ゲームをプレイするなかで、ゲーム作りに興味を持つ人もいるのではないでしょうか。
ゲームは、プログラマーが書いたコードをもとに動きます。つまり、ゲーム制作にはゲームプログラマーの存在が欠かせません。
そこで本記事では、ゲームプログラマーの仕事内容や、未経験からなるために何が必要か?などの疑問を解消していきます!
ゲームプログラマーの仕事内容
ゲームプログラマーは、ゲームプランナーが書いた仕様書という、いわゆるゲームの設計書にもとづき、実際にゲームを動かすためにプログラミングをする仕事です。
主な仕事内容として、下記の4つがあげられます。
1.開発環境の整備
まず、プログラミングを行うための開発環境を整備します。これはプログラミングに入る前の準備フェーズとも言える業務です。ゲームエンジン(ゲーム制作に必要な機能をまとめたソフトウェアのこと。例:Unity)や統合開発環境など、ゲーム開発が円滑に進められるよう、最適な開発環境を整えます。
2.プログラミング
開発環境が整ったら、次は実際に仕様書をもとにプログラミングを書いていきます。プログラミングは複数人のプログラマーによって分業制で行われることが一般的です。効果音やサウンドの設定、シナリオ動作、メニュー画面の実装などを、それぞれが請け負う形で担当を決め、開発を進めます。
3.動作チェック・デバッグ
続いて、プログラムが仕様書通りに動くか動作チェックを行います。そして、デバッグ作業ではその動作チェックによって見つかった不具合を修正します。動作チェックとデバッグを繰り返し、品質向上を目指します。
4.リリース後の対応
ゲームをリリースしたあとは、必要に応じてアップデートファイルを開発します。プレイヤーの要望に応えて機能を追加したり、不具合を修正するなど、ユーザーにできるだけ長く遊んでもらえるようなゲーム作りを行います。
ゲームプログラマーに向いている人
次に、ゲームプログラマーに向いている人をご紹介しますが、これはあくまでも一例ですので自分の長所を活かせるゲームプログラマーを目指しましょう!
論理的思考力がある人
ゲームプログラマーには論理的思考力が求められます。プログラムは他のプログラマーにも読みやすいほうが良いですし、ゲーム内の人間や物体の動きは、適切なロジックのもと開発されなければ、プレイヤーが違和感を覚える動きになってしまいます。
そのため、論理的思考力はゲームプログラマーにとって最も重要な力だと言えます。
コミュニケーション能力がある人
プログラマーは黙々と作業を進めるイメージを持つ人もいると思いますが、それだけでなく、実際は複数の人と連携して作業を行うことも多いです。そのため、他者と意思疎通が行えるコミュニケーション能力が求められます。
しっかりと頭の中でイメージしていることを言語化して相手に伝え、チーム内で情報共有を行えることが、ゲーム開発を円滑に進めるにあたって大切なことです。
3.根気強さ・忍耐力がある人
ゲームプログラマーには根気強さや忍耐力が求められます。バグの修正や不具合の調整など、何ヵ月もかけてテストを行うこともあるからです。
しかし、もとから根気強さや忍耐力を持っている人は少ないと思います。ですが、ゲームが好きであったり、プログラミングが好きだと、困難な場面にあっても乗り越えられるのではないでしょうか。好きなことに対して熱意を持つことから、根気強さや忍耐力は生まれるのです。
未経験からゲームプログラマーになるには?
専門学校・スクールに通う
即戦力となれるような実践的・専門的スキルを学び、1日でも早くプログラマーとして働きたい人には、ゲームプログラマーを養成する専門学校やプログラミングスクールに通うことがおすすめです。
専門学校はゲーム業界との強いつながりを持っているところもあるため、就職や転職が有利になる点が専門学校に通うメリットです。
また、開発の際に必要な言語について詳しくは後述しますが、プログラミングスクールでは言語別のコースが用意されているなど、それぞれの受講者に合ったコースを選べる点が特徴です。
プログラミングが学べる大学に通う
情報系・理工系の大学などでもプログラミングを学ぶことができます。大学では理論についても深く学ぶことができるため、新しい言語を習得するときにその理論を応用して学習することが可能です。
ゲーム業界(特に技術職)は実力主義であるため、学歴は問われないものの、大学に通うメリットとして、高い給料・年収が狙えるという点があげられます。
また、将来的に出世し、上流工程のポジションにつきたいなどの場合も、大卒であるとその可能性が広がると考えられます。
独学で学習する
プログラミングについて学べるオンライン学習サイトや本などが豊富に存在するため、独学で学ぶことも可能です。独学のメリットは自分のペースで進められるという点です。
学習を進めるうえで、つまづいたときにすぐ人に聞ける状況ではないという側面もありますが、自走力のある人は独学が適しているかもしれません。
ゲームプログラマーは最新技術を取り入れながらゲーム開発を進めていくこともあるため、新しいことを自ら学び続ける力を学習の初期段階から身に着けておくことをおすすめします。
学校・独学で学んだあとは何をすべき?
