業界知識

24.08.15

【AWSエンジニア】AWSをゲーム開発に使用するメリットとは

エンジニアという職種は、担当する領域ごとに「フロント」「インフラ」「ネットワーク」など細かく分かれていますが、そのなかでも「AWSエンジニア」という職種があります。

本記事では「AWSとは?」というところから、「AWSエンジニアについて」「AWSを用いたゲーム開発の事例」などをご紹介します。

AWSとは

AWSとは、Amazonが提供しているクラウドサービスのAmazon Web Servicesの略称です。
コンピュータ上のデータやソフトウェア、プログラムなどの動作環境ネットワーク経由でサーバやストレージ、データベースを提供するサービスなど、100以上のサービス(機能)を持っています。

▼AWSについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

AWSでゲーム開発ができる?

AWSはゲーム開発にも活用されており、特にゲームを構築・運営・成長させることを目的としたソリューションである「AWS for Games」が有名です。

そしてAWS for Gamesは、クラウドゲーム開発、ゲームサーバー、ライブ運用、ゲーム分析、ゲームセキュリティ、AIと機械学習という6つの分野に関してのサービスを展開しています。

AWSをゲーム開発で利用するメリット

ゲーム開発でAWSを使用することは多くのメリットがありますが、今回はその中から4つをご紹介します。

①自動調節できるサーバー

AWSは非常にサーバーの容量が大きく、利用者からのアクセス量に応じて自動でサーバー容量を調節してくれることで、無駄なコストの削減につながります。

②安全性の高いセキュリティ

AWSは日本政府やCIA(米国中央情報局)など、世界中の大企業・銀行・政府機関も利用するほど高いセキュリティを有しているのが特徴です。

それだけでなく、AWSはクラウド上で操作・作業するため、特定の端末に情報やデータを保存する必要がなく、IPなどの知的財産権の安全性も保たれます。

③スピーディーな開発が可能

AWSのゲームのバックエンド機能に関わるサービスである「Amazon Game Sparks」は、バックエンドを簡単に構築、最適化、拡張することができます。

それだけでなく、オープンソースのゲームエンジン統合キット「GameKit」も一般提供が開始されました。GameKitでは、クラウドで制作したバックエンド機能を直接Unityなどのゲームエンジンに展開することができるため、ゲーム開発者はこれまでと比べ、より簡単にバックエンド機能を導入・カスタマイズすることができます。

Amazon Game SparksやGameKitを含むAWSのサービスを利用することで、18か月で10のゲームの開発・リリースができた事例や、AWSクラウドへの移行で新しいインフラの導入が大幅に短縮された事例などもあり、ゲーム開発における時間短縮が可能であると言えるでしょう。

④大幅なコスト削減が可能

AWSを利用することでインフラ構築の大幅な時間短縮ができるだけでなく、オンデマンドサーバーの活用でサーバーコストを50%削減した事例や、AWSの運用サービスを利用することで、運用コストを50%以上削減しつつ高レベルでのサービス維持を可能にした事例があります。

このように、AWSを利用することで開発・運用に関わる、時間・お金・人的コストを削減することができ、開発者はゲーム開発により集中することができます。

参考:https://aws.amazon.com/jp/gaming/gaming-customer-references/

AWSエンジニアとは

AWSエンジニアとは、AWSを扱う技術者のことを言います。主な仕事は、AWSを利用したアプリケーションの開発やインフラ設計ですが、システム開発・保守・運用など幅広い業務を担当します。

AWSにはサーバーの構築やデータ保存、データベース、プログラムの実行などさまざまなサービス(機能)が備わっていますが、それぞれが「何ができるのか」「組み合わせによって何が起こるのか」といったことを把握し、適切なサービスを組み合わせることで開発・運用環境を整えます。

したがって、AWSエンジニアはAWSのサービスに関する深い知識や技術が求められます。

また、類似職種としてインフラエンジニアとネットワークエンジニアがありますが、この2職種はクラウドだけでなく自社で抱えるインフラやネットワークも扱うのに対し、AWSエンジニアはクラウド上で作業を行うという点で異なります。

AWSエンジニアになるには

AWSエンジニアになるには、AWSのサービスに関する深い知識や技術を学ぶ必要がありますが、これらを学習するうえでおすすめなのがAWS認定試験です。

AWS認定試験はクラウドの基礎的な理解を目的とした、実務経験を必要としない知識ベースの認定です。4段階のレベルが設けられており、それぞれのレベルでさらに細かく専門分野が分かれています。

