は「CLIP STUDIO PAINT」がおすすめです。
もっと詳しく知りたい方は下記に株式会社Live2Dの公式にあるマニュアル&チュートリアルのリンクを掲載するので、参考にしてみてください。
Live2D マニュアル&チュートリアル
https://docs.live2d.com/?_gl=1%2A1hjbn4s%2A_ga%2AMTc2NTQyNTM0MC4xNjYzNjM3OTUz%2A_ga_VH6T56L1P1%2AMTY2MzYzNzk1My4xLjEuMTY2MzY0MTA0Ny42MC4wLjA.
Live2Dを利用する環境を整えるには
ここからは、Live2Dを実際に利用するにはどうしたら良いのか、FREE版とPRO版の違いや、必要なPC環境についてご紹介します。
FREE版とPRO版の違いは?
基本的なLive2Dモデルを制作するには無料でダウンロードできるFREE版でも問題はありませんが、使える機能に制限があるので、寄り高いクオリティを目指している方や、実務レベルのスキルを身に着けたい方は、PRO版を使うことをおすすめします。
PRO版の値段は、
・単月プラン:毎月2,288円(税込)
・1年間プラン:年間15,708円(税込)、一か月あたり1,309円(税込)
・3年間プラン:3年間40,392円(税込)
があり、今後も継続して使用していくのであれば3年間プランがおすすめです。
また、42日間無料でPRO版を使うことができるトライアル版もあるので、一回試してから考えるのも良いでしょう。
Live2Dは比較的初心者の方でも習得することができます。公式のオンライン講座も用意されているので、参考書などもうまく活用しながら学習すると良いでしょう。
必要なPCスペックは?
比較的低スペックのPCでも動かせますが、メモリ8GBのグラフィックス制作用のPCであれば十分です。もちろんWindows・Macどちらにも対応しています。
以下に必要なPCスペックの機能一覧を掲載しておくので、是非参考にしてください。
CPU | Core i5以上 |
---|---|
OS | Windows7、8.1、10以上・MAC OS X 10.7、10.8、10.9以上 |
メモリ | 4GB以上 |
ストレージ | 800MB以上 |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 850M相当以上 |
ディスプレイ | 1,360×768ピクセル以上・32bitカラー以上 |
参考:Live2D Euclidマニュアル 動作環境を確認する
https://docs.live2d.com/euclid-editor-manual/required-spec/
また、Core i7以上や、メモリが8GB以上と言われることもあります。
上記のスペックでも作業はできますが、より快適に作業したい方は、Core i7や、メモリが8GB以上のPCを用意するとよいでしょう。
まとめ
Live2Dは近年のアニメ・ゲーム業界では欠かせないツールです。
VTuberなどの映像業界だけでなく、ゲーム業界でも必要なスキルになっています。
ゲーム内にLive2Dを取り入れている事例も多いため、ゲーム業界に転職を考えている方にとって、Live2Dの制作経験は大きなアドバンテージです。
また、3Dデザイナーの仕事には2Dデザインを3Dデザインにする工程があるので、Live2Dのスキルは3Dデザインの際にも活かせるスキルだと言えます。
Live2Dのソフトは比較的安価でダウンロードできるので、まずはトライアル版をダウンロードし、アニメーションのような動きのある作品作りを体験してみてはいかがでしょうか。
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