3Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点

3Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点

LEARNING 2023.8.25

こんにちは。QOGL+編集部のレオです。
QOGL+では以前、「2Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点」という記事を掲載しました。

今回は3Dデザイナー編です。
2Dデザイナー同様、3Dデザイナーもご自身のスキルの裏付けとしてポートフォリオの準備が必要です。なぜポートフォリオが必要なのか、基本的な構成は前述の記事にて解説しております。職種関係なく、全体の基本構成は下記のように共通です。

【ポートフォリオ基本構成】

  • 表紙
  • 目次
  • 自己紹介
  • 制作作品詳細

詳細は前回の記事を是非ご一読ください!

モデリングやモーション、エフェクトなど様々な形式の制作物がある3Dデザイナー。
よりご自身のスキルが伝わるよう、どのような点を意識してポートフォリオを作成すれば良いのかを解説していきます。

3Dデザイナーのポートフォリオ作成時のポイント

制作過程を明確に記載する

3Dデザイナーのポートフォリオで一番大切なポイントはズバリ、制作過程を明確に記載することです。
1つ1つの作品を作るまでに数多くの過程を踏む3Dデザインは、完成物のみを列挙してもスキルがなかなか伝わりづらいです。3Dに起こす前の元イメージ、そこからの過程を順を追って記載するようにしましょう。
ゲーム内に実装し動かすことが前提になる3Dデザインは見た目だけではなく、データ量やどのような角度から見ても違和感のないことなど、多様な評価ポイントがあります。
3Dデザイナーとして、元イメージをどのようなプロセスで立体的にし、どのように表現するかは腕の見せ所になりますので、その思考のプロセスが伝わるように制作過程を記載するようにしましょう。

必要な要素と目的

それでは具体的にどのような要素をどのように掲載すればよいのでしょうか。
制作物の形式は様々ありますが、全てに共通するポイントをご紹介していきます。

基本情報

制作物の画像を載せる際に必要な基本情報は下記です。

  • 使用ツール
  • 制作時間
  • ポリゴン数
  • 原画/指示書
  • 担当箇所
  • こだわりポイント

使用ツールMayaBlenderZBlushなどの制作ツールのほかに、レンダリングに使用したツールなど、完成物にするまでに使用したツールを全て記載しましょう。

制作時間:どの工程にどの程度の時間を要したのかを記載します。実際にゲーム会社で就業するとなると納期が必ずあるので制作スピードは大切です。

ポリゴン数:ポリゴン数は見た目の滑らかさだけではなく、データの重さにも関わってきますよね。ゲーム制作においてはデータ量は操作性に直結してきます。制限されたポリゴン数でどの程度の作品が制作できるのかが重要ですので、必ず記載しましょう。

原画/指示書:モデリングにしても、エフェクトにしても、元のイメージや指示書は必ず存在しますよね。何を元にしたのか、どの程度の指示内容から制作したのかが分かるように元となったものを記載しましょう。

担当箇所:モーションやエフェクトなど動きのある制作物は、完成動画をキャプチャして掲載することも多いのではないでしょうか。その場合、どこを担当したのかが分かりづらいので別途テキストで説明するようにしましょう。

こだわりポイント:制作するにあたって、工夫した点やこだわった点をテキストで簡潔に記載しましょう。

制作過程

続いて、前述した制作過程についてです。

先ほど、元イメージから完成物を制作したプロセスを順を追って掲載することが大切だと説明しました。制作物の形式ごとに例を挙げましたので下記を参考にして情報を入れ込んでみてください。

【3Dモデリング】

  • 1. 完成物
  • 2. ポリゴンモデル
  • 3. スキニングの平面データ
  • 4. 元イメージである2Dイラスト

【3Dモーション】

  • 1. 完成物のデモリール
  • 2. リギングモデル
  • 3. ジョイント配置やウェイト調整
  • 4. 元のポリゴンモデル

【3Dエフェクト(※パーティクルエフェクト)】

  • 1. デモリール
  • 2. パーティクルの配置画面
  • 3. エフェクトのコンセプト

モーションやエフェクトの場合は、制作過程や解説コメントまで一つの動画内でまとめる形式もよく目にします。どのような思考で制作したのかがしっかり伝わるよう工夫してまとめましょう。

※3Dモデリングの場合の構成案事例

デッサン

最後に、意外と重要なデッサンについてです。
デッサンは基礎画力はもちろん、立体把握力や空間認識力を判断する材料になります。必ず掲載しなければならないという決まりはありませんが、掲載したほうがスキルの証明になります。クロッキーなどを掲載するのも良いですね。

作品数の目安

ポートフォリオは「」が大切です。作品数としては5~10作品程度あると良いかと思います。ただし、3Dデザインは制作に時間がかかることが多いので、掲載出来るものが少ないからといって、短時間で制作したものを追加する必要はありません。ポートフォリオ全体の質を大切にし、掲載したい高品質な作品をなるべく掲載するようにしましょう。

注意点

ポートフォリオに実務で制作した作品を掲載する際は注意が必要です。
リリース前のタイトルプロジェクトでの作品は守秘義務に触れてしまいますので特に注意が必要です。
仮に世に出ているタイトルであっても、版元や制作会社の都合により、ポートフォリオへの掲載が禁止されている場合もあります。
実務で制作した作品は、ポートフォリオへの掲載可否を確認いただくほうがよいでしょう。

また、ポートフォリオの形式は特に縛りはありません。
PDFファイルで制作する方が多いですが、ポートフォリオサイトとしてWebサイト形式でまとめたものも良く目にします。読み手の気持ちを考え、自分がアピールしたいことを上手く表現できる形式でまとめましょう。

さいごに

今回は3Dデザイナーのポートフォリオについて解説しました。
ポートフォリオの作成は時間を要しますが、ご自身のスキルの裏付け資料として非常に重要なものです。今までの制作物を振り返り、しっかりと読み手にアピールできるよう丁寧にポートフォリオを作成しましょう。

弊社でも面接時にポートフォリオのご提出をお願いすることがございます。様々な方のポートフォリオを見ているからこそアドバイスできることもございますので、お気軽にご応募ください。みなさんが思い描くキャリアを実現できるよう、弊社一同サポートさせていただきます。


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