コラム

23.07.21

キャラクターに命を吹き込む!ゲームの音声収録ってどんな仕事?

アドベンチャーゲームからRPG、ホラーゲームまでゲームにはさまざまな種類があります。ゲームをプレイしていく中で欠かせないのがキャラクターですが、キャラクターを生き生きと見せながら、よりドラマ感を演出するために必要なのが「音」です。

ゲーム内の音と言うと、キャラクターボイスがイメージしやすいと思います。しかし、それだけでなく「キラキラ」「シャキーン」のような「効果音」と、雨音や足音といった「環境音」が存在します。本記事ではゲームの音声収録にはどのような人たちが関わっているのかご紹介していきます。

ゲームの音ってどうやって作る?

効果音はパソコン上で音楽を作るソフトウェアを用いて作られることが多く、環境音は実際の音(飛行機が上空を飛ぶ音や雨が降る音)を収録したり、効果音のようにソフトウェア上で作成したりします。声はアニメなどと同じように声優が演じた声を収録します。

どの音でも基本的に関わるゲームクリエイターは大きく変わりません。また、音声収録の仕事は専門知識が必要なため、音響や音声収録に関わる実務経験やスキルがあればゲーム業界未経験でも採用のチャンスがあります。

音声収録に関わる職種【5選】

ここでは、キャラクターに声を吹き込む声優を除いて「どのようなゲームクリエイターが関わっているのか」「音声収録ではどのような業務を行っているか」「その仕事に就くためにはどのような経験やスキルが求められるのか」についてご紹介していきます!

1. サウンドクリエイター

サウンドクリエイターは、ゲームのテーマ曲やBGMに加えて、選択・アクションをする際の効果音など、ゲームに関わるあらゆるサウンドを制作する仕事です。

業務内容

  • ゲーム内で使用する楽曲、BGM、効果音の制作
  • 音声収録の立ち会い、収録音声の編集
  • サウンドデータへの加工、調整
  • ゲームへの実装

求められる経験やスキル

  • 音楽制作ソフト(DAW)の知識や実務経験
  • BGMやSEを含む何らかの音楽の制作経験
  • 楽器演奏スキルやさまざまなジャンルの音楽への興味・知見
  • 収録機材の知識や管理経験
  • レコーディング経験

2. サウンドディレクター

サウンドディレクターは音に関わる分野の責任者です。一般的には、サウンドクリエイターとして経験を積んだ後、サウンドディレクターにキャリアアップすることが多いようです。

業務内容

  • 楽曲制作におけるコンセプト策定、仕様の策定
  • BGM、効果音の制作
  • サウンドの実装、調整
  • スケジュール管理、外注管理
  • 音声収録の立ち会い

サウンドディレクターはゲーム内のすべての音に携わります。効果音などは自身で制作することもありますし、収録した音声がゲームになじむように調整したりするため、音に関する深い専門知識が必要です。また、サウンドクリエイターが制作した音声のディレクションや、外注がある場合はその管理などより上流の工程を担当します。

求められる経験やスキル

サウンドクリエイターとして求められる音の制作知識・経験があることは前提として、さらにこれらの経験やスキルが必要です。

  • 家庭用ゲーム機、スマートフォン向けゲームにおけるサウンドの制作経験
  • 外部への発注、制作ディレクションの経験
  • 新規ゲームの開発からリリース、運用までの音周りの一貫した業務経験

サウンドディレクターの業務範囲は多岐に渡り、専門知識・スキルも必要なため、転職の場合に求められるスキルはやや高い傾向にあります。まずはサウンドクリエイターから始め、サウンドディレクターへのステップアップを目指してみても良いかもしれません。

3. ゲームディレクター

ゲームディレクターはゲーム制作全体における責任者で、主に音やイラストといった「クオリティ」の部分を担います。

業務内容

  • 音声収録の立ち会い
  • 演技の良し悪しなど音のニュアンスについてのチェック
  • 声優のキャスティングや契約書のやり取り
  • 予算の調達
  • 台本作成
  • 進行管理
  • 納品

ゲームディレクターの業務内容も多岐に渡ります。収録した音声が全体のコンセプトと一致しているかなどのクオリティチェックをメインに行います。スケジュールや進行の管理、収録漏れの確認などの「確認業務」はアシスタントディレクターが担当することが多くあります。

求められる経験やスキル

  • アシスタントディレクターの経験
  • 進行管理の業務経験
  • 新規ゲームの開発・運用経験
  • 市場調査や分析の経験

ゲームディレクターはゲームクリエイターの中でもかなり上流の工程に携わっているため、基本的に未経験では転職ができません。しかし、一般的なPCスキルやコミュニケーション能力があり「将来ゲームディレクターやゲームプロデューサーになりたい」という熱意があれば、まずはアシスタントディレクターとして挑戦してみてはいかがでしょうか?

4. シナリオライター

シナリオライターは、シナリオを描いたりプロットを作成したり、ゲームの物語となる部分を作る仕事です。制作現場によってはプランナーやゲームディレクターが担当することもあります。

業務内容

  • ストーリーやテキストの台本化、確認
  • キャラクター設定
  • 収録の立ち会い
  • 納品された音声データの検品、実装
  • スケジュール管理

求められる経験やスキル

  • プランナー経験(特に音声データの管理)
  • エンタメ業界での企画職、音響制作、音声収録関連の業務いずれかの経験
  • 基本的なPCスキル
  • 日常的にエンタメに触れている

シナリオライターはクリエイティブなライティングを求められたり、反対に原作に沿うようなライティングを求められたり、携わるタイトルによって臨機応変に対応する必要があります。音声収録においては、キャラクターの設定との相違がないかなどをチェックします。

5. スクリプター

スクリプターは、キャラクターにつけるエフェクトや効果音の実装を行う仕事です。キャラクターの「動き」の部分を担当します。

業務内容

  • 演出に必要なグラフィック、音声、BGMなどの素材の割り出し
  • 各素材の発注、調整管理
  • 各素材の実装

求められる経験やスキル

  • スクリプターの実務経験
  • Live2DやSpineを用いたスクリプト制作の経験
  • カメラワークへの理解
  • 基本的なPCスキル

スクリプターは、さまざまな素材を実装しますが、実装の際には高度なプログラミングを必要としません。そのため開発チームの規模によっては、ゲームディレクターやアシスタントディレクターがスクリプト業務を担当することもあります。

まとめ

本記事では、ゲーム音声の収録に関わる職種とその業務内容、求められる経験やスキルについてご紹介しました。

ご紹介した業務内容と求められる経験やスキルは一部であり、求人によってばらつきがありますので、気になる求人があった際は詳細をしっかり確認しましょう。

また「ゲーム 音声収録」ではヒットしない求人も、今回ご紹介した職種で検索するとヒットする場合がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

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