ゲーム業界2Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点

ゲーム業界2Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点

LEARNING 2023.4.21

※株式会社コンフィデンスは2023年8月1日に「株式会社コンフィデンス・インターワークス」に社名を変更いたしました。

<2024年9月20日更新>

こんにちは。QOGL+のぶなしめじです。

2Dデザイナーの方が転職される際に必要なポートフォリオですが、コンフィデンス・インターワークスでも面接前にご提出をお願いしております。

本日はポートフォリオの作り方から、そもそもなぜ必要なのか?というところまで、採用担当として日々クリエイターの皆さまのポートフォリオを拝見している私ぶなしめじからお伝えいたします。

当社への応募をご検討されている方はもちろん、ゲーム業界でご就業中の方もぜひご確認いただき、今後の転職活動の際の参考にしていただけたら幸いです。

ポートフォリオの作り方、見やすい構成とは?

どんな作品が必要?基本的な構成の例をご紹介

今回は、キャラクターデザインの経験をお持ちの方を例にしたポートフォリオの構成内容をご紹介します。これまで携わってきたデザインによって内容が変わる部分もありますが、ポートフォリオの作成時の参考にしてみてください。

<基本的な構成>
①表紙・目次
②実務で制作した作品
③自主制作作品

①表紙・目次

まず誰のポートフォリオなのかを伝えるために表紙を作成しましょう。

そして、ポートフォリオに掲載している作品はどんなものがあるのか、どのあたりにどの作品が記載されているのかを伝えるために、目次を作成しましょう。

「自己紹介」については、目次のページにまとめて記載いただいても、目次とは別ページに作成しても、大丈夫です。

▲目次例
○ 自己紹介
・名前
・経歴、趣味などの自身の簡単な紹介
・使用可能なツール

○ 作品目次
<キャラクターデザイン>
・キャラクターデザイン(実務作品)
・立ち絵(三面図あり)
・立ち絵(三面図なし)
<イラスト>
・スチルイラスト
・デフォルメキャラクターイラスト
・アイテムアイコンイラスト
・UI、ロゴ
・二次創作作品
・絵柄寄せ作品
<その他>
・人物や物のデッサン
・専門学校卒業制作作品

 

②実務で制作した作品

目次を作成したら、まずは実務で制作した作品から掲載していきましょう。

デザイナーの採用を検討している企業は、これまでの実績を重視する傾向がありますし、多くの作品を見てきた採用担当者は、ポートフォリオの最初の作品でデザイナーの大体のイメージを掴むといいます。

また、作品をただ掲載するだけでなく、作品に関わる情報を共に掲載する必要がありますので、以下を参考にして情報を入れ込んでみてください。

▲作品と共に必要な情報
・ゲームタイトル名
・キャラクター名
・作品ごとの説明文(なぜこのようなデザインにしたのかなど)
・制作所要時間(できたらラフ~完成までの工程ごとの時間を書きましょう)
・使用ソフト
・校正の為に赤入れしたデータ(可能であれば)

企業ごとに、デザインチームの人員と制作に求めるスピードとクオリティは異なります。

企業担当者は、デザイナーのデザインを制作時間とクオリティのバランスを知りたい為、完成品だけではなく、途中経過までの制作時間や、工程ごとの作品を掲載しましょう。

現場が求めるデザイナー像にマッチしているかどうか、一緒に働くイメージを持てるかどうか、より具体的にイメージしてもらいやすくなりますよ。

 

③自主制作作品

次に実務以外で制作した作品を掲載していきましょう。ここでは画力が伝わる作品をメインに、自身がアピールしたい領域やテイストの作品を入れると良いと思います。

ゲーム業界ではデジタルイラストでの制作が主になりますので、なるべくデジタルイラストを掲載するようにしましょう。

▼掲載をおすすめする作品例
・人物や物のデッサン
・専門学校で作成した作品
・二次創作作品
・絵柄寄せ作品
・UI、ロゴ、スタンプなど

なお、個人作品でも実務作品と同じく「使用ツール」「制作時間」など書ける範囲での周辺情報や制作意図などもあると良いです。

 

各作品に記載するべき情報は?

