業界知識

24.04.02

細部まで自分の思い通りに表現できる!「Substance 3D Painter」がすごい!

Substance 3D Painter(サブスタンス 3D ペインター)はAdobe社製のソフトで、3DCG制作における「テクスチャ」の部分で利用されます。ゲームや映像業界はもちろん、ファッションや建築など幅広い業界で愛用されています。

本記事では、Substance 3D Painterとはどのようなソフトなのか、その特徴や利用料金などについてご紹介します!

Substance 3D Painterとは

Substance 3D Painterはテクスチャリングに特化したソフトですが、ただのテクスチャリングソフトではありません。「ペインティングができるテクスチャリングソフト」なのです!

では、ペインティングができるとはどういうことなのでしょうか?

そもそもテクスチャリングとは、3Dモデルの表面に凹凸や陰影、汚れなどの表現を施すことを言います。そして、Photoshopなどのソフトを用いて模様などの画像(テクスチャ)を作成しそれを3Dモデルに張り付ける、というのが一般的なやり方です。

例えば、「背もたれの部分にひまわりの絵が入っている革張りのソファーのモデル」を作るとします。一般的なやり方であれば、Photoshopなどで皮素材のベース画像にひまわりの絵を描き(この部分がテクスチャ)、その画像をソファの形をしたモデルに貼り付ける、といった感じです。

一方、Substance 3D Painterでは、革張りのテクスチャが施されたソファのモデルに直接自分でひまわりの絵を描き込んで(この部分がペインティング)、それをテクスチャとして出力できるといった感じです。





すでに描き上げた画像を貼り付けるのと違い、直接描き込むことで細部の調整や描き込みがしやすくなります。ブラシの種類も豊富にそろっているため、描き込む際の自由度も高くこだわりを最大限発揮できます。

Substance 3D Painterの良いところ

テクスチャリングに特化したソフトだからこその良いところを5つご紹介します。

①アルファという要素で自由度が高くなる

テクスチャを作成するとき、従来のやり方では表現したい素材の画像を用意してそれをモデルに貼り付けていました。例えば木製のテーブルを作りたいならば、木(木目)の画像を用意しそれをテーブルのモデルに貼り付けるという感じです。

しかし、Substance 3D Painterの場合、画像を使用しません。ソフトに元々入っている素材(要素)を組み合わせてオリジナルの木目を作成できます。

この素材(要素)のことを「アルファ」と言います。

アルファはプロシージャル(計算によって作成された数値ベースのもの)なので、解像度という概念が存在せず書き出しの自由度が高い(拡大してもボヤけない)という特徴があります。

さらに、アルファ内の各要素(ベースの色や質感ごとのレイヤー)それぞれに数値変更を加えることで、木目の溝の深さなどまで細かい調整が簡単にできます。

②ベイク機能で細かい調整と負荷軽減ができる

ベイクの説明をする前に、簡単に「ポリゴン」について解説します。

3DCGモデルは、さまざまな多角形の組み合わせで構成されています。この、多角形のことをポリゴンと言います。
あるモデルを制作するときに、1つのポリゴンのサイズが小さく、たくさんの数で構成されているモデル(ハイモデル)は、曲線も滑らかに表現できます。
一方、1つのポリゴンのサイズが大きく、少ない数で構成されているモデル(ローモデル)は角張った形になります。


それでは、ベイクについて説明していきます。
ベイクとは焼き付けとも呼ばれ、負荷の重い計算処理の結果をファイルや画像に出力しておいて後で利用できるようにする機能のことです。
つまり、ハイモデル(ポリゴン数の多いモデル)の情報をローポリモデル(ポリゴン数の少ないモデル)に焼き付けられる(貼り付けられる)ということです。

まず、ポリゴンの数が多いほどより細部まで表現できますが、モデルをレンダリングする際、処理する量も増え負荷も大きくなります。

制作したモデルをCGとして生成することをレンダリングと言います。レンダリングの際にかかる処理は、ポリゴンが多いほど負荷がかかります。

しかし、ベイク機能を使うと、例えば、200個のポリゴンで構成されたモデルの情報(どこが角か?どこが溝か?ということ)を事前に計算し、その情報をテクスチャとして、50個のポリゴンで構成された同じモデルに貼り付けられるため、50個のポリゴンのモデルをレンダリングした時に200個のポリゴンのモデルと同じような出来に仕上がる、ということです。

つまり、レンダリングするポリゴンの数が少ないので処理の負荷も減らせるだけでなく、角を算出しているため、その部分にだけ別の質感を足すことも可能です。

③リアルタイムで確認できる

従来、テクスチャ作成にはPhotoshopが使用されていました。そして、Photoshopで作った場合、テクスチャをモデルに貼り付けた後思い通りになっているかを確認するためには、都度レンダリングする必要がありました。レンダリング後に気になる部分があればまたPhotoshopに戻って修正して、またレンダリングして…という繰り返しでとても手間がかかっていました。

しかし、Substance 3D Painterはリアルタイムでレンダリングしてくれるのでソフトを行き来しなくてもその場で確認・修正ができ作業が楽になります。さらに背景を実際に使いたいものにしたり、ライティングも調整できるため、より細かい部分まで確認・修正を行えます。

④スマートマテリアルが便利

これまでに作成したテクスチャを、モデルごとに丸ごと保存できるスマートマテリアルという機能で保存しておくことでいつでも使用できます。

「前に作った木製テーブルと同じ素材のイスを作りたい」と思ったときに、また素材から作る必要が無くなります。

非常に流用性が高く、テクスチャを作れば作るほど素材が貯まっていきます。

参考:https://youtu.be/KjhFgWkahCU

Substance 3D Painterを使用するには

Substance 3D Painterは単体での販売を行っておらず、他の3Dソフトとセットになっている「Substance 3D Collectionプラン」か「Substance 3D Texturingプラン」で購入する必要があります。

<Substance 3D Collectionプラン>
付帯ソフト:Substance 3D Designer / Stager / Painter / Sampler
   料金:月額 6,028円(税込)

<Substance 3D Texturingプラン>
付帯ソフト:Substance 3D Designer / Painter / Sampler
   料金:月額 2,398円(税込)

同じAdobe社のSubstance 3D Designerなどとも相性が良いため、一緒に学んで見るのも良いでしょう。

▼Substance 3D Designerについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください!



どちらも体験版もあり、一か月無料で試すことができるので、気になった方は無料で一か月試してから購入を検討してみてください。詳しく料金について知りたい場合はAdobeの公式サイトをご覧ください。

▼Adobe公式サイト
https://www.adobe.com/jp/products/substance3d/compare-plans.html

まとめ

本記事では、Substance 3D Painterのメリットを中心にご紹介してきました。

3DCGの中でもテクスチャに特化したソフトですが、UnityやUnrealEngineにも対応しておりゲーム業界でも利用されています。

最近ではPCゲームなどを中心にグラフィックが高精細な作品が増えており、今後より高度なテクスチャリング技術が求められることが考えられます。3DCGデザイナーを目指している方、テクスチャのスペシャリストになりたい方はぜひ使用、習得してみてはいかがでしょうか?

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著者・監修情報

Confidence Creator 編集部

運営元:株式会社コンフィデンス・インターワークス

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