業界知識

24.05.03

ユーザーに寄り添ったゲームのカメラワークとは?

カメラワークと聞くと映画やドラマ制作などで用いられるイメージがあると思いますが、ゲーム制作においてもカメラワークは多く用いられています。

ゲームのカメラワークはユーザーが楽しめるように設計されたもので、さまざまな工夫が凝らされています。
一体どのような技術なのか、制作方法や注意点も踏まえて解説していきます。

カメラワークとは

カメラワークとはカメラをどのように動かすかといった技術で、迫力ある画面や見やすい画面を作る際に非常に重要になります。

実際に画面を通してコンテンツを体験するのはあくまでユーザーであるため、カメラワークはユーザー目線で考えることが大切です。

ゲームにおけるカメラワークの意味

2DCG制作でのゲームは「正面見下ろし」「横から見る」といった撮影方法しかありませんでした。

しかし、3Dポリゴンによる表現が主流になったことからカメラワークという表現技法が確立しました。そのため、正面から見たり横から見えることに加えて一人称視点にしたり、視点を自由に変えながらプレイできるようになりました。

RPGゲームの場合は、主人公の一人称視点にすることよって、2DCGのゲームでは表現出来なかった奥ゆきを、さらにその視点を変えることで天井や空などを表現できるようになりました。

アクションゲームの場合は、必殺技を放つときなどにカメラがズームしたり揺れることによって爽快感や躍動感が増す効果があります。

ゲームでよく使用されるカメラワークの種類

カメラワークにはいくつも種類がありますが、ここではゲームに使用されやすいカメラワークを5つご紹介します。

①ドリー

対象の動きに合わせてカメラが追随する形のカメラワークです。

背景だけでなく、カメラと対象の間にある物体も動くので、よりダイナミックに映ります。
また、背景が一緒に動くことで空間が歪まないため、より人の視点に近い表現ができます。

②パン・ティルト

パンは、対象の動きに合わせてカメラの向きを左右に振るカメラワークです。

カメラの位置自体は動かないので、より広い風景を撮ったりシーンを切り替えたりする際によく使われます。

ティルトは、パンの縦バージョンのようなもので、対象の動きに合わせてカメラの向きを上下に振るカメラワークです。

遠近感を出したり、対象が人物であれば心情の変化を表現できます。
上から下に振る場合のティルト・ダウンでは気持ちが落ち込んでいることを表現でき、反対に下から上に振る場合のティルト・アップでは空の面積が広くなるので「希望」などの前向きな気持ちを表現できます。

また、ティルト・アップを人やモンスターに対して行うことで「見上げる」事ができ、対象の大きさを表現することもできます。

③画面揺れ

対象や背景を揺らすカメラワークです。

地震といった自然現象や衝撃、人物の「怒り」といった感情を表現できます。

④フレームイン・フレームアウト

フレームインは、対象がフレーム(画面)に入り込み、フレームアウトは対象がフレームから出ていくカメラワークです。

バトル系ゲームのバトル開始シーンやガチャの演出などでも使われ、フレームインの仕方によって、対象となるキャラクターの性格などを表現することもできます。

また、フレームアウトによって画面を切り替える時に、フレームに収める対象を変えることで、次のシーンでメインとなる対象が変わったことが分かりやすくなります。

⑤ブラックアウト・ホワイトアウト

ブラックアウトは画面が暗転、ホワイトアウトは画面が明転するカメラワークです。

ブラックアウトは暗い感情を表現することが多く、ゲームオ―バーなどの「終わり」を表すのにも多用されます。

一方、ホワイトアウトは明るい感情を表現することが多く、ゲームクリアなどの「次」や「希望」を表すのに使用されます。

カメラワーク制作のコツ

ここまで、ゲームにおけるカメラワークの意味や、ゲームで使用されやすいカメラワークの種類についてご紹介しましたが、ここからは、より効果的に見せるための制作のコツをご紹介します。

①想像力を鍛える

カメラワークを考える時に必要なのは想像力です。

例えば、「この場面のキャラクターはどのような心情なのか」といったように、登場するキャラクターや人物の心情に寄り添う力が必要です。

そして、そのキャラクターの感情表現に適切なカメラワークを選択しましょう。

②ユーザー視点を忘れない

人物やキャラクターの心情以外にも、常にユーザーの目線からはどのように見えるのかを想像することが大切です。

ゲームのカメラワークでは、キャラクターなどの対象の動きに合わせて画面を大きく上下左右に動かしたり、回転させたりすることで動きに躍動感迫力を与えます。

しかし、躍動感や迫力といった効果を優先させるあまり、動きの激しいカメラワークを多用することで画面酔いしてしまうといった恐れもあるため、「実際にユーザーがプレイしたときに心地よいと感じるか、不快ではないか」を意識すると良いでしょう。

③メリハリを付ける

すべてのバトルシーンに同じカメラワークを使用するのではなく、カメラワークを使い分けたり、そもそもカメラワークを付けない、などゲームを通してメリハリを持たせることが重要です。

そうすることで、重要なシーンや躍動感を与えたい部分を際立たせる事ができ、ユーザーはゲームへの没入感やわくわく感をより効果的に感じられます。

どんな仕事でカメラワークを使う?

カメラワークは一般的にモーションデザイナーが制作します。

カメラワークを付けることで動きに迫力が出たり、対象の見せ方が変わってきます。そのため、対象をどう見せるのかゲームプランナーなどと相談しながらカメラワークを決めていきます。

カメラワークの技法はアニメ・映像業界でも学べるので、アニメ・映像業界などから転職を考えている方は自身が培ったカメラワークのスキルをゲーム業界でも発揮できるでしょう。

まとめ

カメラワークは普段何気なくゲームをしていて意識することはないですが、ゲームを面白いと感じたり快適にプレイできる環境をつくるために大きく貢献しています。

そのため、カメラワークを作りたい方は、どのようなカメラワークが使われているのかを調べたり、学ぶことで実際にゲームを制作する時の参考になるので、ゲームを沢山プレイしてさまざまなカメラワーク技法を吸収していきましょう。

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