
セルルックアニメーションとは、ひとことで言うと「平面的な3Dアニメ」のことです。
今回は、ゲーム開発やアニメーション制作で用いられるセルルックアニメーションについて、特徴や制作のポイント、ゲーム業界でセルルックアニメーションに関わる職種などをご紹介します!
セルルックアニメーションの特徴
アニメは日本だけでなく世界中で親しまれていますが、日本のアニメと海外のアニメでは大きく異なる部分があります。それがキャラクターや背景の表現方法です。例えば、アメリカでは『トイストーリー』を始めとした3Dアニメが多く見られますが、日本では2Dアニメが多く見られます。
日本でも『STAND BY ME ドラえもん』などが3DCGを用いて映画化されています。しかし、日本人は平面的な作画に慣れているためか、3Dアニメ特有のなめらかな動きやリアリティのある表現に違和感を抱く人も多くいたようです。
作画アニメに慣れ親しんできた日本人にとってやや受け入れられにくかった3Dアニメを、特殊な表現方法(セルシェーディング)を用いて2Dアニメの表現に寄せたアニメのことを「セルルックアニメーション」と言います。
セルルックアニメーション制作のポイント
セルルックアニメーションの特徴は「セルシェーディング」という技法を用いることで、3DCG(3Dアニメ)を手書きのイラストやセル画調(2D調)のアニメのように見せることです。セルシェーディングは「トゥーンレンダリング」とも呼ばれます。
ここでは、セルシェーディングを行う時のポイントを2つご紹介します。
①輪郭や影などの線を入れる
一般的な3DCGはリアルに近い表現をするため、キャラクターを作る際も輪郭や影に線(ふち)はありません。しかし、セルシェーディングではあえて輪郭や影、服などに線を入れます。
輪郭などの線のことを主線といい、主線があることでキャラクターと背景、服と肌など平面の中でもそれぞれがくっきりとすることでより作画アニメのように見えるようになります。
②コントラストをハッキリさせる
次はコントラストです。具体的に言うとグラデーションを滑らかにしすぎず、陰影をハッキリさせるということです。
普通3DCGではよりリアルに見せるためたくさんの色を使って滑らかにグラデーションを表現しますが、セルシェーディングでは、あえて色数を少なくすることで作画調に見せます。
また、3DCGでは光源に反応した陰影を施しますが、セルシェーディングでは色数を少なくすることで色と色の境界がハッキリするため、影も段階的に表現されます。
セルルックアニメーションを活用するメリット
日本で制作されるアニメのほとんどは作画アニメですが、作画アニメは基本的にはパラパラ漫画のようにたくさんの絵(コマ)を組み合わせて動画(アニメーション)にしています。
一方、3Dアニメでは3DCGを用いて一連の動作を作ります。これにより作画アニメにはないリアルな動き(ぬるぬる動く感じ)を表現しており、例えば、『進撃の巨人』や『ケンガンアシュラ』、『ブルーロック』などで使用されています。
日本人には馴染みのなかった(違和感を感じやすかった)3DCGを、日本人に受け入れやすいようにと生まれたのがセルシェーディングですが、なぜセルシェーディングという特殊な技法を用いてまで3DCGを活用するのでしょうか?メリットを3つ解説します。
①カメラワークが自由自在
1つ目の理由は、カメラワークが自由自在であるからです。
3DCGでは2Dアニメに比べると、手間も時間もかけずに構図(カメラワーク)を自由に動かせます。
キャラクターだけでなく空間も3DCGで表現するため背景モデルがある限りカメラワークの制限はほぼなくなるので、作画アニメでは難しかったダイナミックなカメラワークが可能になり、より躍動感のある動きを付けられます。
②複雑な動きを再現しやすい
2つ目の理由は、キャラクターの複雑な動きを再現しやすいからです。
キャラクターの動きに合わせた髪の毛や衣服の揺れなど細かい動きは、作画で表現しようとするとコマ数が増えたり書き込みが多くなり非常に大変な作業になります。
しかし、3DCGを利用することで、ベースの動きを用意しておけばそれを他のキャラクターにも適用することができたり、それぞれのキャラクターに合わせてベースの動きを微調整することができるので、より細かな部分を作り込むのに時間を使えます。
③キャラクターや背景などの素材を統一、蓄積できる
2Dアニメの作画では都度キャラクターを一から描き、場合によっては複数の作画監督が存在するため、同じキャラクターでもどうしても微妙な違いが生まれてしまいます。
しかし、3DCGではキャラクターは1つの3DCGモデルを使用するため、見た目の違いが無くなります。
またバッグや剣といった小物もベースのモデルを用意しておくことで、それを調整するだけでそれぞれのキャラクターに応じたものを簡単に制作できます。
2Dアニメにおける作画の場合は、絵柄や構図などはその絵を描いている人や動かしている人のみが有する技術に依存してしまいます。しかし、3DCGの場合ベースとなるモデルを保存しておけば、誰でもそのモデルを使用することができます。背景やキャラクター、小物などのデータを蓄積しておくことで、それらを組み合わせたり調整したりしてまた別のキャラクターなどを作れるのは、2Dアニメの作画には無いメリットと言えるでしょう。
セルルックアニメーションで使用するツール
セルルックアニメーションで使用するツールは以下のようなものがあります。
・Maya ・Houdini ・Substance Painter/Designer ・Motion Builder |
上記は一例ですが、一般的に3DCGソフトを用いて制作します。
Substance Painter/DesignerやMotion Builderはディテールを作り込む際に使用されるため、セルルックアニメーションに核となるセルシェーディングを習得したい場合は、MayaやHoudiniなどのモデリングソフトから始めると良いでしょう。
▼各ツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
また、ゲーム業界でセルルックアニメーションやセルルックの制作に携わりたい方は、上記のツールに加えてUnityやUnreal Engineといったゲームエンジンにも触れておくと良いでしょう。
ゲーム業界でセルルックアニメーションに関わる職種
ゲーム業界では、セルルックアニメーションは主に3Dデザイナーとアニメーターが用います。
3Dデザイナーの場合はモデリングやシェーディングの段階で用いられ、企業によってはモーションデザイン専門のモーションデザイナーが担当します。
アニメーターは、ゲーム内の戦闘シーンなどのアニメーション制作を行います。
セルシェーディングは、マンガやアニメを元にしたゲームでよく用いられるため、こういったゲーム開発に携わりたい方は、積極的に習得を目指すと良いでしょう。
まとめ
本記事では、セルルックアニメーションの特徴や制作のポイント、アニメで3DCGを使うメリットについてご紹介しました。
最近では、作画アニメの一部でセルルックアニメーションが活用されたりと、少しずつ目にする機会も増えています。まだまだ作画アニメが根強いですが今後ますますセルルックアニメーションは増えていくと思われます。あなたの好きなアニメもセルルックアニメーションで作られるかも…?
作画アニメなのか、セルルックアニメ―ションなのか注目しながら見てみても面白いかもしれませんね!
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