<2024年10月4日更新>
こんにちは。QOGL+編集部のレオです。
QOGL+では以前、「2Dデザイナーの転職に必要なポートフォリオ作成のポイントと注意点」という記事でポートフォリオ作成のコツや注意点をご紹介しました。
今回は3Dデザイナー編です。
2Dデザイナー同様、3Dデザイナーもご自身のスキルの裏付けとしてポートフォリオの準備が必要です。なぜポートフォリオが必要なのか、基本的な構成は前述の記事にて解説しております。職種関係なく、全体の基本構成は下記のように共通です。
● 目次
● 自己紹介
● 制作作品の詳細
基本構成についての詳細は前回の記事を是非ご一読ください!
モデリングやモーション、エフェクトなどさまざまな形式の制作物がある3Dデザイナー。よりご自身のスキルが伝わるよう、どのような点を意識してポートフォリオを作成すれば良いのかを解説していきます。
この記事の目次
3Dデザイナーポートフォリオの構成とは?
今回はモデリングを担当する3Dデザイナーを例に、ポートフォリオの構成について説明をしていきます。まずは下の画像をご覧ください。
上記の構成はあくまで一例ですが、こちらをもとにそれぞれの必要な構成要素について詳しく紹介させていただきます。
基本情報
制作物の画像を載せる際に必要な基本情報は下記の通りです。
・制作時間:
どの工程にどの程度の時間を要したのかを記載します。実際にゲーム会社で就業するとなると納期が必ずあるので制作スピードは大切です。
・使用ツール:
MayaやBlender、ZBlushなどの制作ツールのほかに、レンダリングに使用したツールなど、完成物にするまでに使用したツールを全て記載しましょう。
・ポリゴン数:
ポリゴン数は見た目の滑らかさだけではなく、データの重さにも関わってきますよね。ゲーム制作においてデータ量は操作性に直結します。制限されたポリゴン数でどの程度の作品が制作できるのかが重要ですので、必ず記載しましょう。
・原画/指示書:
モデリングにしても、エフェクトにしても、元のイメージや指示書は必ず存在しますよね。何を元にしたのか、どの程度の指示内容から制作したのかが分かるように元となったものを記載しましょう。
・こだわりポイント:
制作するにあたって、工夫した点やこだわった点をテキストで簡潔に記載しましょう。
ゲーム内に実装し動かすことが前提になる3Dデザインは見た目だけではなく、データ量やどのような角度から見ても違和感のないことなど、多様な評価ポイントがあります。そのためポリゴン数や元イメージなどもしっかり明記しておくことが重要です。
なお、上記はモデリングの制作物を掲載する際に必須となってくる項目ですが、モーションやエフェクトなど3Dモデルができて以降の制作物について掲載する場合は「この制作物のなかのどこを担当したのか?」を明記する必要があります。
・担当箇所:
モーションやエフェクトなど動きのある制作物は、完成動画をキャプチャして掲載することも多いのではないでしょうか。その場合、どこを担当したのかが分かりづらいので別途テキストで説明するようにしましょう。
制作過程
3Dデザイナーのポートフォリオで一番大切なポイントはズバリ、制作過程を明確に記載することです。
1つ1つの作品を作るまでに数多くの過程を踏む3Dデザインは、完成物のみを列挙してもスキルがなかなか伝わりづらいです。3Dに起こす前の元イメージ、そこからの過程を順を追って記載するようにしましょう。
制作物の形式ごとに例を挙げましたので下記を参考にして情報を入れ込んでみてください。
▼ 3Dモデリング
2. ポリゴンモデル
3. スキニングの平面データ
4. 元イメージである2Dイラスト
▼ 3Dモーション
2. リギングモデル
3. ジョイント配置やウェイト調整
4. 元のポリゴンモデル
▼ 3Dエフェクト(※パーティクルエフェクト)
2. パーティクルの配置画面
3. エフェクトのコンセプト
モーションやエフェクトの場合は、制作過程や解説コメントまで一つの動画内でまとめる形式もよく目にします。
3Dデザイナーとして、元イメージをどのようなプロセスで立体的にし、どのように表現するかは腕の見せ所になりますので、その思考のプロセスが伝わるように制作過程を記載するようにしましょう。
プラスαの追加要素:基礎画力や立体把握力をアピールできるデッサン
3Dデザイナーのポートフォリオでは意外かもしれませんが、デッサンの作品を掲載するのもご自身のスキルをアピールするのに有効です。
デッサンは基礎画力はもちろん、立体把握力や空間認識力を判断する材料になります。必ず掲載しなければならないという決まりはありませんが、掲載したほうがスキルの証明になります。
デッサンを新規で作成する時間が無い……という場合は、より素早く立体物を描写するクロッキーなどを掲載するのも良いですね。
載せる作品数の目安は?
3Dデザイナーに限った話ではありませんが、ポートフォリオは「質」が大切です。
作品数としては5〜10作品程度あると良いかと思います。
ただし、3Dデザインは制作に時間がかかることが多いので、掲載出来るものが少ないからといって、短時間で制作したものを追加する必要はありません。
ポートフォリオ全体の質を大切にし、掲載したい高品質な作品をなるべく掲載するようにしましょう。
3Dデザイナーポートフォリオ作成時の注意点は?
2Dデザイナーのポートフォリオ作成の記事でも触れましたが、3Dデザイナーの場合もポートフォリオに実務で制作した作品を掲載する際は注意が必要です。
・リリース前のタイトル/プロジェクトでの作品
担当したタイトルがリリース前の場合はもちろん守秘義務に触れてしまいますので、ポートフォリオへの掲載はしてはいけません。
・リリースされたタイトル/プロジェクトでの作品
仮に世に出ているタイトルであっても、版元や制作会社の都合により、ポートフォリオへの掲載が禁止されている場合があります。実務で制作した作品は、ポートフォリオへの掲載可否を確認いただく方がよいでしょう。
また、当社に応募いただく場合のポートフォリオ形式は特に指定はありません。
PDFファイルで制作する方が多いですが、ポートフォリオサイトとしてWebサイト形式でまとめたものも良く目にします。読み手の気持ちを考え、自分がアピールしたいことを上手く表現できる形式でまとめましょう。
さいごに
今回は3Dデザイナーのポートフォリオ制作のコツや注意点について解説しました。
ポートフォリオの作成は時間を要しますが、ご自身のスキルの裏付け資料として非常に重要なものです。今までの制作物を振り返り、しっかりと読み手にアピールできるよう丁寧にポートフォリオを作成しましょう。
当社でも3Dデザイナーの皆様には面接時にポートフォリオのご提出をお願いしております。さまざまな方のポートフォリオを見ているからこそアドバイスできることもございますので、お気軽にご応募ください。
みなさんが思い描くキャリアを実現できるよう、当社一同サポートさせていただきます。
なお、下記サイトでは当社でご担当いただける3Dデザイナー案件の一部をご紹介しています。プラットフォームや担当領域もさまざまなので、ご自身のスキルやご希望に合うお仕事があるか、ぜひ覗いてみてください!