認定の取得を目指すことで、学習を進めるうえでのモチベーションの維持ができるだけでなく、AWSに関する知識や技術の証明にもなるため、このような点からもAWS認定試験の受験はおすすめといえます。

それでは、どのような分野があるのか、4つのレベルとそれぞれのレベルでどのような専門分野に分かれているのか、ご紹介します。

受験料や対応言語など、詳細は公式サイトをご確認ください。

Foundational

AWSクラウドの基礎的な理解を目的とした知識ベースの認定で、実務などの経験がない方も受けられるAWS認定の入門といえます。

AWS Certified Cloud Practitioner

AWSクラウド、サービス、用語に関する基礎を扱います。

AWS Certified AI Practitioner

こちらは2024年8月13日からベータ版が開始される認定で、人工知能や機械学習、生成AIに関することを扱います。

Associate

AWSクラウドに関するプロフェッショナルであることの信頼を構築できる認定です。
クラウドやオンプレミスでのIT経験が豊富にあることが望ましいとされており、1年程度AWSの使用経験があることが望ましいとされています。

AWS Certified Data Engineer - Associate

データに関わる認定で、データモデルの設計やデータの品質管理などを扱います。

AWS Certified Developer - Associate

アプリ開発や最適化、テスト、デバッグなどを扱います。

AWS Certified Solutions Architect - Associate

幅広いAWSサービスに関する技術的な知識とスキルを扱います。
コーディングの深い実務経験は必要ないものの、基本的なプログラミングの知識が求められます。

AWS Certified SysOps Administrator - Associate

AWSワークロードの保守や、セキュリティ、コストパフォーマンスの最適化などを扱います。

AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate

こちらは、2024年8月13日にベータ版が開始する認定で、機械学習に関する分野を扱います。

Professional

AWS環境の実務経験が2年以上あることが望ましいとされており、ある程度経験を積んだ中級程度の方におすすめです。

AWS Certified DevOps Engineer - Professional

AWSのインフラやアプリシステムの運用や管理などの技術や専門知識を扱います。

AWS Certified Solutions Architect - Professional

さまざまで複雑な要件の中で、適切にAWSのサービスを設計や展開などをするための知識やスキルを扱います。

Specialty

AWS環境の実務経験や専門分野の経験が5年程度あることが望ましいとされており、しっかりと経験を積んだ上級の方におすすめです。

AWS Certified Advanced Networking - Specialty

AWSの幅広いサービスに対応するネットワークの設計や維持に関する専門知識を扱います。

AWS Certified Machine Learning - Specialty

機械学習モデルの構築やチューニングなどをするための専門知識を扱います。

AWS Certified Security - Specialty

AWSクラウドにおけるデータなどのセキュリティ確保に関する専門知識を扱います。

年収は高い?低い?

Indeedによると、日本のAWSエンジニアの平均年収は約600万円とされています。(※2024年8月1日時点)

国税庁によると日本の平均給与は461万円であることから、AWSエンジニアの年収は高いと言えます。
また、AWSエンジニアを始めとするエンジニアは給与幅が広いことが多く、経験を積むことで給与アップさせることも可能でしょう。

将来性

AWSエンジニアの年収は、日本の平均給与と比べ高いということが分かりましたが、将来性の面はどうでしょうか。

結論から言うと、AWSエンジニアは将来性があると言えます。

AWSは世界で最も利用されているクラウドサービスであるかつ、大手企業や銀行、政府機関なども活用するほどのセキュリティをもつため、今後も業界トップシェアを維持していくでしょう。そして、今後もAWSを導入する企業は増え続けると考えられます。

また、日本全体でエンジニアは人手不足と言われており、さらに比較的新しい職種であるAWSエンジニアも人手不足です。
したがって、今後もAWSを導入する企業が増えるとともに、AWSエンジニアの需要も増えるため、AWSエンジニアには将来性があるでしょう。

まとめ

本記事では、AWSの概要や、ゲーム業界でのAWSの活用事例、AWSエンジニアになる方法などをご紹介しました。

AWSエンジニアは、AWSに関する非常に専門的な知識や技術を求められる職種ですが、それ故に需要が高く、経験やスキルを身に着けていくことで給与アップが狙える職種です。

IT業界での需要はもちろん、ゲーム開発にも活用でき、サーバーエンジニア・インフラエンジニアを中心に、AWSが使えることで転職の際歓迎される場合も多くあります。

AWSエンジニアやゲーム業界への転職にご興味のある方は、まずは本記事を参考にぜひAWS認定試験の取得を目指して学習を始めてみてはいかがでしょうか。

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