ゲーム業界というと「ゲームプログラマーや3Dデザイナーなど専門的なスキルを持っていないと働けない」と思う方も多いのではないでしょうか。もちろん、ゲームを作るうえで専門的な技術は無くてはなりませんし、転職であれば実務経験を求められることがほとんどです。
しかし、技術が高ければ必ずしも採用されるわけではありません。なぜならゲーム開発は「チーム」で行うからです。チームで開発を行う以上、たくさんの人とコミュニケーションをとり連携して業務を進める必要があります。
なので、経験が浅くてもコミュニケーション能力に長けていたり、熱意があると採用される場合もあります。
本記事では、ゲーム業界ではどんな人が求められているのかをご紹介します!
ゲーム業界全体で求められる人物像
ここではゲーム業界で求められる人物像を、基本的なスキルとともに重要度の高い順で6つご紹介します。
また、本記事では求められる人物像に関わるスキルをヒューマンスキルとします。
①コミュニケーション能力、協調性
どんな仕事をするうえでもコミュニケーション能力や協調性は欠かせませんが、ゲーム業界ではコミュニケーション能力があることと協調性があることが、ヒューマンスキルの中で最も重要視されています。
ゲームの制作現場では、ゲームプロデューサーやプログラマー、プランナー、デザイナー、デバッガーなどさまざまな職種の方々がチームとなり協力して1つの作品を作り上げます。
それぞれの作業工程間でのデータの受け渡しやコンセプトの確認など、チーム内でのコミュニケーションは常に行われています。例えば、コンセプトの確認であれば「どのようなコンセプトなのか」はもちろん、「セリフの言葉選びや口調」など細かい部分をすり合わせます。チームで情報をきちんと共有できるように分かりやすい言葉を使用したり、相手の意図を汲み取るようなコミュニケーションが求められるでしょう。
また、制作現場は常に納期に追われています。企画からリリースまでスムーズに進めるためにもチーム全体で進捗を共有して不足を補いあったり、よりよいアイディアを出し合うために、ひとりひとりが積極的にコミュニケーションをとり、手を取り合うことが重要です。
②情熱
ここでの情熱とは、ゲーム開発(=ものづくり)を楽しみながら取り組むことができる力のことを言います。
例えば、デザイナーであれば「どのようなユーザーにも分かりやすいUIデザインをしたい」、プランナーであれば「誰よりも面白いゲームを作りたい」といった熱意が重要です。
もちろん「自分の好きなゲームを作っている会社に入りたい」「大ヒットタイトルの制作に携わりたい」という情熱もとても大切です。しかし、必ずしも自分の望み通りになるとは限らないので、どのような状況でも、「自分の持っているスキルを活かしてゲーム開発の現場で仕事をしたい」とものづくりに対して情熱を持って取り組む姿勢が大切です。
20代などの若手であれば、採用後に育てることを前提として、実務経験や専門的なスキルが少し足りなくてもこうした情熱で評価されることもあります。
そして、ゲーム業界に入りたいという方はゲームやアニメなどのエンタメが好きな方が多いのではないでしょうか。クリエイティブ職であれば、さまざまなゲームをプレイしたりアニメを見ることは、新しいアイディアの基になるかもしれません。
バックオフィスであっても、ゲーム業界は専門用語や専門知識が多いため、クリエイターと円滑なコミュニケーションをとるためにもゲームやアニメなどの知識を蓄えておいて損はありません。
なによりも「ゲームが好き」「エンタメを盛り上げたい」という情熱があるからこそ、忙しい業務も楽しんでこなせるのかもしれませんね!
