※株式会社コンフィデンスは2023年8月1日に「株式会社コンフィデンス・インターワークス」に社名を変更いたしました。
こんにちは。QOGL+編集部のレオです。
今回はゲーム業界の職種に関して理解を深めるシリーズ第3弾。
これまで「プランナー」と「QA」について取り上げてきました。
今回は「2Dデザイナー」についてお話しします。
皆さんが普段触れているゲームの世界観やキャラクターはとても魅力的で、ゲーム画面や操作ボタンなどの細かなデザインからもゲームの世界に没入できる要素を感じますよね。イラスト関連の仕事をする方の中には、実際にそういったゲームのデザイナーに憧れる方も多いのではないでしょうか?
改めてゲーム業界の「2Dデザイナー」とはどのような業務をして、どのようなスキルが必要なのか、コンフィデンス・インターワークスで活躍する社員像を元に、紐解いていきます。
この記事の目次
ゲーム業界の「2Dデザイナー」ってどんな仕事?
「2Dデザイナー」とはIllustrator、Photoshopなどのツールを使用して2Dグラフィックス、つまり平面的な画像や素材をデザインする仕事です。
プランナーが考えたゲームの発注書を元にイラストを描き、視覚的表現に落とし込むのが2Dデザイナーの役割です。
一言で2Dデザイナーと言っても、職種は細かく分かれています。
今回はゲーム業界で大きく分類されることの多い「イラストレーター」と「UIデザイナー」に分けてそれぞれの適性を考えていきます。
「ゲームイラストレーター」とは?
ゲームイラストレーターとは、プランナーから依頼された発注書を元にイラストに落とし込み、ゲームのビジュアル面を形作る仕事です。
キャラクターイラストや背景、武器、衣装、スチルイラストからプロモーション用のイラストまで多種多様な素材を制作します。
制作にはIllustrator、Photoshop、CLIP STUDIO PAINTなどを使用します。
当社でゲームイラストレーターとして活躍されている方の業務内容と適性人物の傾向を分析すると、下記のようなスキルが求められていると推測できます。
イラストレーターの業務内容
・キャラクターイラストの制作
・表情差分イラストの制作
・背景イラストの制作
・デフォルメキャライラストの制作
・プロモーション用一枚絵の制作
・三面図の制作
・イラストレタッチ業務
・アートディレクター、プランナーとの擦り合わせ
ここではイラストレーターの業務内容を包括的に記載しております。
企業やプロジェクトにより、キャラクターイラスト制作のみであったり、背景イラスト制作のみであったりと、任される範囲は異なります。
イラストレーターに求められるスキル
・発注書の意図をしっかりと汲み取る力
発注書には、プランナーからのデザインイメージ、設定、シチュエーションなどが記載されています。
参考画像がある場合もありますが、基本的にテキストで表現されているので、文章からプランナーの意図を汲み取ってラフを制作し、アートディレクターやプランナーと擦り合わせてイラストにしていく力が必要です。
・デッサン力と構造認識力
当然のことですが、ゲーム内素材は動くことが前提とされています。たとえ2Dであっても、パースが狂っていたり、人体や物体の構造がおかしいとユーザーはゲームの世界観に没入しにくくなります。
そのためプレイヤー視点からの景色をしっかり表現できるデッサン力と、どんな角度から見ても違和感がないように、制作する対象物自体の構造をきちんと認識する必要があります。
・常にアンテナを張りインプットを行う
弊社に面接にいらっしゃるデザイナーさんには、「デザインで印象に残っているゲームやアニメはありますか?」や、「最近注目してるアニメ・ゲームは何ですか?」という質問をさせていただくことがあります。
常に多様なコンテンツが誕生している現代において、積極的に色んなものに触れて表現方法をインプットし、業務に活かす力が必要とされます。
自分の心が動かされたものを、なぜ心惹かれたのか分析して自身の引き出しにしておくと、携わるゲームタイトルをより魅力的にするための提案ができるようになります。
・絵寄せスキル
ゲームタイトルには原作となる漫画やアニメを使用したものや、シリーズものになっているものもありますよね。そういった既存モデルのテイストを忠実に再現できる画力スキルも必要となります。
・納期を意識したスピード感
ゲーム開発は様々なセクションが絡み合って進行していきます。イラストはゲーム制作に欠かせない素材なので、納期を守ることはとても大切です。
余裕をもって仕上げるスピード感と、監修者からのリテイク数を出来る限り少なくする質の担保が必要となります。制作物に対するこだわりと納期のバランスを取ることは非常に難しいですが、イラストレーターにとって、重要なスキルのひとつです。
「ゲームUIデザイナー」とは?
