【クリエイター座談会】ユーザーの心を掴む企画の裏側〜活躍するプランナー3名が大切にする仕事への向き合い方〜

【クリエイター座談会】ユーザーの心を掴む企画の裏側〜活躍するプランナー3名が大切にする仕事への向き合い方〜

CULTURE 2025.10.17

こんにちは、QOGL+編集部のレオです。

当社で働くクリエイターたちにスポットを当てるクリエイターインタビュー企画。

今回は3人のプランナーの方にお集まりいただき、座談会形式でインタビューしました!

プランナーと一口に呼んでも業務内容は様々。担当タイトルも業務内容も違う皆さんの、プランナーとして共通する想いも見えますので是非最後までお読みください!

参加者プロフィール

▼ N・T
2021年入社。
現在はソーシャルゲーム運営会社で国民的RPGシリーズの派生タイトルのプランナー兼アシスタントプロデューサーとして従事。
美少女ゲームが好きで、勝利の女神:NIKKEやブルーアーカイブをよくプレイしている。
▼ H・M
2020年入社。
現在はソーシャルゲーム開発会社で三国志をモチーフにしたRPGタイトルでプランナーとして従事。キャラの設定、シナリオ作成、収録立ち会いなどを担当。
元々ボードゲームカフェの店長をしていたこともあり、ボードゲームは今でも好き。
▼ Y・Y
2025年入社。
ゲーム業界歴7年目。現在はスマートフォンアプリ開発・運営会社でゲームとソーシャルマッチング機能が融合したアプリの新規開発プランナーとして従事。
ポケモンが好きでポケモンばっかりやってきた。
▼ R・N(司会進行)
2022年に新卒入社。マーケティングGr所属。
現在は社内報の作成や、外部求人媒体の掲載など、クリエイターの集客部分に携わっている。
▼ R・U(司会進行)
2017年入社。キャリアサポート専任担当。
配属されているクリエイターの毎月の面談やフォローを担当。
ストリートファイター6やポケモンカードゲーム、学園アイドルマスターが好き。Vtuber配信を観ることも趣味のひとつ。

座談会開始!

ーーR・N:
本日はよろしくお願いします!
今回はプランナーの皆さんにお集まりいただきました。プランナーと言っても細かく分かれているのでそれぞれ業務内容は違うと思いますが、色々お伺いできればと思います。

