業界知識

25.06.17

VTuberに関わるデザイナーはどんな仕事?仕事内容や必要なスキルを徹底解説!

近年、VTuberはエンタメの新たな主役として、配信やSNSなど、多様な場面で存在感を高めています。
そして、数多くのVTuberが活動する中でファンの心に残るには「ひと目で惹かれる見た目」が重要です。

そうした「見た目の強さ」「ビジュアルで語る魅力」をかたちにしているのが、VTuberに関わるデザイナーの仕事です。

本記事では、そんなVTuberに関わるデザイナー職について解説していきます。

VTuberのデザイナーとは

VTuberのデザイナーとは、キャラクタービジュアルや配信演出、グッズデザインなどを通じて、VTuberの世界観を視覚的に表現し、その魅力を際立たせる役割を担う職種のことです。

ここでは主に3つの職種について紹介していきます。

・イラストレーター/アートディレクター
・Live2Dモデラー/3Dモデラー
・グッズデザイナー

どの職種もVTuberの個性や物語を「見た目」で伝えるために、視覚表現のプロとして世界観づくりを支える重要なポジションです。

仕事内容

では、それぞれの職種の具体的な仕事内容についてご紹介していきます。

1.イラストレーター/アートディレクター

イラストレーターやアートディレクターは、VTuberの世界観をビジュアル面から設計・表現する職種です。

イラストレーターは、キャラクターデザインや立ち絵、衣装案などを書き起こし、VTuberの第一印象を決定づけるようなビジュアルを手がけます。さらに、絵のタッチや色づかいによって、そのキャラクターの持つ個性や空気感を視覚的に表現します。

一方で、アートディレクターは配信画面やキービジュアル、ロゴ、衣装など、全体のデザイン方針を決める役割を担います。また、作品のトーンやテーマにあったアートスタイルを定め、各クリエイターと連携しながらビジュアルを統一していきます。

どちらの職種も、活動の軸となるビジュアルイメージをつくり上げる、非常に重要なポジションです。

2.Live2Dモデラー/3Dモデラー

Live2Dモデラーや3Dモデラーは、VTuberのキャラクターに自然な動きと表情を与え、画面の中で「存在感」を宿すための技術職です。

イラストレーターが描いたキャラクターデザインをもとに、瞬きや口の動き、体の傾きなど、細かな表情やアクションを設定し、Live2Dモデルとして仕上げていきます。

また、立体的な空間での動きやライブパフォーマンスなどに対応する3Dモデルでは、全身のモーションや重心のバランスなど、より複雑な表現も求められます。

単に「動かす」だけでなく、キャラクターの性格や雰囲気、配信スタイルに合わせて、表現方法やニュアンスを丁寧に調整し「このキャラクターがそこにいる」と感じさせるような、リアリティを追及する仕事です。

3.グッズデザイナー

グッズデザイナーは、VTuberの魅力を「形あるもの」としてファンに届ける役割を担っています。

アクリルスタンドや缶バッジ、Tシャツ、ぬいぐるみなど、企画ごとに多彩なアイテムをデザインし、使用シーンやファンの好みも考慮しながら設計していきます。単に可愛い・カッコいいだけでなく、「そのVTuberらしさ」を感じられるデザインに落とし込むことが重要です。

また、制作会社との調整や入稿データの管理など、ものづくりとしての実務的な業務も求められます。

手に取った瞬間に心が動くような「推しをもっと好きになる」きっかけを作るのが、グッズデザイナーの大切な役割です。

▼VTuberに関わるその他の仕事はこちらでもまとめて紹介しております!

求められるスキル

続いて、これらの職種に必要なスキルについてご紹介します。

1.イラストレーター/アートディレクター

デザインソフトのスキル

IllustratorPhotoshopCLIP STUDIO PAINTなどの描画・デザインソフトを使いこなすスキルは、この職種において欠かせない技術です。

イラスト制作では、Live2Dモデル用のパーツ分けを前提としたキャラクターデザインや、3Dモデル制作のベースとなる設定画など、VTuber特有の形式に対応した制作が求められます。

また、アートディレクターの場合も、ビジュアル全体の方向性を示すラフ作成や、レイアウトの指示書制作、ロゴや装飾のデザイン監修などで、実際に手を動かす場面が少なくありません。

クリエイターとのやり取りをスムーズに進めるためにも、デザインソフトに関する理解と操作スキルが必要です。

このほかにも、衣装デザイン、ロゴ制作、配信画面のUI設計なども含め、業務内容によって多様なソフトの使い分けが必要になります。

2.Live2Dモデラー/3Dモデラー

モデリングスキル

Live2Dモデラーには、Live2D Cubismなどの専用ソフトを用いたモデリング技術が求められます。また、キャラクターを自然に動かすためには、パーツの分け方や物理演算の理解も必要不可欠です。

一方、3Dモデラーの場合は、BlenderMayaなどの3DCGソフトを使用することが多く、モデル造形はもちろん、リギング(骨入れ)やテクスチャの設計まで幅広い知識が必要とされます。

いずれも、高度な専門知識が求められるもので、実務を通じて継続的な学習や技術向上が欠かせないスキルです。

3.グッズデザイナー

製造、入稿の基礎知識

グッズデザインでは、IllustratorやPhotoshopの使用が基本となりますが、製造や印刷を前提とした「実物としての設計力」も必要になります。たとえば、入稿データの作成や素材・加工の知識など、ものづくりに関するスキルが問われます。

