2Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点

2Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点

LEARNING 2023.4.21

こんにちは。QOGL+編集部のぶなしめじです。

2Dデザイナーが転職する時に必要となるポートフォリオですが、コンフィデンスでも選考前にご提出をお願いしております。
私ぶなしめじは、採用担当としてクリエイターの皆さまのポートフォリオを拝見できるのをとても楽しみにしています。しかし、一方でもっとスキルをアピールできるポートフォリオにできそうだな!と感じることもあります。

そこで今回は、2Dデザイナーの転職にポートフォリオが必要となる理由から記載すべき項目まで、採用担当の目線で作成のポイントをお伝えいたします。
当社への応募をご検討されている方はもちろん、ゲーム業界でご就業中の方もぜひご確認いただき、今後の転職活動の際の参考にしていただけたら幸いです。

ポートフォリオはなぜ必要?

そもそもなぜ、2Dデザイナーが転職する際にポートフォリオが必要なのかというと、デザイナーが持つスキルは、履歴書や職務経歴書のような文字情報だけでは伝えにくい部分があるからです。
2Dデザイナーの技術的なスキルを補完するための資料として、当社以外でもポートフォリオのご提出を求められることは多いかと思います。

そのため、ポートフォリオ=「自身のこれまでのスキルや実績をアピールするための作品集」と思っていただいて問題ございません。
とはいえ、履歴書や職務経歴書と違って決まった型がなく、いざ作成するとなるとなかなかに難しい……といったお話を伺うこともあります。

そこで、自身のスキルやこれまでの実績をよりアピールできるポートフォリオの作り方と、採用担当者はポートフォリオからどんな情報を読み解いているのかをお伝えします。

ポートフォリオの作り方に決まりはない

ポートフォリオの作り方に明確な決まりや正解はありません。
しかし、ポートフォリオ=これまでのスキルや実績をアピールするための作品集ですので、見る人のことを意識し、自身のスキルを効果的に魅せるポートフォリオ作りが求められます。

ポートフォリオには、これまで制作した作品の中で、自信のあるものをピックアップして並べていきましょう。その際、できるだけ実務で制作したものや、個人制作の場合はしっかり描き込んだ・作り込んだ作品を選ぶのが理想です。

ここからは、今までたくさんの方のポートフォリオを拝見させていただいた私ぶなしめじが思う、見やすく・実績がわかりやすいポートフォリオの作り方をご紹介します。

作成によく使われるソフトやデザインは?

ポートフォリオを作成するのに使用するソフトに決まりはありませんが、よく使われているソフトはAdobe Illustratorで、これまで作成した作品をPDF形式などでまとめている方が多い印象です。

ポートフォリオには決まったデザインやフォーマットもありませんが、ポートフォリオ全体のデザインにこだわっている方は多くいらっしゃいます。
実際に私が今まで拝見してきたポートフォリオの中には、中華系のデザインがお得意・お好きな方だったのか、文字のフォントや外枠を中華系な雰囲気にされている方がいらっしゃいました。

個性が伝わると印象にも残りやすいので、ポートフォリオはご自身の得意なデザインに寄せて、全体の見やすさのバランスも意識して作ることをおすすめします!

ポートフォリオの基本的な構成例(キャラクターデザイナー経験者の場合)

今回は、キャラクターデザインの経験をお持ちの方を例にしたポートフォリオの構成内容をご紹介します。これまで携わってきたデザインによって内容が変わる部分もありますが、ポートフォリオの作成時の参考にしてみてください。

表紙・目次

まず誰のポートフォリオなのかを伝えるために表紙を作成しましょう。
そして、ポートフォリオに掲載している作品はどんなものがあるのか、どのあたりにどの作品が記載されているのかを伝えるために、目次を作成しましょう。
「自己紹介」については、目次のページにまとめて記載いただいても、目次とは別ページに作成しても、大丈夫です。

