ゲームプランナーは、ゲームの企画から運営までゲーム開発の全工程に幅広く携わり、自分で企画したゲームを世の中に発信できるポジションです。
本記事では、ゲームプランナーになるための方法や向いている人の特徴などを詳しく解説します。
ゲームプランナーとは
まずは、ゲームプランナーの役割と仕事内容を簡単にご紹介します。
ゲームプランナーの役割
ゲームプランナーとは、ゲームの企画や制作進行、運営、分析を行う職種で、ゲームクリエイターとも呼ばれます。
また、ゲーム開発の全工程に携わるため、各工程におけるコミュニケーションの橋渡しの役割を担い、開発がスムーズに進むようさまざまな調整を行います。
仕事内容
仕事内容は、開発の工程によって大きく5つに分けられます。
・企画立案 ・仕様書の作成 ・進行管理 ・デバッグ ・運用 |
企画の段階では、ゲームの世界観やキャラクター周り、ルールなどゲーム全体のことを決めます。
他には、そのあとの工程への指示になる仕様書の作成、完成までのスケジュールを立てて進捗を管理、試作品のテスト、完成後の運用・売り上げなどの分析を行います。
▼ゲームプランナーの仕事内容についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
求められるスキル
ゲームプランナーに求められるスキルはいくつかありますが、本記事では大きく分けて4つのスキルをご紹介します。
①コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、どんな業界、職業でも必要ですが、ゲームプランナーにおいては最も重要なスキルともいえます。
ゲーム開発は、企画から運営においてどの工程でも常にさまざまな職種の人と関わります。
それだけでなく、プランナーは各工程の橋渡し役であるため、それぞれと認識のズレが無いか確認したり、必要に応じて話し合いの場を設けたりします。
そのため、職種を超えて円滑にコミュニケーションをとれる能力が強く求められます。
コミュニケーションを円滑に行うために、エンジニアやデザイナーの仕事内容を把握したり、積極的に専門知識を学ぶ姿勢を持つことも重要です。
②トレンドを掴む力
ゲームの企画において、トレンドを掴むことはとても重要です。
ゲームプランナーは「売れるゲーム」を作る必要があります。
そのため、ゲーム業界ではどのようなジャンルやゲームシステムが流行っているのか、ユーザーの中では何が人気なのかを把握することで、企画を練るためのアイデアにつながります。
③発想力
トレンドを掴むことができても、流行りのゲームを真似するだけでは、ユーザーに長く遊んでもらうことはできないでしょう。
そこで求められるのが発想力です。
他のゲームにはない世界観・ゲームシステム・魅力的なキャラクターなどを、新たに生み出す必要があります。
発想力を鍛えるためにも、日ごろからさまざまなジャンルのゲームをプレイし、アイデアを蓄積していくと良いでしょう。
④分析力
4つ目が分析力で、主にゲームが完成しリリースしてから求められるスキルです。
ゲームがリリースされた後に、SNSや口コミを通じてユーザーの反応を観察し、修正やゲーム内イベントの企画、次回作への参考にします。
また、売上の分析もゲームプランナーの仕事であり、課金プランは適切だったか、想定通りの収益が見込めているかなどの分析・検討も行います。
⑤論理的思考力
論理的思考力は、企画の提案時、他の開発メンバーとの会議、分析結果の共有などあらゆる場面で必要になり、わかりやすく・簡潔に情報を伝えることで円滑なコミュニケーションが可能になります。
特に、企画提案の際に論理的思考力があることで企画に説得力を持たせることができるため、重要なスキルといえます。
使用ツール
ゲームプランナーは、デザイナー職種と異なり、ハイレベルな専門ツールの習得などは求められません。
しかし、使えると業務の幅が広がるツールがあります。
それが「ゲームエンジン」です。
ゲームエンジンは、マスターデータの設計・調整、各種制作物の実装、バグの修正などで使用します。プランナーの中でも、特に開発プランナーで使用することが多いため、開発プランナーになりたい方は、積極的に使用するとよいでしょう。
また、ゲーム業界ではUnityとUnreal Engineの使用率が高いため、これからゲームエンジンを学ぶ方は、ご自身の希望プラットフォームやゲームジャンルに合わせて選ぶと良いでしょう。
▼Unity、Unreal Engineについてはこちらの記事で徹底比較しています!
