
eスポーツは1980年代から競技大会が開かれ、2000年代に入りコンピューターの普及とともに成長してきました。日本でも2018年に「日本eスポーツ連合」が設立され、ゲームの種類ごとのプロライセンスを発行しています。eスポーツの競技大会の運営には多数の関連企業が関わっています。
本記事では、国内にどんなeスポーツ関連企業があるのか、eスポーツ企業に入るのに必須のスキルなどに関してご紹介していきます。
そもそもeスポーツってなに?
eスポーツとは、コンピューターゲームやビデオゲームを用いた対戦をスポーツ競技ととらえる場合の呼び方です。国内外で多数の大会が開かれており、公式にプロライセンスを取得するとプロゲーマーとなります。
国内では法律の関係で大会の賞金なども規制がありますが、海外では優勝賞金が億を超えるなどプレイヤー視点でも夢のある仕事です。
eスポーツ企業ってどんな会社?
eスポーツ企業といっても、行っている事業内容などによって大きく5つに分類できます。ここでは、それぞれがeスポーツにおいてどんな役割を担っていて、どのような企業があるのかをご紹介します。
協会・団体
eスポーツの普及や認知獲得のための活動を始めとして、プロライセンスを発行したりリアルスポーツとの架け橋の役割を担っています。
会社名 | 内容 |
日本eスポーツ連合(JeSU) | プロライセンスの発行、競技大会の普及や認定、eスポーツ選手の育成支援を行っている |
日本野球機構(NPB) | 家庭用ゲームソフトで12球団対抗eゲームに協力 |
Jリーグ | 「eFootball」で国際大会を開催 |
大会運営・配信
大企業ならではの資金力やノウハウを活かして、競技大会の運営や配信を行っています。
会社名 | 内容 |
NTTドコモ | eスポーツで2つの新リーグを開設、RiotGamesとパートナーシップを結んでいる |
テレビ朝日ホールディングス | 国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」に参画 |
エイベックス・エンタテイメント | 国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」を共同運営 |
サプライヤー・スポンサー
さまざまなPCメーカーやIT企業がサプライヤーやスポンサーとなり、ゲーミングPCの販売や大会運営のサポート・協賛を行っています。
会社名 | 内容 |
KDDI | 日本eスポーツ連合のオフィシャルスポンサー |
NTT東日本 | ICTを活かした設備構築・運用、サポートなどを実施 |
各PCメーカー | ゲーミングPCの販売 ・日本HP「OMEN」 ・デル・テクノロジーズ「ALIENWARE」 ・マウスコンピューター「G-Tune」 ・レノボ・ジャパン「LEGION」 ・サードウェーブ「ドスパラ」(PCショップ)の展開 |
ゲーミングPCの販売以外にも、レノボ・ジャパンは企業対抗戦の主催を、サードウェーブは国内大会の協賛も行っています。
パブリッシャー
パブリッシャーはゲームの企画・宣伝・広報・営業・配信・流通を担っており、eスポーツ分野ではゲームソフトの提供だけでなく大会の主催なども行っています。
会社名 | 内容 |
ソニー・インタラクティブエンタテイメント | 国内の国体競技大会でeスポーツ選手権を開催 |
バンダイナムコエンターテイメント | 『太鼓の達人』を始めとした自社ソフトを活用し、競技大会を開催 |
コナミデジタルエンタテイメント | 日本野球機構とプロ野球eスポーツリーグを共催 |
Cygames | 自社のトレーディングカードゲーム『Shadowverse』の世界大会を開催 |
パブリッシャーも比較的大きな企業が多く、自社のコンテンツを活用した大会を開催しています。他にもセガやカプコンはリーグの開催・立ち上げを行っています。
また、Cygamesの『Shadowverse』の大会では優勝賞金が約1億円ということで非常に大きな注目を集めました。
チーム運営
競技大会に出るためのチームの運営を行っています。選手の採用やサポートだけでなく、イベントの企画やスポンサー獲得のための営業、動画編集など配信にかかわる業務などを行っています。
会社名 | 内容 |
アミューズ | 国内外多数のeスポーツチームと契約 |
吉本興業ホールディングス | 所属芸人を芸能事務所初のプロeスポーツ選手として契約 |
株式会社Samurai工房 | プロゲーミングチーム「CrazyRaccoon」の運営、ストリーマー向けの大会「CR cup」の開催 |
GANYMEDE株式会社 | プロゲーミングチーム「ZETA DIVISION」の運営 |
株式会社GamingD | プロゲーミングチーム「DeToNator」の運営 |
各プロゲーミングチームの選手は、国内外の大会への出場やYouTubeやTwitchといったプラットフォームでのストリーミング活動を行っており、プレイヤーの憧れの的として絶大な人気を誇っています。今回ご紹介したチーム以外にもたくさんのチームがありますので、ぜひお気に入りのチームを探してみてはいかがでしょうか。
eスポーツ企業の収入源は?