【例】自己紹介
・名前
・経歴、趣味などの自身の簡単な紹介
・使用可能なツール
【例】ポートフォリオの目次
キャラクターデザイン
・キャラクターデザイン(実務作品)
・立ち絵(三面図あり)
・立ち絵(三面図なし)イラスト
イラスト
・スチルイラスト
・デフォルメキャラクターイラスト
・アイテムアイコンイラスト
・UI、ロゴ
・二次創作作品
・絵柄寄せ作品
その他
・人物や物のデッサン
・専門学校卒業制作作品

実務で制作した作品

目次を作成したら、まずは実務で制作した作品から掲載していきましょう。
デザイナーの採用を検討している企業は、これまでの実績を重視する傾向がありますし、多くの作品を見てきた採用担当者は、ポートフォリオの最初の作品でデザイナーの大体のイメージを掴むといいます。
また、作品をただ掲載するだけでなく、作品に関わる情報を共に掲載する必要がありますので、以下を参考にして情報を入れ込んでみてください。

【例】作品と共に必要な情報
・ゲームタイトル名
・キャラクター名
・作品ごとの説明文(なぜこのようなデザインにしたのかなど)
・制作所要時間(できたらラフ~完成までの工程ごとの時間を書きましょう)
・使用ソフト
・校正の為に赤入れしたデータ

企業ごとに、デザインチームの人員と制作に求めるスピードとクオリティは異なります。
企業担当者は、デザイナーのデザインを制作時間とクオリティのバランスを知りたい為、完成品だけではなく、途中経過までの制作時間や、工程ごとの作品を掲載しましょう。
現場が求めるデザイナー像にマッチしているかどうか、一緒に働くイメージを持てるかどうか、より具体的にイメージしてもらいやすくなりますよ。

個人作品

次に実務以外で制作した作品を掲載していきましょう。
ここでは画力が伝わるような作品をメインにいれていくことをおすすめします。

個人作品でも、使用したツールや制作時間を表記しましょう。
また、ゲーム業界ではデジタルイラストでの制作が主になりますので、なるべくデジタルイラストを掲載するようにしましょう。

【例】掲載をおすすめする作品
・人物や物のデッサン
・専門学校で作成した作品
・二次創作作品
・絵柄寄せ作品
・UI、ロゴ、スタンプなど

ポートフォリオの構成要素と必要な理由

意外と忘れがち!制作日時・所要時間

必ず記載していただきたいのが「制作日時・所要時間」です。いつ頃・どのくらいの時間をかけて作られた作品なのかは、スキルを確認するにあたって重要な指標の1つとなるためです。作品のクオリティをはじめ、日頃の制作量などを読み解くことが可能なので、熱意や向上心を量るポイントとしています。

しかし、制作日時や所要時間は、制作中は意識しにくく、いざポートフォリオとしてまとめようとする時には覚えていなかったりすることも多いのではないでしょうか。

この項目に限った話ではありませんが、しばらく作品を溜めておいて、ポートフォリオとして一度にまとめようとすると忘れてしまったり、量が多くて作成自体に時間がかかってしまうこともありますので、ポートフォリオはこまめにアップデートすることをオススメします。

作成に使用したツール

どのイラストツールを使用したのかも記載しておきましょう。このツールを使っていないとNG、ということはありませんが、ゲーム会社によっては導入されているイラストツールがある程度決まっている企業もあるからです。

使用できるツールは全て書いてくださると、よりご自身のアピールに繋がります。
ちなみに、ゲーム業界ではAdobe PhotoshopAdobe IllustratorCLIP STUDIO PAINTがよく使われているイラストツールです。2Dデザインツール系だと、他にもLive2DSpineは業務で触っている方もいらっしゃるのはないでしょうか。

弊社では動画形式のポートフォリオも受け付けております。このようなアニメーションツールは触れたことがあるだけでも、幅広い対応力が発揮できるイメージを与えるので、企業へのアピールに繋がりますよ!