③前向きな性格、積極性
ゲーム制作では開発段階において、さまざまなものが何度も修正を重ねて完成に向かっていくので、イレギュラーな不具合が起こることも頻繁にあります。したがって、そのたびに課題に取り組む前向きな性格が求められます。
また、ゲーム産業は技術の進歩がとても速く、常に新しい技術を学ぶ必要があります。特にプログラマーやデザイナーに当てはまりますが、現状に満足せずに最先端の技術や周りの意見を取り入れ成長する積極性も重要です。
④論理的思考力、客観・分析的な思考
論理的な思考とは、筋道を立てて物事を考えることです。ゲームの開発工程は実に多く、企画からリリースまでには長い時間がかかります。そのため、どのような業務をどのような手順で行うと効率が良いか、正確に行えるかを考えなければなりません。
また、ゲームはプレイするユーザーがいて初めて成り立ちます。そのため、開発側は自分たちが面白いと思うものを作るのはもちろんですが「ユーザー目線」の客観的な面白さを追及する必要があります。
⑤誠実さ、礼儀
挨拶はもちろん、上司やチームのメンバーにきちんと報連相(報告、連絡、相談)をすることも含まれます。また、ゲーム開発は共同作業になるので、チーム全体が快適に作業できるよう、ひとりひとりが誠実に業務に取り組むことが大切です。
⑥発想力
主にクリエイティブ職の人に向けたポイントになりますが、他の人とは異なる視点から新しいものを作ったり、既存のものに手を加えたりします。ちょっとした発想がきっかけで大きな課題が解決することもあります。
また、バックオフィス(事務職など)の人でも、業務を的確かつ効率的に進めるためのアイディアの発想が重要です。
プラスαで求められるヒューマンスキル
ここまで、ゲーム業界で働く上でどの職種でも共通して求められる基本的なヒューマンスキルについてご紹介してきました。
ここからは、上の6つに加えてゲーム業界で歓迎されるヒューマンスキルを「特にどの職種で重要視されるか」と合わせてご紹介します。
①タスク・スケジュール管理能力
特に重要視される職種:ゲームプロデューサー、ゲームディレクター、そのほかリーダーやマネージャーなどの管理職
タスクやスケジュール管理能力は、ゲーム制作における全体の統括を行うゲームプロデューサーや、クオリティに関わる部分の統括を行うゲームディレクターなどの管理職で特に重要です。企画からリリースまでの作業工程のスケジュールの計画・進捗管理に加え広報や営業活動など、こなさなければならない業務は多岐に渡ります。
自身が納期を意識することはもちろん、部下やチームメンバーに納期を守らせることも大切です。
②細かい作業が得意、正確に行える
特に重要視される職種:デバッガー、バックオフィス(事務職)
デバッガーとは、ゲームプレイ中に不具合(バグ)が起こらないかどうかをテストしたり、バグの原因を突き止めて修正依頼をしたりする職種です。このバグを検証するためのテストは非常に量が多く、また何度も同じ作業の繰り返しになるため、非常に根気のいる作業です。細かい作業ですが「ユーザーが快適に遊べる」ように責任感を持って取り組むことが重要です。
また、バックオフィスの特に事務職でもこのスキルは役に立ちます。社員に関わる書類の作成やデータ管理などが多く仕事がルーティンになりがちですが、だからこそ適当に済ませず正確に業務をこなす必要があります。
③ホスピタリティが高い
特に重要視される職種:各職種のアシスタント、カスタマーサポート、サポートデスク
ゲームプロデューサーやゲームディレクターなどをはじめとした職種には「アシスタント」というポジションが存在します。例えば、アシスタントディレクターはディレクターと各ゲームクリエイターの間に入ってディレクターの意向を伝えたり、時には自分でクリエイターの仕事をフォローします。
また、カスタマーサポートやサポートデスクは、ユーザーや社員の声を直に受け取り、問題を解決するために対応します。そのため、相手に寄り添った適切な言葉遣いや、相手の言いたいことを汲み取れるホスピタリティが必要になります。
相手の言いたいことを汲み取ることはもちろんですが、何よりも「人を支えたい、サポートしたい」という気持ちが大切です。
まとめ
本記事では、ゲーム業界で働くにあたって求められるヒューマンスキル(人物像)についてご紹介しました。「ゲーム業界ならでは」というよりは、どのような仕事にも共通するものだったと思います。
論理的思考や発想力はすぐに身につくものではありませんが、何かを考える際に原因と結果を必ず考えてみたり、街中の広告のデザインやキャッチコピーに少し注目してみるだけでも鍛えることができます。
ぜひ本記事でご紹介したことを参考に、ゲーム業界にチャレンジしてみてください!
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