Cinema4D(シネマフォーディー)はドイツに本社があるMAXON computer社が販売している統合型の3DCG制作ソフトです。統合型とは3DCG制作における一連の作業をすべて行えるもので、一部の作業に特化したものは特化型と呼ばれます。
本記事では、Cinema4Dの優れている点や、最近追加された機能などをご紹介します!
Cinema4Dとは?
Cinema4Dはプロフェッショナルな3Dモデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリングのソフトウェアソリューションであり、3Dワークフローをよりスムーズで効率的なものにする3DCG制作ソフトです。
Cinema4Dはプロにも愛用される3DCG制作ソフトです。後ほどご紹介しますが、他の3DCG制作ソフトと異なりAdobe製の各種ソフトと唯一連携しており、これらを併用することでクリエイティブの可能性はとても広がります。
Cinema4Dはここが優れている!
3DCG制作ソフトはさまざまありますが、Cinema4Dはどんな部分で優れているのか、5点ご紹介します!
1. フォトリアルが得意
Cinema4Dはフォトリアル(写真のような高精細グラフィックス)を得意としています。近年家庭用ゲーム機でも4Kモデルが販売されるなど高精細なグラフィックを求められていたり、FPSなどフォトリアルに近いゲームが人気を博していることからも、Cinema4Dを習得しておくことで、3DCGデザイナーやエフェクトデザイナーとしてのキャリアが広がるかもしれません。
2. 「MoGraph」という機能が賞を受賞
Cinema4DにはMoGraphという機能が実装されています。Cinema4D内の「エフェクタ・コレクション」を使用することで、キーフレームを作成せずとも炎や煙などすべてを無限に動かすことができます。
プロ向けのモデリング・アニメーション用のツールですが、複雑で抽象的なデザインを素早く簡単に作ることができます。
また、ゲーム業界だけでなく映像業界などのプロのグラフィックデザイナーにも愛用されており、2019年には米国映像芸術学アカデミーから「アカデミー芸術功労賞」を受賞しています。
3. Adobe製品と連携している
Cinema4DはAfterEffectsやPhotoshop、IllustratorといったAdobe製品と連携しており非常に相性が良いです。特にAfterEffectsには「CINEMA 4D Lite」という機能が追加され、Cinema4Dの機能の一部が使用できるようになりました。これにより日本での知名度やシェアが上がりました。
AfterEffectsは要所要所で効果的に使える「映像の素材作り」が得意なので、Cinema4Dで制作した映像と組み合わせることで雰囲気をガラッと変えたり、爆発などのモーションをより効果的に見せることができます。
4. 初心者でも使いやすい
ここまでのCinema4Dについての説明の中で「プロに愛用されている」と書きましたが、実はプロだけでなく、初心者にも使いやすいソフトとなっています。
MAXON社公式サイト内の「Cineversity」というページで、何千ものチュートリアルと何百ものクイックヒントが提供されていたり、定期的にウェビナーも開催されています。
また、分かりやすいインターフェースも特徴でMac製品に近い感覚で直感的に操作することができるようです。
5. 対応している動作環境が多い
Cinema4DはMac、WindowsどちらのOSでも対応しているだけでなく、英語、日本語を含む12か国語に対応しています。
最近追加された機能がすごい!
Cinema4D 2023から追加された、今までのCinema4Dをさらにパワーアップさせる5つの新機能をご紹介します!
1. パイロ
煙の密度や火の温度を設定することができ、実際に布や人体モデルを燃やさなくても燃え上がる様子をリアルに再現でき、シミュレーションはリアルタイムに確認できます。
この機能では、Cinema4Dのオブジェクトやスプライン(※1)から、煙や炎、爆発を発生させることができます。
※1 スプライン…大まかな動きからより精細な動きにしていく工程
2. OCIOカラーマネジメント
OCIOは、スタジオパイプラインに包括的なカラーマネジメントを施すことで映画のような表現を簡単に行える機能です。
この機能を使用してすべての制作工程に一貫したカラーマネジメントが施されることで、シーンや作品全体を通して統一感のある雰囲気を持たせるだけでなく、現実に近いトーンマップ(※1)が行え、より自然にレンダリング(※2)できるようになりました。
※1 範囲全体のコントラストを調整すること
※2 抽象的なデータからプログラミング言語などを用いて、画像や映像などを生成すること
3. モデリング
新しい統一シミュレーションシステムにより、CPUでもGPUでもよりリアルなシミュレーションを実現できるようになりました。
「Zリメッシャー」と呼ばれるツールを使用することで、ポリゴンと呼ばれるたくさんの三角形・四角形を組み合わせて表現されたオブジェクトを自動でリトポロジーし、ゲームや映像に適したデータに変換します。これにより作業が大幅に簡単になりました。
4. Moves by Maxon
iPhoneやiPadのアプリで顔や体の動きをキャプチャして、Cinema4Dですぐにキャラクターに適用できる機能です。
この機能があれば、大がかりな機材がなくても日常生活の中で思い立った時にモーションキャプチャーを行えアイデアを逃さず作品に反映させることができます。
5. アセットブラウザ
モデル、マテリアル、その他のアセットを簡単に探して使用できるライブラリー機能です。ライブラリーには検索機能も備わっており、キーワードを入れることで簡単にさまざまなアセットを瞬時に探すことが可能です。
利用するのにいくらかかる?
個人利用の場合、月額13,750円(税込)もしくは年額94,600円(税込)で利用できます。
学生の場合、申請により学生料金が適用されるので検討してみても良いかもしれません。
また、462,000円(税込)の買い切り版もありますが、アップデートのためには別途料金がかかるため、基本的には月額・年額でのサブスクリプションでの利用が良いでしょう。
※2023年8月時点での金額です。
※公式サイトでは想定される最も高い税率が適用されており、実際の消費税と価格はショッピングカートにいれた時点で表示されますのでご注意ください。
まとめ
本記事では、Cinema4Dについて優れているポイントや最近追加された新機能についてご紹介してきました。
日本での3DCG制作においてはまだMayaや3DsMAXといったソフトの利用率が高いですが、Cinema4Dが転職の必須条件となる企業もありますし、Adobe製品と連携している点でこれから需要が増えることも十分考えられます。ぜひ、相性の良いAfterEffectsやPhotoshop、Illustratorの操作にも慣れておきましょう。
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