UIとはUser Interfaceの略です。つまりUIデザイナーとはユーザーが操作しやすい画面の設計・デザインを行う仕事です。
画面内のボタンの配置、大きさやデザイン、フォントや画面遷移の仕方まで、ゲームをプレイするユーザーがいかにノンストレスで操作出来るかを追及します。
制作にはIllustrator、Photoshopの他にXDやFigmaなどのツールを使用します。コンフィデンス・インターワークスでUIデザイナーとして活躍されている方の業務内容と適性人物の傾向を分析すると、下記のようなスキルが求められていると推測できます。
UIデザイナーの業務内容
・UI設計
・画面のレイアウトデザイン
・アイコンデザイン
・バナー、素材の制作
・UI演出考案
・Unityでの実装作業
ここではUIデザイナーの業務内容を包括的に記載しております。
企業やプロジェクトにより、バナーや素材制作のみでもUIデザイナーと呼称する場合もありますし、UI設計からUnityをはじめとするゲームエンジン上での実装まで一任される場合もあります。
UIデザイナーに求められるスキル
・全体像を把握する力
UIデザイナーはイラストレーターと同様に、プランナーからその画面に必要な機能や要素などの情報をもらい、画面設計をしていきます。
ユーザーにとって分かりやすい・操作しやすいデザインは何かを考えるのはもちろんですが、全体像を意識する必要があります。
ゲーム全体のテイストや、その画面の役割にあったデザインでないと、実装した際に違和感が生まれ、ユーザーのストレスに繋がります。常に全体像を意識した統一感のあるUI制作は、よりクオリティの高いゲームの完成に繋がります。
・情報整理能力
表示画面のサイズは限られているので、その中でどのように情報を表示するかを整理する力が必要です。テキスト表示なのか、アイコンで表示するのか、加えて色のバランスやフォント・サイズ感、エフェクトの付け方など隅々まで検討し、情報を過不足なく表示する方法をまとめる必要があります。
・実装作業を見据える力とロジカルさ
スキルの高いUIデザイナーはロジカルな方が多い印象です。なぜそこにアイコンを配置するのか、なぜその表示方法なのか、設計のロジックが立っていれば快適な操作に繋がります。
また、UIデザイン後は実装作業に移りますが、実際にUIデザイナーがUnityなどのゲームエンジンを使用して組み込みを行う場合もあります。実装作業を見据えてデザインが出来る方は他チームとの連携も取りやすいため、重宝される印象です。
以上、2Dデザイナーを「イラストレーター」と「UIデザイナー」で大きく分けてお話してきましたが、もちろんその他にも職種はあります。
ゲーム内素材を制作するのではなく、素材をパーツ分けして動きを付ける2Dアニメーションやエフェクトの制作なども2Dデザイナーの範疇です。2Dアニメーションやエフェクトの制作にはSpineやLive2D、AfterEffectsなどの専用ツールを使用します。
企業によって2Dデザイナーが担当する業務やその範囲は異なりますので、ご興味がある方は是非調べてみてください。
「2Dデザイナー」のキャリア形成について
2Dデザイナーのキャリアパスの一例をご紹介します。マネジメント職を目指すのか、技術力を高めてスペシャリストを目指すのか、可能性は様々です。
「アートディレクター」として作品のクオリティを高める
アートディレクターはデザインチームの舵取りのポジションです。
ディレクターやプランナーとビジュアル面の方針を固め、各デザイナーへのタスク割振り、スケジュール管理、監修を行います。企業によっては一部デザインを外注している企業もあるので、外部協力先企業との折衝も行います。
デザインチームの長として、制作物の監修をし、ゲームをより魅力的な作品に仕上げます。各メンバーに合わせた業務指示や修正点を的確に伝えるコミュニケーション力・文章力が必要です。
「コンセプトアーティスト」としてゲームの世界観を構築する
コンセプトアーティストとは、ゲーム開発企画段階のアイデアを視覚的表現に落とし込む役割です。
つまりディレクター、プロデューサーの意図を読み取り、ゲームそのものの世界観を0→1でデザインする仕事です。背景イラスト制作スキルはもちろん、キャラクターデザインスキルも求められ、発想力と表現力が重要になるハイレベルな業務です。
自分がデザインした世界観を基にゲーム制作が進行するので責任重大ですが、非常にやりがいのある仕事です。
コンフィデンス・インターワークスで活躍されている人の声
以前、コンフィデンス・インターワークスの社員を対象に、「自身の職種において必要なスキルとは何か?」というアンケートを実施しました。
コンフィデンス・インターワークスで実際に2Dデザイナーとして活躍されている方からはやはり「絵寄せ、デッサン力、光源やパースの理解が必要」との声があがっておりました。オリジナルの作品だけでなく、絵寄せや色んなテイストに対応出来るデザイナーは重宝されます。
また、スキル上達には基礎固めからということで、基本構造を理解するためのおすすめの参考書も紹介されていましたので、是非ご覧ください!
ポートフォリオ作成のポイントと注意点
2Dデザイナーとして転職を考えている方や、これまでのデザインスキルを活かしてゲーム業界の2Dデザイナーを目指したいという方は、転職活動においてポートフォリオの提出が基本的には必須となります。
デザイナーにとってポートフォリオはスキルの証明書になりますので、見せ方も非常に重要です。QOGL+でもポートフォリオ作成のポイントと注意点をまとめております。
既に2Dデザイナーとして転職経験をお持ちの方も、改めてご自身のスキルと実績をアピール出来るポートフォリオを作成する方法を確認してみてください!
さいごに
今回はゲーム業界の職種理解を深めるシリーズ第3弾として「2Dデザイナー」に焦点を当ててみました。2Dデザイナーはゲームの印象を大きく左右するビジュアル面を担うポジションなので、非常に重要な存在です。
デザイナーとしてゲーム制作の一員になることは容易ではありませんが、実際に2Dデザイナーとして活躍されている方からは「自分が描いたキャラの評判が良いと嬉しい!」「制作したキャラクターに推しの声優さんが声を付けていて感動した」などのお話を聞くことが多いです。
キャラクターやゲームの世界観に対するユーザーの反応は、SNSなどでダイレクトに伝わりますので、自身の制作物が多くの人に見てもらえているという実感がやりがいに繋がっているのですね。
この記事を読んで2Dデザイナーに興味をもっていただけたら幸いです。多数のゲーム会社様とお取り引きしているコンフィデンス・インターワークスだからこそ、皆さんそれぞれに適したご支援ができますので、2Dデザイナーとして活躍したい方は是非お気軽にご応募くださいね!