ゲームプランナーになるには
ゲームプランナーになる方法を、ゲーム業界経験の有無に合わせてそれぞれご紹介します。
ゲーム業界経験者の場合
デバッガーやデザイナー、プログラマーなど他の職種の経験がある場合もゲームプランナーへの転職が可能です。
ゲームプランナーはすべての工程に携わるため、どの職種でもそれぞれの職種で培った経験を活かせます。
さらに、その職種でリードポジションを担っていたり、チームマネジメントの経験がある場合は歓迎されることもありますので、積極的にアピールすると良いでしょう。
また、そもそもゲーム業界の経験自体が浅い、という方はプランナーアシスタントなどから経験を積むこともおすすめです。
改めてゲーム開発全体の流れを学ぶことで、自分の専門分野で身に着けた知見以外の気づきが得られるでしょう。
ゲーム業界未経験者の場合
初めてゲーム業界で就業する方も転職は可能です。
しかし、ゲームプランナーは人気のある職種であるため、狭き門となります。
ここでは、ゲーム業界未経験の方におすすめの方法を2つご紹介します。
アシスタントプランナーからキャリアアップを目指す
アシスタントプランナーの場合、ゲームプランナーやゲーム業界での就業経験が無い方でもチャレンジできる求人もあり、業務を通してゲーム開発について勉強することができます。
また、ゲームプランナーには、担当する業務に分けて細かく「開発プランナー」と「運営プランナー」に分かれており、特に運営プランナーはゲーム内お知らせの作成やSNS運用といった業務があるので、近しい業務の経験がある方は歓迎される場合があります。
デバッガーからのキャリアアップを目指す
デバッガー(テスター)はゲーム開発の中でテストプレイを行い、仕様書通りに動作するか、バグ(不具合)が起きないかを検証する仕事です。
バグがあった際はレポートにまとめて報告し、プランナーやプログラマーと協力して修正を行います。
デバッガーの経験を積むことで、仕様書の理解が深まったり、ゲーム開発や他の職種について学べます。
また、デバッガーやテスターは正社員・派遣・アルバイトとさまざまな雇用形態があるだけでなく、ゲーム業界未経験でも応募可能な求人も多いため、ゲーム業界未経験の方におすすめの方法といえます。
▼デバッガーやテスターについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
向いている人の特徴
①とにかくゲームが好き
ゲームプランナーに共通しているのが「とにかくゲームが好き」であるということです。
また、
・さまざまなジャンルのゲームをプレイする
・流行りのゲームはとりあえずやってみる
・何時間でもゲームができる
という人も、ゲームプランナーに向いているといえます。
さまざまなジャンルのゲームをプレイしたり、流行りのものをプレイすることは、新しい気づきのヒントになります。
②責任感がある
ゲームプランナーは企画だけでなく、完成までのスケジュールを立てて各工程が順調に進んでいるか管理をすることも業務の1つです。
そのため、納期を意識し完成までスムーズに進むように責任感を持ってチームをマネジメントする必要があります。
③チームで物事に取り組むことが好き
ゲーム業界全般に共通しますが、ゲーム会社でゲームを作る場合、自分1人で最初から最後までゲームを開発することはありません。
工程によってデザイナーやエンジニア、他の企業の人など常にさまざまな人と協力することで開発が進みます。
そのため、チームで物事に取り組むことが好きな人が向いています。
おすすめの資格
ゲームプランナーになるのに絶対に必要な資格はありませんが、あると便利な資格をいくつかご紹介します。
デザインに関する資格
Illustrator®クリエイター能力認定試験
この資格はAdobeの編集ソフトである「Illustrator」を活用してコンテンツを制作できるスキルを示すものです。
ゲーム制作においてIllustratorは、ロゴやテキスト作成などで使用します。
試験は「スタンダード」と「エキスパート」の2つの難易度が用意されているため、自分のレベルに応じた難易度の試験を受験することが可能です。
Illustrator®クリエイター能力認定試験公式サイト
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/
Photoshop®クリエイター能力認定試験
この資格はAdobeの編集ソフトである「Photoshop」を活用してコンテンツを制作できるスキルを示すものです。
Photoshopは写真の加工やイラストの修正・合成で使用されるソフトです。
試験はIllustratorと同様に「スタンダード」と「エキスパート」の2つのレベルが用意されています。
Photoshop®クリエイター能力認定試験公式サイト
https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/
プログラミングに関する資格
Unity認定資格
Unityとは、Unity Technologies社が開発したゲームエンジンです。ゲームエンジンとは、誰でもゲーム開発が行える統合開発環境を指します。
多くの機能を無料で使えるUnityは人気が高く、世界的にもトップクラスのシェアを誇ります。
Unity認定には4つのレベルに分かれています。さらに各レベルごとにも複数の科目があり、受験者のレベルに応じて受験できます。
Unity認定資格公式サイト
https://unity.com/ja/products/unity-certifications
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験とは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施しているITに関する国家資格です。
情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、ITに関係するすべての人を対象とした試験です。
情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く網羅しているため、こうしたIT知識は企画書や仕様書を書く際にも役立ちます。
IPA公式サイト
https://www.ipa.go.jp/shiken/index.html
年収
ゲームプランナーの平均年収は約536万円となっています。
参考:求人ボックス給与ナビ(※2024年11月13日時点)
国税庁の令和4年の調査では日本の平均年収は458万円であるため、ゲームプランナーの年収は企業の規模や経験などによって異なるものの、相場よりも高いことがわかります。
▼ゲームプランナーの年収についてはこちらの記事で詳しく解説しています!
キャリアパスや将来性
ゲームプランナーとして経験を積んだ後は、ゲームディレクターやゲームプロデューサーにキャリアアップできます。
ゲームディレクターは、ゲームの音楽やキャラクターデザインなどクオリティにかかわる分野の責任者、ゲームプロデューサーは企画や予算、プロモーションなどプロジェクト全体の責任者です。
もちろん、ゲームプランナーとして企画の道を極めることもできますが、マネジメントに興味のある方や、ゲーム開発のさらに上流ポジションにチャレンジしたい方は、これらの職種に挑戦してみてもよいでしょう。
まとめ
本記事では、ゲームプランナーになるために求められるスキルや仕事内容、ゲーム業界経験の有無別のなり方、給与、キャリアパスをご紹介しました。
ゲームプランナーは自分の企画したゲームを世に送り出すことのできる魅力的な職種です。
「ゲーム業界で活躍したい!」「自分の考えたゲームをリリースしたい!」
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