eスポーツ企業の収入源はこれまでにご紹介した5つの分類によってやや異なりますが、基本的には「スポンサー契約」「広告収入」「関連グッズの売上」といえます。
スポンサー契約
国際大会への出場実績などがあり、ある程度知名度がついてくると「スポンサー」がつき、チームを運営するための資金が得られます。これはリアルスポーツと同じ仕組みで、資金提供を行う代わりに、大会出場時に自社のロゴのついたユニフォームを着用してもらったり、選手に自社製品(マウスやキーボードなど)を提供してPRをしてもらったりします。
しかし、発足して間もないチームや大きな実績のないチームはなかなかスポンサーがつかないという問題もあります。
広告収入
プロゲーミングチームに所属する多くのゲーマーがYouTubeなどのプラットフォームを中心に生配信や動画配信といった活動を行っています。ここでの広告収入もチームやチームを運営する企業の収入となります。
中には登録者100万人を超えるストリーマー(動画配信者)も居て、10代~20代の若者を中心に大きな人気を得ています。
また、配信活動において「スーパーチャット」などの投げ銭機能もストリーマーやチーム、企業への収入源といえます。
関連グッズの売上
eスポーツ企業の中でも例えばパブリッシャーであればゲームソフトそのものや、そのゲームに関連するグッズの売上が収入源となります。バンダイナムコエンターテインメントやCygamesのように自社タイトルの大会を開催した場合、既存のユーザーはもちろんですが広報などによってたくさんの人の目に留まることで新規ユーザーの獲得につながり、結果として収入が得られると考えられます。
チーム運営の場合は、所属ゲーマーのグッズやスポンサーであるアパレル企業とのコラボなどのグッズの売上が当てはまるでしょう。基本的にはチームでオンラインストアを運営している場合が多いですが、プロゲーミングチーム「CrazyRaccoon」は渋谷にオフィシャルストアをオープンし連日多くのファンでにぎわっているようです。
eスポーツ企業で働くのに必要なスキルは?
必須スキル
- eスポーツやゲームに関する知見や興味があること
- 社会人経験
- 基本的なPC、officeソフトの操作
eスポーツ企業での仕事は「eスポーツや大会の普及」「大会やチームの運営」「スポンサー獲得にむけた営業」などが主であり、クリエイティブスキルは基本的には必要ありません(動画編集を行うポジションの場合など一部ではクリエイティブスキルが求められます)。職種としてもマーケティングやタレントマネジメント、ディレクター(大会運営や配信イベントなど)といったものが多くあります。
求人も比較的中途向けのものが多く、社会人経験がありPCやofficeソフトの基本操作ができれば応募できる求人が多数あります。
歓迎スキル
- イベントの運営経験
- タレントマネジメント経験
- SNSアカウントやYouTube、Twitchなどの運用経験
- 大会の企画・運営や各種イベントのディレクター経験
- 語学力(英語や中国語、韓国語)
- ゲーム業界を含むエンタメ業界での就業経験
- クリエイティブスキル
(PremiereProやAfterEffectsを使用した動画編集、Photoshopを利用した資料作成)
ゲーム会社の求人と比べるとeスポーツ企業(eスポーツ部門)での求人は少なくなりますので、PremiereProといった動画編集スキルを身に着けたり、国際大会に出場するチームをもっている場合は外国語ができたり、イベント運営やマーケティング、広告に関する実務経験があるとアピールポイントになりそうです。
また、eスポーツ企業の求人では必須スキルがあまりない代わりに「eスポーツに関する知見や興味」があることがとても重要視されています。ゲーム業界での経験がなくても「ゲームが好き」「eスポーツをもっと広めたい」「ゲーマーの地位向上に貢献したい」といった熱い思いをぜひぶつけてみてはいかがでしょうか?
まとめ
本記事では、eスポーツ企業にはどんな会社があるのか、収入源は何なのか、eスポーツ企業で働くのに必要なスキルについてご紹介しました。年々市場規模も拡大し、今後ますます世界中で熱狂が予想されるeスポーツ業界ですので、ぜひeスポーツ企業に就職してeスポーツの盛り上げに貢献しましょう!
▼eスポーツに関わる具体的な仕事などはこちらの記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください!
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