プランナーとして大事にしてること

ーーR・N:
まずは皆さんがプランナーとして大事にしていることやこだわりを聞かせてください。
H・M:
ユーザーにとって何が必要なのか、つまりユーザーのニーズに常にアンテナを張るようにしています。
今担当しているタイトルでいうと、三国志を美少女ゲーム化してるゲームなので、原作が好きな層と美少女ゲームが好きな層の両方を引き込まないといけない。原作好きには「原作をそう解釈して表現するんだ」というところを楽しんでもらいたいし、美少女好きには最近の美少女ゲームのトレンドを押さえつつ超えていくという点を考えて企画をしています。
とにかくユーザーのニーズを常に意識して、インプット・アウトプットをすることを大事にしています。
ーーR・N:
なるほど。インプットする際の情報収集はどのように集めているんですか?
H・M:
まずプロジェクト内で共通認識のベンチマークとするタイトルは常に見ています。当然類似キャラは出てきてしまうのでそこを抑えつつ、真似にならずにオリジナリティを出すためにはどうするかということを考えています。
ーーR・N:
たしかに美少女ゲームが数多くある中で、唯一無二のキャラを作るのは難しそうですね。
H・M:
そうですね。原作のファン層が結構厚いので、そんな原作ファンを「美少女ゲームだと思ったらちゃんと原作色強いじゃん」という風に唸らせたいですね。
ーーR・U:
他の方はユーザーニーズの掴み方やプランナーとして意識している点はありますか?
N・T:
私の担当タイトルの場合も、やっぱり原作の国民的ファンタジーRPGシリーズが好きな人が多いんです。このシリーズは老若男女から愛されてるロングタイトルなので、原作愛が強い人が多い。
だから、原作の世界観を崩さないようにすることを第一に考えています。そして、そこから派生タイトルとしてのオリジナリティをいかに出すかというベストな塩梅を探って企画しています。
これが結構大変で、一番気を付けているポイントです。
ーーR・U:
ユーザーニーズというか、そもそも運営者自身の原作への知見が大前提として必要になってきますよね。
N・T:
そうですね。そもそも原作シリーズは今1~16まで出ていて、外伝を含めると30シリーズくらいあるので、まずそこをやり込まないとそもそもこのタイトルには入れないというところはありますね。
勉強する必要があります。
ーーR・U:
N・TさんもH・Mさんもどちらも長年愛されている原作を元にしたタイトルなので、ユーザーのほうが詳しかったりもしそうですよね。上を見たらキリがないというか。
H・M:
私は別の三国志作品の初期の頃からゲーム攻略本を作っていたりしたので、知識は誰にも負ける気がしないです!(笑)
N・Tさんの話を聞いて思い出しましたが、私も昔、原作シリーズが多くあるタイトルに参画した経験があります。
私自身はそのゲームシリーズに触れたことがなくて、その状況でキャラ作りをするのは本当に大変でした。
毎回担当キャラを隅々まで必死に調べながら作っていましたが、ユーザーの原作愛の地雷を踏まないか薄氷を踏む想いでしたね。
ーーR・U:
原作が長くて多いものだと、どこにユーザーの地雷があるか分からないですもんね。
Y・Yさんの場合は、原作がないのでユーザーのニーズを拾うところから難しそうだなと思うのですが、どうですか?
Y・Y:
そうですね、私の担当タイトルは完全オリジナルですし、まだリリース前の新規タイトルで、運用中でデータが即時確認できるという状況ではないです。
そういったニーズの不確実性がある中で、担当タイトルについて理解を深めるために、類似タイトルをプレイして、調査・分析しながら試行錯誤をしています。
リリースされるとそれがユーザーのゲームに対する印象に直結してしまうので、出す前に自分たちが納得いくまで追求するという意識がプロジェクト全体にあります。
ーーR・U:
Y・Yさんの参画現場は、クオリティ至上主義的な印象もあるので、会社ごとの傾向もあるかもしれないですね。マッチング要素とのバランス感も難しそうだなと考えます。
Y・Y:
ソーシャルマッチング機能は私の担当範囲外になってないので言えることは少ないのですが、普段ゲームをプレイしない人も含めて幅広い層に遊んでもらえるようにということを意識して開発しています。
ーーR・N:
やはり皆さんエンドにいるユーザーを最優先に考えてそれぞれお仕事に取り組んでいるのですね。ありがとうございます。

やりがいについて

ーーR・N:
働くなかで、大変なこともあると思いますが、プランナーとしてのやりがいはどんなところにあると思いますか?
N・T:
一番は、考えた施策を世に出して、SNSなどでユーザーが喜ぶ姿を見ること
これに尽きると思います。去年オフラインで生放送を開催して、ユーザーと直接かかわる機会がありました。そこで、ユーザーから「10年プレイしてきました」とか「原作シリーズが大好きで遊んでます」とか実際に声をかけてもらって。SNSだけでなく生の声を聞けて本当に嬉しいなと感じました。
ーーR・U:
N・Tさんの担当タイトルは去年10周年でしたもんね!Y・Yさんは開発中ですが、やりがいという観点でいうとどうでしょうか?
Y・Y:
今のやりがいは、リリースされた時のことを想像してワクワクしたり、日に日にゲームが出来上がっていく様子を間近に見ているので、その過程を楽しんでいます。
最初の仮素材を配置していたところから、イラストがあがってきて組み込みをして、段々ゲームの形が仕上がっていく姿を見ているととてもワクワクするんです。
ーーR・U:
H・Mさんもゲーム業界歴が長いので、開発に長く携わった経験もあると思いますが、そういう時は何をモチベーションにされていましたか?
H・M:
一番長くて印象的なのは約10年ぶりに発売となった、人気シリーズのナンバリング続編タイトルでしょうか。その時は「世界的に有名なIPに携わっている/コンフィデンス・インターワークスが紹介してくれたご縁で、ビッグタイトルの一翼を担っている。」という責任感と高揚感がありましたね。
重責に苦しくなることもある一方で、リリースされた時のインパクトを想像して、半ばわがままかもしれないですが、「自分が携わっているので絶対売れるゲームになる!」という気持ちで日々業務に挑んでいました。
ーーR・N:
ありがとうございます。
今、モチベーションの話題がでましたが、他の方はどうでしょうか。

