業界知識

24.06.20

アートディレクターとは?なるために必要なことを解説!

アートディレクターという職業をご存知でしょうか?

広告などを制作するにあたり、ビジュアルデザインを中心にとりまとめを行うことが主な仕事内容です。街頭や電車内のポスター、Webサイトなどの媒体を使って、情報をいかにわかりやすく効果的に伝えるかを考えるところから掲載までの作業を取りまとめる役回りを行います。

本記事では、アートディレクターとはどんな仕事なのか?なるために求められることは?など、詳しくお教えします!

アートディレクターとは?

アートディレクターとは、美術・芸術「アート」を指揮「ディレクション」する人、つまり美術・芸術表現の総合的な演出を指揮する職務のことで、主に作品のデザインの指揮をとる中心人物、視覚表現のリーダーです。
「アート」ディレクターという名前からデザイン寄りのイメージがありますが、仕事内容や役割としてはディレクターとしての面が強いです。

仕事内容

担当する仕事内容としては、まずクライアントの意向に応じて内容、表現方法などを企画し、クライアントにプレゼンテーションして了承を得ます。
企画決定後は、撮影に立ち会ったりデザインの修正指示などをしながら、完成するまでまとめ役を担当します。また、テレビのCMなど映像媒体で仕事をする場合は、企画の校正を行いクライアントに確認をとった後、納品までを管理します。

各メンバーへの指示出しや方向性が合っているかどうかの判断、進捗管理など幅広い工程に携わることがアートディレクターの仕事です。

類似職とアートディレクターの相違点

アートディレクターは、関連業種の中に名前の似ている役職が多く存在します。ここでは、それぞれ役職の相違点を仕事内容に着目して、整理していきましょう。

クリエイティブディレクター

クリエイティブディレクターとは、クライアントからPRしたい商品やサービスの概要などを聞き出し、どのような手法で広告宣伝を行えばよいかという戦略を検討する役職のことです。
戦略が決まったら、CMプランナー、コピーライター、アートディレクター、デザイナーなどの人材を集めてチームを編成し、実際に広告の制作を進行していきます。

アートディレクターと重複する点が多いですが、クリエイティブディレクターは広告戦略からプロジェクト進行まで全体的に監督します。クライアントの課題を解決する視点を常に持ち、広告戦略から最終的なアウトプットまで一貫して責任を持つ仕事です。
対するアートディレクターは、ビジュアル面に特化した広告の監修を行います。ユーザーが作品を見た時にどんな感覚になるのかを想定しながら、デザイナーやクリエイターなどの制作スタッフをまとめてビジュアルを提案することが役割です。

WEBディレクター

WEBディレクターの仕事はサイトをゼロから企画し、立ち上げるというプロジェクトリーダー的なスキルが求められ、サイトのアクセス数、クリック数、クロージング率などを見て当初の目的を達成しているか否かを管理します。
更に、成果向上のためにどう改善するかを提案するためのサイトを運用したり、キャンペーンや他の媒体とのタイアップ企画などのマーケティングも行います。

WEBディレクターは、デザイン、サイト構築、文章チェックなど総合的な業務の取りまとめ役を行います。 アートディレクターとの違いとしては、Webディレクターは取りまとめを行う制作物が視覚的ではなく、総合的であることが挙げられます。
例えば、WEB、パンフレット、名刺、ノベルティなど、会社のあらゆる媒体の制作物を一辺に変えることになったとき、WEBディレクターは、制作におけるウェブ担当であるのに対して、アートディレクターは、ビジュアル全体を取りまとめる役割を担います。

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーの仕事内容は、クライアントの意向や予算などをヒアリングして、 日常で目にする広告物のデザインを視覚的な表現で創作します。グラフィックデザイナーは、アートディレクターの指揮のもと実際にデザインを行ったり、クリエイティブ制作をする実働面を担っています。

アートディレクターは、前述の通り総合演出を指揮する職務であり、クライアントの要望を実現するための企画や、デザイン面でのディレクションから納品までをコントロールします。一方、グラフィックデザイナーは自らが作業に着手するのに対し、アートディレクターは企画を指揮するという相違点が挙げられます。

アートディレクターに向いている人とは?