作品の制作意図・制作担当箇所

作品の制作意図や、自身が担当した箇所についても記載しましょう。ゲームの制作は1人で行うものではなく、分業化されていることが大半です。

ゲーム業界で働く2Dデザイナーが一人でラフの作成からイラスト仕上げまで担当することは少なく、ラフ~線画までの担当、着彩~仕上げまでの担当、など業務が分かれていることはよくあるかと思います。
そのため、メンバーと分担して作成した作品については、自身がどの部分を担当したのかを記載すると、より正確に自身のスキル・強みをアピールが可能です。担当箇所のビフォーアフターがあると分かりやすいですが、難しい場合はテキストだけでも記載するようにしましょう。

データ形式について

弊社ではできる限りPDF式でのご提出をお願いしていますが、あくまで推奨ですので、使い慣れたツールや形式を使っていただいても問題ございません。ぜひご提出いただけますと幸いです。

クオリティアップ◎おすすめの追加要素

ここまでお伝えした内容を入れ込んでいただけましたら、基本的な部分は網羅できていますが、下記項目も記載することでよりポートフォリオの完成度が上がります。

絵柄寄せ・二次創作作品

弊社では、ポートフォリオに絵柄寄せ・二次創作作品を入れていただくことをオススメ、お願いしております!
なぜかというと、新規ゲームタイトル案件においては0からデザインをしていくこともありますが、昨今はIPタイトルを使用したゲーム案件も非常に多く、絵柄寄せのスキルが重要視されるからです。

既にあるIP作品に絵柄を寄せて描くことができるスキルをお持ちの方には、活躍できる選択肢も広がります。既存IPに似せて描くことは、流行の絵柄やデザインをの傾向を掴むことができますので、ぜひチャレンジしていただき、ポートフォリオに追加してください。

当社では大歓迎の絵柄寄せ・二次創作作品ですが、企業によっては絵柄寄せ・二次創作作品のデータの提出を禁止していることもありますので、ポートフォリオを送る前には各企業ごとに確認が必要です。
あくまで他の方が著作権を有するものですので、自身の描いた作品であると詐称する・分かりにくい記載の仕方をすることのないよう、記載への注意は必要です。

三面図

三面図とは、下の図のように3方向からみたデザインがわかるデータです。
特にキャラクターデザインやモデリングの際に使用され、単にキャラクターのデザイン資料として使うことも多いですが、モデリングの資料として三面図を使うことも多くなっています。

昨今、3DCGを使用したゲーム開発は多く、三面図を描くことができるというスキルは重要視されていますので、ポートフォリオへの追加をおすすめしております。

 

ポートフォリオ作成時の注意点

ポートフォリオには、できるだけ多くの作品を掲載していただくように面接時にお伝えしていますが、「業務上で制作されたもの」にはご注意ください。

例えば、ゲームリリース前のタイトルプロジェクトで制作された守秘義務のあるデザインデータやその他資料を、ポートフォリオへ掲載することはご法度です…
仮に世に出ている作品であっても、版元や制作会社の都合によりポートフォリオへの掲載が禁止されている場合もあります。

業務で制作した作品は、ポートフォリオへ掲載しても良いか確認していただくのがベターです。在職中の方は、退職時に制作した作品の掲載についてご確認いただくと、ポートフォリオがスムーズに作成できますよ。

まとめ

今回は主に2Dデザイナーの方に向けて、ポートフォリオ作成の注意点をお伝えしましたが、他職種の方にもポートフォリオのご提出をお願いすることもございます。
例えばプランナー職の方には、プライベートで制作された企画書をご提出いただく場合もありますし、シナリオライター職の方であれば担当したゲームのシナリオをご提出いただく場合もございます。

もし他職種の方でも、アピールできる資料をお持ちの場合にはぜひご提出をお待ちしております!
ご提出すべきか迷われた際には、お気軽にお問い合わせくださいね。

ポートフォリオの作り方をまとめたWEBサイトが多数ありますので、何を参考にすべきか迷うこともあるかと思いますが、当社においては上記のポイントを重視していますので、ぜひ今回の記事を参考にしてポートフォリオをつくってみてください!
採用担当として、皆さまのポートフォリオを拝見できることを楽しみにお待ちしております!


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