モチベーションの保ち方

ーーR・N:
誰しも不安になることはあるかなと思いますが、落ち込んだ時に何か意識してることはありますか?
N・T:
私は実はあまり不安になることがないんですよね(笑)性格的に結構ポジティブで、「絶対ユーザーが喜んでくれるから大丈夫!」って精神でいるので不安になることがないんです。
H・M:
めっちゃうらやましいですね!
ーーR・U:
私は普段皆さんとフォロー面談をしている中で、プランナーとかシナリオの方は結構作ってるうちに不安になる人が多い気がするなと感じることもあるのですが、結構人それぞれなのかもしれないですね。
N・T:
そうですね、自分が楽しんでいないと本当に楽しいものは届けられないよねという精神でやってます。
H・M:
私も「自分が作ってるものがウケないわけない!」の精神なので、自分自身に対しての不安はないかもなあ。ただゲームは1人で作っているわけではないので、周囲の環境とか開発状況とかに不安を感じることはあるかもしれませんね。
Y・Y:
私もモチベーションが下がることはないですね。というのも、今はマッチング機能が融合したゲームという今までになかったものを開発しているので、それを世に出した時に、どんな反応があるかを想像するとやっぱり不安よりもワクワクが勝るんです。
プロジェクトの全員がチームのためを思って、なんでも自分事のように働いてる人が多いので、こんな良いメンバーで同じ方向を向いて作ったものが良くないわけない!と自信を持ってます。
ーーR・U:
すごくいい話ですね。私は実際にゲーム制作現場に立つことはできないし、いちユーザーでしかないですが、皆さんのように「ゲーム制作側の方が一番の作品のファンでいてくれる」ということが、ユーザーがついていこうと思う理由の一つだと思うので、本当に素晴らしいことだなと思います。

働くうえで大切にしていること

ーーR・N:
皆さんがプランナーとして働くうえで大切にしていることはありますか?
H・M:
私が一貫して守ってきていることは、プランナーとして、「知らない」という言葉を使わないようにするということです。先ほどの原作シリーズが多くあるタイトル時の話もそうですが、「やったことないから」「知らないから」できないとは言えないんですよ。
プランナーは今までやってきた業務と同じ業務ができるとは限らない。どんなPJに参画するか、どんなものが要求されるか分からない状況の中で、「知らない状況」から「知っている状況」にいかに早く持っていくかが大切だと思ってます。
そのために必要な情報は調べるなり勉強するなりしています。常に目に映るものは全て勉強だと思ってインプットするように心がけてます。
ーーR・U:
営業担当時代にゲーム制作現場の上位層の方と話した際、「よく『勉強したほうがいいことは何ですか』って、聞かれるけど、目に映るもの全て勉強で、後々仕事に必ず活きてくるので、主体的に日常に向き合う姿勢でいてほしい」と伺ったことを思い出しました。今のH・Mさんの話はそれに通ずるところを感じますね。
H・M:
それこそ私は過去に占い師をやっていたり法律事務所で働いていたことがあったけれど、プランナーになって占い師のキャラを設計してと言われたことがあり、占い師の経験が役立ちました(笑)
その他にも、役所仕事の描写やカフェの描写など、今までの経験を活かすことができていると感じます。だから日常の中で一見仕事とは関係なさそうに見えても、ちょっと時間があるなら何でも興味をもって調べてみるということはすごく大事だと思います。
ーーR・N:
目に映るものは全て勉強。素敵な考えですね!他の方は働くうえで大切にしていることはありますか?
Y・Y:
私はどんな仕事も自分事のように考える姿勢が大切だなと考えます。面白さをとことん追求できるか、セクション間の垣根を越えて色んな人を巻き込んで能動的に行動できるかという姿勢を大事にしたいですね。相手の立場になって考えることでより良い提案ができますし。
また、ただゲームを作る集団の作業者の1人ではなくて、プロジェクトやチームが目指すものがあればそれに向かってチームの一員として全力を捧げられる人になりたいと思っています。
ーーR・N:
周囲を巻き込むというと、プランナーは他セクションとのコミュニケーションも多く発生するポジションですよね。N・Tさんはいかがでしょうか。
N・T:
そうですね、プランナーとして大切なことはお2人が言っていることが全てだと思います。
私が一番大事にしていることは、コミュニケーションです。プランナーとしてというより人間として、とも言えますが。私はプランナーだけの業務でなく、デザイナーやエンジニアが1日のうちどんな動きで/どんな作業してるのかを理解するようにしています。相手の動きを把握することで提案のタイミングも調整できるし、各所の連携にも活かすことができる。
私がアシスタントプロデューサーを兼任しているということもありますが、各所と良質なコミュニケーションを取り連携を円滑にすることがゲーム運営において一番重要だと思ってます。チームが大きくなればなるほど関わる人が増えて、すれ違いも発生しやすくなるのでコミュニケーションは大事にしていきたいですね。
ーーR・N:
周囲の方の業務や流れまで目を向けているのですね、素敵です。ありがとうございます。

