ゲームの世界では、現実ではありえないようなことが度々起こります。
例えば、魔法が使えたり、人間では到底出せないようなパワーを発揮するキャラクターが存在します。そういった魔法やパワーを可視化するために用いられるのが「VFX」という技術です。
本記事では、VFXがどのような技術なのか、混同されやすいCG・SFXとの違い、使用するソフトなどをご紹介します。
VFXとは
VFXとはVisual Effects(ヴィジュアルエフェクト)を略した言葉で、直訳すると「視覚効果」という意味になります。
コンピューターを用いて、撮影した映像にエフェクトを加えたり、余分な部分を削除するといった技術や、このような加工が施された映像自体をVFXと呼びます。
映画でもよく使用される技術で、現実世界では起こりえない現象を加工で追加しすることで映像に迫力を出したり、アクションシーンの撮影で写り込んだワイヤーなどを消したりすることができます。
ゲーム業界の場合、VFXは炎や魔法、光といったエフェクトのことを指し、今画面上で何が起こっているのかをプレイヤーに認識させたり、ゲームの世界に没入させるような効果を持ちます。
CGとの違い
CGは「コンピューター上で作られた図形や画像、映像」のことを指し、VFXは「現実に対して加工を施した映像・そのための技術」のことを指します。
つまり、すべてコンピューターで作られた映像がCG、エフェクトの追加や余分な部分の削除など一部をコンピューターを用いて加工した映像がVFXという点で異なります。
しかし、最近ではCGとVFXの境界はあいまいになってきており、CGの中にVFXを含む場合が多いです。
SFXとの違い
SFXは、Special Effectsの略で特殊撮影という意味を持ちます。
VFXやCGが用いられるようになる前から使用されており、特殊メイクやワイヤーアクションといった技術や、これらを用いて制作された映像のことを指します。
「現実にはないもの(再現が難しいもの)を表現する」という点では、VFXやCGと共通しますが、映像に対して撮影した後から加工を施すのがVFX、撮影前に加工(特殊メイクなど)を施すのがSFXという点で異なります。
VFXに必要なスキル
VFXを行うためにはいくつか必要なスキルがありますが、ここでは3つご紹介します。
①CGソフトスキル、ゲームエンジンスキル
VFXを制作する際はCGソフトを使用し、例えば、Maya・3ds Max・Houdini・After Effects・Photoshopなどが多く使用されます。
▼各ツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
また、ゲーム開発においてはVFX制作だけでなく、実装などでゲームエンジンを用いるのでUnreal EngineやUnityをを使いこなせるとよいでしょう。
▼Unreal EngineとUnityに関してはこちらの記事で詳しく解説しています!
②物理に関する知識
エフェクト制作の際に、物理演算によるシミュレーションをすることがあるため、物理の知識が必要です。各ソフトには物理シミュレーション機能が備わっており、どのパラメーターが何を表現しているのかを理解するには物理の知識が欠かせません。
③デッサン力・想像力
エフェクトがまるで現実世界で起きているように錯覚させる必要があるため、ソフトを使いこなせるだけでなく、高い立体表現ができるデッサン力が必要です。
ゲームにおけるVFXは、ユーザーの面白さに直結する重要なポイントになるので、ユーザー視点で制作を行える想像力も求められます。
VFXに関連する職種
VFXは主に2D・3Dデザイナー、アニメーター、映像クリエイターが行います。
企業によっては、VFXを専門的に行うVFXアーティストという職種も存在し、ゲーム業界ではエフェクトアーティストやエフェクターとも呼ばれます。
また、ゲーム業界の場合、2D・3Dデザイナーだけでなく、エンジニアでもVFXに携わることができます。
あくまでも一例ですが、デザイナーが制作したエフェクトをゲームに実装したり、エフェクト制作するためのプログラムを組んだりします。そのため、エンジニアとしてVFXに携わりたい方は、Unreal EngineやUnityといったゲームエンジンについての理解も必須になります。
まとめ
本記事では、VFXは撮影後にコンピューターを用いて加工が施された映像や、そのための技術であることを解説してきました。
VFXを用いることで、現実では起こりえないことも表現でき、映像やゲームをより魅力的に見せることができます。
また、最近の映像やゲームではCGが多用されていることから、これからますますVFXに対する需要は増していくと考えられるため、VFXに興味を持たれた方は、ぜひご自身でもVFX制作をしてみてはいかがでしょうか。
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