プログラミングをある程度学んだあとは実際に自分でゲームを開発してみることをおすすめします。
そして、成果物を通して自分のスキルを応募企業にアピールしましょう!未経験者を募集している場合でも、成果物やポートフォリオを求められることがあります。そういったとき、学校のサポートを受けるのも良いですし、独学の場合でもどのような成果物を作れば良いか紹介している参考サイトなどがあります。
成果物と聞くと「凝ったものを作らなければならないのかな・・・」と身構えてしまうしまうかもしれません。しかし、凝ったものを開発すればそれで良いというわけではありません。
応募先は「どういった意図でその機能をつけたのか」「なぜこの言語を用いてこのコードを書いたのか」などしっかりと言語化して論理的に説明できるかを見ています。
学んだことをアウトプットし、自分のものにするためにも、まずは簡単なものからゲーム開発に挑戦してみましょう!
習得におすすめの言語
どのような手順を踏めばゲームプログラマーになれるのかイメージがつかめたところで、次に学習におすすめな言語をご紹介します。開発するゲームの種類によって、使用するプログラミング言語は異なるという点もおさえておきましょう。
JavaScript
この言語はブラウザとの相性が良い言語です。この言語を用いて動きのある画面を開発することができます。他の言語と比べて難易度が低く、さらにはゲームだけでなく、webサイトを作成する際にも役立つため、汎用性が高い点でもプログラミング初心者の人が学習するのにおすすめな言語です。
《この言語を使用して開発できるゲーム》
・ブラウザゲーム(ブラウザ上でプレイするゲームのこと)
C#
ゲームプログラミングで使用される機会が非常に多い言語の1つです。どんなゲームを開発するうえでも汎用性があり、初心者が学びやすい点が特徴です。
また、名前の似た言語で「C++」という言語が存在しますが、C#よりも難易度が高く、後述する「Java」の要素も入っているため、別のプログラミング言語と言えます。
《この言語を使用して開発できるゲーム》
・コンシューマーゲーム(家庭用ゲーム機でプレイするゲームのこと)
・スマホアプリゲーム
・ブラウザゲーム
・PCゲーム(PCにインストールしてプレイするゲームのこと)
Java
JavaはAndroid向けのアプリを開発する際に使われることの多い言語です。しかし、Androidだけでなく、すべてのOSに対応しているため、さまざまなゲーム開発で使用されています。前述したように、C++にはJavaの要素も入っているため、習得しておいて損はない言語です!
《この言語を使用して開発できるゲーム》
・スマホアプリゲーム
・ブラウザゲーム
・PCゲーム
Swift
iPhoneのアプリを開発したい人におすすめの言語です。Apple社によって開発され、iOSのアプリ開発に使用されます。日本はiPhoneシェア率が高いため、日本国内向けにスマホアプリを開発したい場合、この言語を学ぶメリットは大いにあるといえるでしょう。
《この言語を使用して開発できるゲーム》
・スマホアプリゲーム
ゲームプログラマーに資格は必要?
ゲームプログラマーになるための必須資格は特にありません。しかし、プログラマーとしての能力を測定する認定試験があるので、それを取得することでスキルの証明ができ、他者との差別化を図ることが可能です。
Java™プログラミング能力認定試験
株式会社サーティファイが運営する認定試験で、Javaの知識を証明する資格です。レベルは3級から1級まで用意されています。
3級では初心者を対象に、Javaに関する基本的知識を問います。出題形式は選択式です。
2級は、3級よりも難易度は上がるものの、認定基準は「小規模なプログラムが書けること」なので、学習し続けることで問題なく合格できるでしょう。出題形式は3級と同様、選択式です。
1級のみ「実技試験」と称し、PCを使って実際にプログラミングスキルをはかります。試験内容は、事前に公開しているテーマプログラムに対する仕様変更や、仕様追加に対応したプログラムの作成です。
Java™プログラミング能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/js/cpjv/jv/introduction/
CGエンジニア検定
CG-ARTS(画像情報教育振興協会)が運営する、CGの作成や処理に関わるシステムを開発するレベルを図る試験です。CGエンジニア検定を持っていると、グラフィックス関連の実装をする時にその知識を活かして円滑に仕事を進めることが可能です。
「ベーシック」と「エキスパート」の2つのレベルが用意されていて、どちらも出題形式はマークシートです。
ベーシックではCGの技術に関する基本的な理解と、プログラミングなどに知識を利用する能力を測ります。エキスパートでは、CGの技術に関する専門的な理解と、ソフトウェアやハードウェア、システムの開発に知識を応用する能力を測ります。
CGエンジニア検定
https://www.cgarts.or.jp/v1/kentei/about/cg_engineer/index.html
Unity認定資格
Unityとは、Unity Technologies社が開発したゲームエンジンです。ゲームエンジンとは、誰でもゲーム開発が行える統合開発環境を指します。
多くの機能を無料で使えるUnityは人気が高く、世界的にもトップクラスのシェアを誇ります。
▼Unityについてこちらの記事で詳しく解説しています!