また、プロダクトデザインやパッケージデザインの経験が活かされる場面も多く「ファンが手に取りたくなる工夫」をビジュアルに落とし込める力が求められます。

活かせる経験

では、それぞれの職種の具体的な仕事内容についてご紹介していきます。

1.イラストレーター/アートディレクター

創作活動の経験

SNSでの創作投稿やポートフォリオの制作、コンテストや同人活動への参加など、日常的に絵を描いて発表してきた経験は大きな強みといえます。

VTuber業界では、数多くのキャラクターが日々誕生しているため、その中で「一目で印象に残るデザイン」をつくる力が求められます。

そのため、創作活動をする中で、構図や色づかい、キャラクター性の表現などを工夫してきた経験は、VTuberの世界観やビジュアルイメージを形にする際に活きてくるでしょう。

2.Live2Dモデラー/3Dモデラー

アニメやゲームへの興味関心

アニメやゲームなどのキャラクターの動きに関心を持ち、観察している経験は、モデラーにとって大きな武器になります。

「この表情はどういう気持ち?」「この髪の揺れかたに違和感がないか?」といった視点で、細かな動きに注目するクセがある人は、モデルに命を吹き込む工程でその観察力が活きてきます。

また、アニメやゲームなどで多くのキャラクターに触れてきた経験がある人は、キャラクターの愛される表情や思わずマネしたくなるポーズなど、好印象をもたれるキャラクターの引き出しが豊富です。

こうした感覚は、モデルの表情や動きを与える際にとても役立ち、VTuberの魅力をより印象的に伝えるアイデアにつながります。

3.グッズデザイナー

Vtuberファンとしての感性

Vtuberのファンとしてグッズを集めたり、応援活動をしてきた経験は、グッズデザインにおいて大きなヒントになります。

VTuberは、毎日のように配信を通じてコミュニケーションが取れるなど、ファンとの距離が非常に近く、存在を身近に感じやすいコンテンツです。だからこそ、グッズには「持っていたい」「飾りたい」と思わせるような親しみや実用性のあるものを求められます。

そういった気持ちを自身の応援活動を通じて実感しているからこそ、どんなグッズにニーズがあり、どんなデザインなら毎日使いたくなるかを、リアルな視点で考えられるはずです。

やりがい・大変さ

VTuberの「顔」とも言えるキャラクターデザインや、配信・イベントなどに欠かせないビジュアル制作に関わることができるのは、デザイナー職ならではの大きな魅力です。

ビジュアルはファンの第一印象を左右する重要な要素であり、グッズやイラストなども含め、目に見える多くの部分がデザイナーの手によって作られています。そのため、自分の仕事がダイレクトにファンに届き、SNSや配信などで反応を目にする機会も多く、大きなやりがいにつながります。

一方で、例としてキャラクターデザインなどは一度でも世に出すと後から簡単には修正できず、初期段階から完成度や世界観との整合性を強く求められるため、責任も大きい仕事です。

また、視覚的な印象づけが求められる分、作業工数も多く、フィードバックを受けての修正や細かな調整が発生しやすいのも特徴です。常に個性や魅力を最大限に引き出すデザインを求められるため、丁寧なヒアリングと調整、そして高いクオリティの保持が、デザイナーにとっての葛藤ともいえます。

それでも、自分が手掛けたビジュアルがVTuberの「顔」としてファンの記憶に残り、長く愛され続けることは、デザイナーにとって何よりのやりがいと言えるでしょう。

キャリアパスや将来性

VTuber業界の成長にともない、デザイナー職の活躍領域もますます拡大しています。

モデリング、ビジュアル設計、グッズ制作など、いずれの職種でも実績を重ねることで、より影響力の大きなプロジェクトを任される機会が広がっていきます。

たとえば、Live2Dや3Dの分野では、動きの設計や表現力の高さが評価され、モデリングチームのリーダーやディレクションポジションに進むケースもあります。

また、アートディレクションやキャラクターデザインの分野では、ひとつのVTuberだけでなく、複数のタレントやIP全体のビジュアル戦略を担当するような、より上流工程へのステップアップも可能です。

加えて、グッズデザインの知見は、商品開発やマーケティング領域にも応用が効くスキルです。ユーザー目線を活かして、企画段階からものづくりに関わることも珍しくありません。

さらに、複数のデザイン領域にまたがってスキルを身に着けた「マルチクリエイター」として活躍する人も多く、技術と発想を掛け合わせた柔軟なキャリア形成が叶いやすい仕事といえます。


▼VTuberに関わるその他の仕事はこちらでもまとめて紹介しております!


まとめ

本記事では、VTuberのデザイナー職について、仕事内容や求められるスキル、活かせる経験、そしてキャリアパスまでをご紹介してきました。

自らの手で生み出したキャラクターやビジュアルが、多くの人に愛され、推され、応援されていく様子を目の当たりにできるのは、この仕事ならではの大きな魅力です。

もしあなたが、これまで培ってきた技術や感性を生かして、VTuberの魅力をビジュアル面から支えていきたいと考えているなら、本記事を参考に挑戦してみてください。

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Confidence Creator 編集部

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