①制作日時・制作時間

必ず記載していただきたいのが「制作日時・制作時間」です。

いつ頃・どのくらいの時間をかけて作られた作品なのかは、スキルを確認するにあたって重要な指標の1つとなるためです。クオリティをはじめ、日頃の制作量などを読み解くことが可能なので、その点も熱意や向上心を量るポイントとなります。

!POINT!

制作日時や制作の所要時間は、制作中は意識しにくく、いざポートフォリオとしてまとめようとする時には覚えていなかったりすることも多いです。

この項目に限った話ではありませんが、しばらく作品を溜めておいて、ポートフォリオとして一度にまとめようとすると忘れてしまったり、量が多くて作成自体に時間がかかってしまうこともありますので、ポートフォリオはこまめにアップデートすることをオススメします。

 

②作成に使用したツール

どのイラストツールを使用したのかも記載しておきましょう。

このツールを使っていないとNG、ということはありませんが、ゲーム会社によっては導入されているイラストツールがある程度決まっている企業もあるからです。使用できるツールについては全て書いていただけると、よりご自身の強みのアピールに繋がります。

<ゲーム業界でよく使われるツール>
・Adobe Photoshop
・Adobe Illustrator
・CLIP STUDIO PAINT
・Live2D
・Spine

当社では動画形式のポートフォリオも受け付けております。このようなアニメーションツールは触れたことがあるだけでも、幅広い対応力が発揮できるイメージを与えるので、ご自身のスキルのアピールに繋がりますよ!

 

③作品の制作意図・制作担当箇所

作品の制作意図や、自身が担当した箇所についても記載しましょう。

ゲーム制作は1人で行うものではなく、分業化されていることが大半です。ゲーム開発においては、2Dデザイナーが一人でラフの作成からイラスト仕上げまで担当することは少なく、ラフ〜線画までの担当、着彩〜仕上げまでの担当、など業務が分かれていることがあります。

そのため、自身がどの部分を担当したのかの記載があると、より正確に自身のスキル・強みをアピールできます。担当した箇所のビフォーアフターがあると分かりやすいですが、難しい場合はテキストだけでも記載するようにしましょう。

 

クオリティアップ◎おすすめの追加要素

ここまでお伝えした内容を入れ込んでいただけましたら基本的な部分は網羅していますが、下記項目も記載することでよりポートフォリオの完成度が上がります。

今までの項目は知っていた!という方も、ぜひご確認くださいね。

 

絵柄寄せ・二次創作作品

当社では、ポートフォリオに絵柄寄せ・二次創作作品を入れていただくことをオススメ・お願いしております!

なぜかというと、新規開発案件においては0からデザインをしていくこともありますが、昨今はIPタイトルを使用した案件も非常に多く、その場合は絵柄寄せのスキルが重要視されるからです。

既にあるIP作品に絵柄を寄せて描くことができるスキルをお持ちの方は、活躍できる選択肢も広がります。既存IPの真似をして描くことは流行の絵柄やデザインを吸収することができてスキルアップにも有用ですので、ぜひチャレンジしていただき、ポートフォリオに追加してください。

※ATTENTION※

当社では大歓迎の絵柄寄せ・二次創作作品ですが、企業によっては絵柄寄せ・二次創作作品のデータの提出を禁止していることもありますので、ポートフォリオを送る前には企業ごとに確認が必要です。

あくまで他の方が著作権を有するものですので、自身の描いた作品であると詐称する・分かりにくい記載の仕方をすることのないよう、記載への注意は必要です。

 

三面図

三面図とは、図のように3方向からみたデザインがわかるデータです。

特にキャラクターデザインやモデリングの際に使用され、単にキャラクターのデザイン資料として使うことも多いですが、モデリングの資料として三面図を使うことも多くなっています。

昨今、3DCGを使用したゲームが多く制作されていますので、三面図を描くことができるというスキルは重要視されています。

 

そもそもポートフォリオはなぜ必要?