Unity認定資格公式サイト
https://unity.com/ja/products/unity-certifications
ゲームプログラマーの就職先は?
ゲーム業界には大きく分けて「パブリッシャー」と「デベロッパー」という2種類の会社が存在します。
パブリッシャーは、ゲームの企画・開発から宣伝・販売までを担当します。たとえば任天堂やバンダイ・ナムコのような有名企業がこれにあたります。
一方で、デベロッパーは、パブリッシャーから委託を受けてゲーム開発を行う会社です。
「パブリッシャーがゲームを企画」→「デベロッパーがゲームを開発」→「開発されたゲームをパブリッシャーが販売」という流れをとります。
ゲームプログラマーは上記どちらの形態の企業にも就職することが可能ですが、知名度の高いゲーム会社は、就職先としての競争率が高いのも事実です。
パブリッシャー、デベロッパーともに、技術力をどれほどアピールできるかがポイントとなってきます。
まずは他社でプログラマーとしてアルバイトをするなど、実務経験を積んでから知名度の高いゲーム会社に挑戦することもおすすめです。
ゲームプログラマーの給料・年収
ゲームプログラマーの平均年収は約486万円です。
月給換算で41万円、初任給は22万円程度が相場のようです。派遣社員は平均時給が2247円、アルバイト・パートは1499円となっています。
国税庁の令和4年の調査では日本の平均年収は458万円であるため、ゲームプログラマーの年収は企業の規模や経験などによって異なるものの、相場よりも高いことがわかります。
参考:求人ボックス 給料ナビ(2024年4月11日時点)
ゲームプログラマーの将来性
市場ニーズ
近年のゲーム業界は家庭用ゲームコンテンツだけでなく、スマホアプリなど多様なスタイルのゲームが多くリリースされています。
こうしたゲーム市場規模の拡大に伴い、ゲームデザイナーの需要も高まっており、今後もさらに盛り上がりを見せるゲーム業界においてゲームプログラマーは欠かせない存在です。
キャリアパス
ゲームプログラマーとして経験を積んだ先、何を目指すのかによってキャリアパスは異なります。
そこで、目標別にゲームプログラマーのキャリアパスをご紹介します。
ゲームプログラマーとしてさらに技術を高めたい人→リードプログラマー
リードプログラマーは、実力を積み重ねたプログラマーのキャリアパスとしてあげられます。
自分自身がプログラマーとして業務を進めていくだけでなく、チームメンバーへの業務の割り振りや工程管理なども行います。プログラマーたちを統括していくために、高いプログラミングスキルを使って適切な指示をすること、さらには予算やスケジュールなどの管理能力も求められます。
企画職に挑戦してみたい人→ゲームプランナー、ディレクター、プロデューサー
プログラマー経験を活かして、企画職のゲームプランナーや、さらにその上のポジションであるゲームディレクター、ゲームプロデューサーを目指すことも可能です。
特に仕様書の作成時にプログラマーとしての知識が活かされます。仕様書とはゲームの設計図のようなもので、これがしっかり作られていると開発フェーズでプログラマーは円滑に仕事を進めることができます。
独立してフリーのゲームプログラマーとして活躍する
ゲームプログラマーとして経験を積んだあとはフリーランスとして独立することもできます。
独立のメリットは、会社員と違って労働量がそのまま収入につながる点などがあげられます。会社員時代の福利厚生面などを考慮したときにどのライフスタイルが自分に適しているのか、検討することが大切です。
まとめ
本記事では、ゲームプログラマーの仕事内容や未経験からなる方法などについてご紹介しました。
ゲームプログラマーを目指すからには、プログラミングスキルが必要不可欠かつユーザーに最も楽しんでもらうゲームを提供するために、新しい技術を取り入れていく力も重要です。常に向上心を持って学習し、ゲームプログラマーの道を切り開くために一歩ずつ進んでいきましょう!
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