今後のキャリアについて

ーーR・N:
最後に、この先のキャリアについて伺いたいです。今後のキャリアや将来のために現時点で意識していることなどはありますか?
H・M:
私は年齢も年齢なので、プランナーとして職業人生を全うしたいですね(笑)
マネジメントもやったりしたけど、やっぱりいちプランナーとしてゴリゴリ作ることが楽しいと感じています。現役でプロのプランナーとして美少女の台詞を書きまくって、声優さんの収録立ち会いをして「すみません、こんな恥ずかしい台詞言わせて……」っていうことを続けていきたいですね(笑)
という冗談はさておき、生涯現役として職業人人生をできるところまで続けたい!というのが今後の目標です。
N・T:
私は将来的にはプロデューサーやディレクターになって、アプリゲームをもっと自分色に染めていきたいという想いがあります。やるからには上を目指したい気持ちはあるので、ゲームの代表人のような人になれたらいいなという淡い将来像はありますね。
そのためには、まずは今の現場でできるところは全部やっていきたいと思っています。
ーーR・U:
プロデューサーやディレクターは一番辛くて一番やりがいがあるポジションですよね。頑張ってください!
Y・Y:
私も将来的には「多くの人から遊ばれるゲームの産みの親になりたい」というのはありますが、まだ7年目なのでそこまで将来像に対する実感はなくて……。直近だと、まずは今担当しているタイトルを無事にリリースまでもっていくということが一番の目標です。
まず目の前のことを達成して、そこで得た評価や経験を元に今後のことを考えていきたいなと思っています。

まとめ

R・N:
皆さん、ありがとうございました!
仕事に対するこだわりや将来の話まで、色々お伺いできてよかったです。皆さんにはこれからも弊社でご活躍いただけたら嬉しいなと心より思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします!
R・U:
皆さんにとっては当たり前のことを話したと思っているかもしれないですが、私のようなクリエイターではない人間や、今ゲーム業界で活躍したいと考えてる人にとっては、とても響くお話が多かったと思います。やっぱり実際に働かれている方の生の声は非常に貴重なので、とても良い時間でした。本当にお時間いただきありがとうございました!

さいごに

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の座談会では、ゲームプランナーとして働く皆さんの、リアルな声をお届けしました。

華やかな世界の裏側にある地道なインプットの重要性や、ユーザーの期待を超えるためのプレッシャー。そして、それを上回る「やりがい」や「ワクワク」する気持ち。様々な形で皆さんの心に響く言葉があったのではないでしょうか。

今後も実際に活躍されてる方の声を届けてまいりますのでお楽しみに!

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