そもそもなぜ、2Dデザイナーが転職する際にポートフォリオが必要なのかというと、デザイナーが持つ技術的なスキルは、履歴書や職務経歴書のような文字情報だけでは伝えにくい部分があるからです。

そこを補完するための資料として、当社以外でもポートフォリオのご提出を求められることは多いかと思います。そのため、ポートフォリオ=「自身のこれまでのスキルや実績をアピールするための作品集」と思っていただいて問題ございません。

とはいえ、履歴書や職務経歴書と違って決まった型がなく、いざ作成するとなるとなかなかに難しい……といったお話を伺うこともあります。ポートフォリオの作り方に明確な決まりや正解はありませんが、見る人のことを意識し、自身のスキルを効果的に魅せるポートフォリオ作りが求められます。

ポートフォリオには、これまで制作した作品の中で、自信のあるものをピックアップして並べていきましょう。その際、できるだけ実務で制作したものや、個人制作の場合はしっかり描き込んだ・作り込んだ作品を選ぶのが理想です。

 

ポートフォリオ作成によく使われるソフトやデザインは?

使用するソフトに決まりはありませんがAdobe Illustratorを使っている方が多く、Adobe PhotoshopAdobe IllustratorCLIP STUDIO PAINTなどで描いたイラストを、PDF形式でまとめているケースが多い印象です。当社ではできる限りPDF式でのご提出をお願いしていますが、使い慣れたツールや形式を使っていただいても問題ございません。

最近ではWEB上のポートフォリオサービスを利用していらっしゃる方や、ご自身のポートフォリオサイトのURLでご連携いただく方もいらっしゃいます。

また、ポートフォリオには決まったデザインやフォーマットなどもございません。ただ、ポートフォリオ全体のデザインにこだわっている方は多くいらっしゃいます。実際に私が今まで拝見してきたポートフォリオの中には、中華系のデザインがお得意・お好きな方だったのか、文字のフォントや外枠を中華系な雰囲気にされている方がいらっしゃいました。

個性が伝わると印象にも残りやすいので、ポートフォリオはご自身の得意なデザインに寄せて、全体の見やすさのバランスも意識して作ることをおすすめします!

 

ポートフォリオ作成時の注意点

ポートフォリオには、できるだけ多くの作品を掲載していただくように面接時にお伝えしていますが、もちろん掲載に注意するべきものもあります。

特に「業務上で制作されたもの」にはご注意ください。例えば、ゲームリリース前のタイトルにおいて制作されたデザインやシナリオ、その他資料については、世間に出回っていない守秘義務のあるものですので、ポートフォリオへの掲載はご法度です…!

また、仮に世に出ている作品であってもポートフォリオへの掲載は版元や制作会社の都合により禁止されている場合もあります。業務で制作した作品は、ポートフォリオへ掲載しても良いか確認していただくのがベターです。

在職中の方は、退職時に制作した作品の掲載についてご確認いただくと、ポートフォリオがスムーズに作成できますよ。

 

まとめ

今回は2Dデザイナーの方に向けてポートフォリオ作成の注意点をお伝えしましたが、他職種の選考の場合にもポートフォリオのご提出をお願いすることがございます。

例えばプランナー職の方であればプライベートで制作された企画書をご提出いただく場合もありますし、シナリオライター職の方であれば担当したゲームのシナリオをご提出いただいております。

もし他職種の方でも、アピールできる資料をお持ちの場合にはぜひご提出をお待ちしております!

ご提出に迷われた際には面接時に面接担当まで提出して問題ないかご質問いただいても問題ございませんので、お気軽にお問い合わせくださいね。

ネット上にはポートフォリオの作り方をまとめたWEBサイトが多数ありますので、何を参考にすべきか迷うこともあるかと思いますが、当社においては上記のポイントを拝見させていただくことが多いため、ぜひ今回の記事を参考にしてポートフォリオをつくってみてください!

採用担当として皆さまのポートフォリオを拝見できることを楽しみにお待ちしております!

RECOMMEND