業界知識

24.04.02

言葉で伝わらない部分を絵に!イメージを共有できるゲーム業界のコンセプトアートとは?

ゲーム開発では、プランナーが練り上げた企画を基に、デザイナーやプログラマーなどさまざまな職種が協力して1つの作品を作ります。しかし、キャラクターや背景の色や形の特徴を文章で表現されても、すべての人が同じようにイメージすることは難しいです。

そのため、ゲーム開発の企画段階でもキャラクターのモデルや背景などを絵で表すことで、実際にゲーム制作を担当する開発者は「どのようなゲームを作る(デザインする)のか」具体的なイメージがしやすくなります。

こういった企画の初期段階で、企画イメージを絵で表したものをコンセプトアートと呼びます。今回はコンセプトアートについてなぜ必要なのか、制作する時のポイントなどを含めてご紹介します。

コンセプトアートとは

コンセプトアートとはプロジェクトのビジュアルイメージや企画書上のアイデアを具体的に再現した絵の設計図のことを指します。
コンセプトアートで描く対象としては、例えば「キャラクター」「アイテム」「建物」「背景」などが挙げられ、個々を精巧に描き込むというよりは全体としての雰囲気や色味を描きます。

開発チーム内で共通認識を作ったり、後の2Dデザインや3DCGを制作をスムーズに行う目的で、多く活用されています。

ゲーム業界でコンセプトアートを作る目的とは?

コンセプトアートを制作する目的は大きく分けて2つあります。

1.開発チーム内のゲーム制作者と意見を共有するため

ゲーム開発は多くの人が携わるので、どのような世界観でゲームを開発するのか共通認識を持つ必要があります。
「キャラクター」「服装」「背景」「小物」などをイラストにすることで、他の開発者にも視覚的にイメージや世界観を伝えられます。

企業によってはコンセプトアーティストと呼ばれる専任スタッフがコンセプトアートを制作する場合もあります。


2.ゲームプランナーが企画を承認してもらうため

ゲーム開発プロジェクトの企画段階でもコンセプトアートは使用されます。

ゲーム開発プロジェクトが進行していくためには、まずゲームプランナーが企画書を制作し、上司やプロデューサーに承認してもらう必要があります。
その際にコンセプトアートを用いることで企画書の文字だけでは伝わらない部分を絵やデザインなどで補うことができます。


コンセプトアートを作るポイント

ここからは具体的にコンセプトアートを制作する際のポイントをご紹介していきます。

分かりやすく伝えることを意識する

ゲームクリエイターと共有するためや、企画を承認してもらうためにも、企画の趣旨や内容が伝わりやすいことが一番重要なポイントです。
そのため、ひとつのコンセプトアートにたくさんのコンセプトを詰め込んでしまうとどこを一番伝えたいのかが分かりづらくなってしまいます。なるべく一番重要なコンセプトを前面に出してアピールし、シンプルなものにしましょう。

さまざまなコンセプトが複雑に組み合わさっている場合もなるべく一つのコンセプトでまとめられるようにすると良いでしょう。

企画者と認識を共有していく

企画書から企画の趣旨や内容を読み取ってコンセプトアートに落とし込もうとしても、何から描けばいいのか分からないことがほとんどだと思います。その場合は企画者と随時話し合いを繰り返して認識を共有し、漠然としたイメージを形にしていくと良いでしょう。

まずは自分で嚙み砕いて読み取り、自分の考えと企画者の間に相違点があればそこを修正していくことでより良いコンセプトアートになっていきます。

ゲームをプレイするターゲットを意識する

世界観を読み取ってコンセプトアートに落とし込んでいく場合、このゲームはどんな人がプレイするのかを考える必要があります。
例えば子供向けのゲームのはずなのにリアル感溢れる暗いコンセプトアートになってしまうと子供向けではないと言わざるを得ません。

そのため、企画書をよく読み込んでターゲットや機能を読み取って世界観を構築していきましょう。

コンセプトアートの制作におすすめな資格

コンセプトアートを制作する際に必須な資格はありませんが、グラフィック系のツールを多く使用するので使いこなせるようになると良いです。今回はコンセプトアート制作におすすめの資格を2つご紹介するので参考にしてみてください。

1.Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorの活用能力を評価する試験です。Illustratorは図形やイラストを制作する際に強みを発揮するのでコンセプトアートではキャラクターを制作する際に使用されます。合格率も73.2%(2021年度平均)と高いので取得しやすい資格です。

参考:Illustratorクリエイター能力認定試験 公式サイト
https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/

2.Photoshopクリエイター能力認定試験

Photoshopの活用能力を評価する試験です。Photoshopは画像の切り抜きや合成する際に強みを発揮するので、コンセプトアートを制作する際は実際の背景などを合成したり切り抜いたりする時に使用されます。こちらも合格率は74.1%と高いので取得しやすいです。

参考:Photoshopクリエイター能力認定試験 公式サイト
https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/

ゲーム業界のコンセプトアーティストに転職するには

コンセプトアートを制作するコンセプトアーティストは最近需要が高まって来ており、転職する際の一つの選択肢として注目されています。ではコンセプトアーティストに転職するにはどうすれば良いのでしょうか。

美術の専門知識が必要

コンセプトアーティストはプランナーが考えたことアイデアやイメージを具現化するので、さまざまな表現方法を身に付けておかなければなりません。したがって、専門学校や美術学校で色彩に関する知識や、人体や動物の構造を理解したデッサン力を身に付けている人は転職で有利に働くでしょう。

表現力を身に付ける

絵を上手に描くスキルにプラスして、企画書の文章や、プランナーの言葉から意味を読み取る能力はもちろん、提示された世界観を絵で表す能力も必要です。

ポートフォリオで差をつける

コンセプトアーティストに転職する際にはポートフォリオの提出を求められますが、ゲーム業界未経験の場合は、その作品の質を上げることで周りと差をつけましょう。コンセプトアートに重要なことは物語性なので、自分の技術をアピールするよりもどのようなコンセプトで作品を作ったのかをアピールすると印象付けられます。

グラフィックツールを使いこなせる

コンセプトアートは紙と鉛筆で描いたものでも問題ありませんが、最終的には電子データとして提出する必要があるので、グラフィックツールで制作することをおすすめします。PhotoshopIllustratorなどのツールを使いこなせることで即戦力としてアピールできます。

▼コンセプトアーティストについてはこちらの記事でも解説していますので、ぜひご覧ください!

まとめ

コンセプトアートはゲーム制作の源であり、コンセプトアートで作品の世界観を定められないとゲーム開発全体の進行に支障をきたすこともあります。そのため、プロデューサー・デザイナー・プログラマーのそれぞれに伝わりやすく制作することを忘れないようにしましょう。

コンセプトアーティストを目指す際はまずグラフィックツールを使いこなせるようになり、自分なりの表現力を身に付けることから始めてみましょう!

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