
今回はゲーム業界の中で主に遊技機の映像編集・演出を行う「オーサリング」という仕事についてご紹介します。
あまり耳馴染みのない仕事かもしれませんが「オーサリングとは?」といったところから、オーサリングの経験を積んだ後にどんなキャリアパスがあるのかもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
オーサリングとは
オーサリングとは、文字や画像、映像といった異なる ファイル形式の素材を組み合わせて1つの映像などを作り正しく表示されるよう調整することを指し、この時使用するソフトウェアを「オーサリングソフト」や「オーサリングツール」と言います。
また、オーサリングと類似する言葉として「コンポジット」というものがあります。
コンポジットとは、文字や画像、映像を組み合わせて1つの映像などを作ること指し、この作業を行う人をコンポジッターと言います。
つまり、コンポジットは映像などを作ること、オーサリングはコンポジットした映像を実際に正しく表示されるように調整したり実装まで行うこと、という点で異なります。
ゲーム業界のオーサリングとは
ゲーム業界でのオーサリングは、主に 遊技機(※1)における映像の編集や演出、実機への実装を行う仕事のことをいいます。
※1 店舗に設置される大型のゲーム台のことで、多くの場合パチンコやパチスロを指します。
例えば、アニメを題材にしたパチンコ台では、図柄が回転している時やリーチ(※2)の時に部分的にさまざまなシーンが使われます。こういったシーンの作成やリーチ演出(※3)の際にキャラクターに炎のエフェクトを付けたり敵と戦わせる演出を作ったりして、プレイヤーの「当たるかも!」という期待感を喚起させ楽しんでもらえるようにします。
こうした映像やエフェクトはPCで制作するのですが、その映像を遊技機の画面で正常に表示させるために調整したり、筐体(実機)に実装(組込み)まですることがゲーム業界におけるオーサリングの仕事です。
※2 3つの図柄のうち2つが同じ図柄になっている状態
※3 残り1つの図柄が決まるまでのつなぎの演出
オーサリングはどんなところで使われているか
オーサリングは遊技機のプレイヤーをより楽しませるための映像を作るために行われていますが、具体的にどんなことをしているのかご紹介します。
アニメのカット編集
遊技機ではよくアニメが題材になっていて、遊戯中はそのアニメのいくつかのシーンが流れています。
アニメ会社から映像データをもらい使用したいシーンを適切な秒数にカット編集しシステムに入れ込みます。
エフェクトやリーチ演出の作成
最近の、アニメがモデルの遊技機ではリーチの際に「キャラクターが敵と戦ってバトルに勝利したら大当たり」という演出が多いのですが、ここで決着がつくタイミングを長すぎず短か過ぎずちょうどいい長さに設定したり、キャラクターの必殺技や魔法の演出を作成・実装します。
リーチのタイミングの演出は、ユーザーが遊戯中に最も期待感があおられる部分であり、過度な演出や決着のタイミングがあまりにも長すぎたりすると、ユーザーは期待感を失い離れてしまいます。
こういった理由から、エフェクトの作成やリーチ演出の作成はオーサリングの中でも非常に重要な部分だといえます。
カメラ演出
先ほどのバトルシーンやカットシーンなど動きのあるシーンの映像演出でカメラ演出も行います。バトルシーンを定点で見せるのではなく、さまざまな角度から見せることで、単調さを抑え躍動感を与えて、ユーザーを引き込ませることができます。
UIデザイン
上述のようなバトルシーンの編集やエフェクトの制作だけでなく、モード選択や音量調整といったUI(ユーザーインターフェース)のデザインも行います。
遊技機の筐体は役物と呼ばれる動く仕掛けがあることが多く、画面の適切な位置に文字を配置しないと遊戯中に見えなくなってしまう恐れがあります。
そのため、詳しくは後述しますが、画面だけでなく遊技機全体のデザインも考慮したUIデザインが求められるでしょう。
オーサリング業務における2つの大事なポイント
ここでは、オーサリング業務を行うにあたって「どんなところに気を付けるとよりユーザーをわくわくさせることができるのか」といったポイントを2つご紹介します!
①パチンコやパチスロなどの遊技機の仕様理解
まず、遊技機の演出を作る仕事ですので遊技機の設計図を基に映像設計ができるように仕様を理解する必要があります。
例えば「先読み演出(実際に図柄がそろうかどうかという動きが始まる前に「そろそろチャンスかも?」という期待を喚起させる演出)は何なのか」といったことを理解しておくと「こんな演出があればユーザーは期待しやすい」というユーザーのツボを抑えやすくなり、結果として演出を表示する適切なタイミングが分かったり、適度にユーザーの期待を喚起させることができます。
②ユーザーの視点を持てる
PCゲームなども同じですがゲームをプレイするユーザーがいる以上、ユーザー側の視点を持ちながら業務を行うことはとても重要です。
PCゲームやスマートフォン向けゲームの場合ユーザーはPC画面(モニター)やスマートフォンの画面を見てプレイします。
しかし、オーサリング業務を行う遊技機の場合は少し異なります。遊技機にはPCやスマートフォンの画面と同じように映像を映す「液晶」がありますが、それに加えてパチンコであればハンドル・ボタン・役物、パチスロであればリール・レバー・ランプがあり、ユーザーはさまざまなポイントに視点を動かしながら遊びます。
ただ単にバトルシーンの映像を作るのではなく、実際に液晶に表示された映像と上記のようなさまざまなポイントをまるっと含めた「遊技機全体としての出来栄え」を意識できるとよいでしょう。
オーサリングを行う職種
遊技機開発において主にオーサリングを行うのはデザイナーで、3DCGデザイナーや2Dデザイナー、UIデザイナー、映像デザイナーといった職種があります。
オーサリング業務で作成する映像にはエフェクトを付けることも多くありますが、そのエフェクトの作成やバトルシーンのカメラ演出などの業務ではUnityやUnreal Engineといったゲームエンジンや、AfterEffects、Maya、Photoshopといったエフェクト制作ツールが使用されます。
こういったツールを使用してエフェクトの作成や実装ができると遊技機開発のデザイナーとして転職することも可能です。
実際にこれら職種の求人の歓迎条件として「オーサリング経験があること」が挙げられていることもあります。
まとめ
今回は遊技機のクオリティやユーザーの満足度を左右する重要な仕事であるオーサリングについてご紹介しました。
オーサリング業務は、パチンコ・パチスロの知識は必要ですが、自身が制作した演出でユーザーが楽しんで遊戯し、さらにそのまま売上などの数字にも直結する責任感とやりがいのある仕事といえます。
経験を積んだ後のキャリアパスもさまざまありますので、パチンコ・パチスロが好きな方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
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