アートディレクターは制作物を監督し、スタッフを取りまとめるという役割を担っています。そこで、アートディレクターに向いている人の特徴について一部、お教えします。

デザインやイラストの知識を持っている

アートディレクターは現場のスタッフに的確な指示を出したり、デザイナーやイラストレーターが制作したデザインの良し悪しを判断しなければなりません。
それに加え、ディレクターはクライアントとも話をしなければならないため、基本的なデザインとイラストの知識が必要です。

コミュニケーション力がある

クライアントの意向をくみ取ったり、スタッフに的確な言葉で指示をするためのコミュニケーション力が必要です。また、社内外含め多くの関係者と仕事を進めていくため、人と関わることが好きな方が向いています。

情報収集ができる

アートディレクターは最新のトレンドにあった企画を提供するため、常に情報収集を行わなくてはなりません。また、1つの計画を練るためにターゲット、競合、社会背景の情報を集める必要があります。

リーダーシップを発揮できる

アートディレクターはデザイン制作現場の責任者であるため、デザイン制作現場において、リーダーシップを発揮してプロジェクト全体を取りまとめていかなければなりません。そのため、各スタッフを適切に指導してまとめていくリーダーシップ力が求められます。

根気強く向き合える

担当する案件のなかには数年かかるものもあるため、1つの作品と根気強く向き合う力が必要となります。制作に時間をかけた作品が世に出ることで大きなやりがいを感じることができるでしょう。

アートディレクターになるには?

一般的に、未経験からアートディレクターへの就職は難しいと言われています。

グラフィックデザイナーやWebデザイナーとして数年の経験を積む必要があり、その中でも特に、グラフィック制作全体のディレクション経験のある人がアートディレクターへとステップアップするケースが多いようです。

アートディレクターを目指したい方は、デザイナーとしての十分な経験と実績に加え、スタッフを先導するリーダーシップとコミュニケーション能力を意識して身につけておくことが、後々アドバンテージとなります。

必要な資格や学歴は?

アートディレクターになるために必要な資格が特にあるわけではありませんが、持っていることで有利に働く資格はあります。それは以下3点です。

  • アドビ認定プロフェッショナル
アメリカを代表するソフトウェアメーカー「アドビ」製品のバージョンごとに行われる認定試験です。
アドビのソフトウェアに関して専門的な知識、使用方法が問われる試験です。資格を取ることで、デザインや画像作成の基本的なスキルを身につけることができ、制作現場の実践的な知識を学べます。
アドビ認定プロフェッショナル:https://adobe.odyssey-com.co.jp/index.html
    • Photoshop®クリエイター能力認定試験
    提示されたテーマ・素材から、仕様に従ってコンテンツを制作する能力を認定します。
    動画編集の知識が問われるとともに、テーマに沿ったコンテンツ制作スキルについても出題があり、知識問題と実技試験が課されます。レベル別に「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があります。
    Photoshop®クリエイター能力認定試験:https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/

    • Illustrator®クリエイター能力認定試験
    問題の指示に従って、1つのグラフィックコンテンツを作り上げる実践的な試験内容です。
    資格取得に向けて勉強するにあたって、制限時間内にコンテンツを制作する操作スキルと、与えられた支持を正確に汲み取り、形に表す問題解決能力を習得することができます。
    Illustrator®クリエイター能力認定試験:https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/

    また、アートディレクターになるために4年制大学を卒業していなければならない、ということはないようです。専門学校では、未経験でも卒業と同時に現場で即戦力になれるような実践的なカリキュラムが組まれており、アートディレクターを目指すために必要な知識を十分に得ることができます。

    給料はどれくらい?

    アートディレクターの平均月収は約40万円です。

    年代別で月収を見てみると、徐々に増えていることから、経験が給与に反映されていると推測できます。その人の求められるスキルや経験によっても大きな差が生まれているため、アートディレクター全体の給与幅は広く、ディレクターとしての経験を積むことによって、収入を大幅にあげることも可能となる場合もあるようです。

    また、厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査によると、日本の平均月収は31万8300円(2024年5月13日時点)となっており、日本でのアートディレクターの平均月収によると、日本の平均月収よりも高いことがわかります。

    参考
    日本でのアートディレクターの平均月収(2024年5月13日時点)

    まとめ

    本記事では、アートディレクターについてご紹介してきました。

    デザイン制作の責任者であるアートディレクターになるには、基本的にはデザイナーとしての実務経験が必要です。またWEB業界やデザイン、イラストに関する幅広い知識とコミュニケーション、マネジメントの能力を持っておく必要もあり、さらにディレクターとしてのリーダーシップやコミュニケーション能力、マネジメントスキルも欠かせません。

    そして、自分で編成したチームで作り上げた作品が世に出たときにやりがいを感じるため、キャリアアップ先として非常に魅力のある職種といえます。まずは仕事内容や必要な知識を理解し、求められるスキルを1つずつ身につけながら自分のキャリア経験を積んでいきましょう。

    アートディレクターに興味を持っているという方は自分のスキルを活かして、業界で数年経験を積んだのち、キャリアアップでアートディレクターを目指してみませんか?

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